fc2ブログ

湯治入門-4  「いざ、温泉地へ」

2010年07月30日 01:20

湯治入門その1その2その3」のつづきです↓



 ○ 湯治にいこう - 温泉地・宿選び

いろいろと温泉について知ってもらったところで、温泉地・宿選びです!!


まず、「湯治」へ行こうと考えたとき、いつもの温泉旅行を想像していませんか?

湯治とは「温泉地に長期滞在または一定期間通って、温泉によって病を治すことである。」と始めに説明しました。
1日の温泉旅行ましては1回の入浴をしたからといって温泉の特性から、はっきりとした療養的な効果は得られないので、湯治は長い期間滞在するものなのです。

つまり、湯治でいく温泉地(湯治場)は、いわゆる旅行で行く温泉地とはまったく性質の異なるもの。
雰囲気や準備、心構えも違うので、下調べが重要になります。

湯治場には、本気で病気を治そうとして重い病気を抱えた方が集まっていることも少なくありません

遊びに行くような気持ちでいると、その考え方の違いからトラブルになってしまうこともありますから、湯治へ行くなら意識の切り替えも必要となることがあります。

とはいえ、体の不調和の改善やリフレッシュして病気になりにくい体を維持しようとする“プチ湯治”と呼ばれる考え方など湯治も多様化していますし、みなさん体良くしようと来ている人ばかりで、“はだかの付き合い”と呼ばれるように温泉には心がオープンになる・すぐに打ち解ける雰囲気があるので、あまり心配することもないと思います^^

ただ、重い病気を本気で治そうとしている人達がいるということだけは知っておかなくてはいけません。


さて、温泉地・宿選びですがポイントは次の3つです

 A. どの泉質が自分の症状に対して効果的なのか。
 B. 体調・症状によって、どんな気候・自然環境がいいのか。
 C. 温泉地・宿周辺の施設や宿の炊事場、設備はどうなっているのか。


順に説明していきます。


 A. どの泉質が自分の症状に対して効果的なのか。


泉質についてはこちら→「温泉入門 その3」で再度ご確認くださいませませ^^

おおまかに分けられた11種類の泉質をみると効果や注意点が大きく違います。

自分の症状にあった泉質の温泉地を探すようにしましょう


どれが効果的かわからないという方は、ある程度泉質で目安をつけ、その温泉がある宿や温泉地がある自治体のHPを見たり、電話して聞いてみるというのもひとつの手です。

温泉地によっては、温泉に詳しい温泉療法医という方がみえる温泉もあるので指導を受けて湯治をしてみてもよいかと思います。
(温泉療法医が薦める名湯百選などというものもあったのでそれを参考にしてみてもいいかも)

ただ、同じ病気の人の話を聞き、「あの人がどこそこの温泉でよくなったから自分も行ってみようか」などと判断して温泉に療養に行くのは、かえって病気を悪化させる危険もあるので注意が必要です。
人それぞれ、症状や体質、体調、考え方が違うので素人の意見を信用しすぎないようにもしましょう。


また、温泉の成分も微妙に異なり、同じ泉質でもいろいろありますから、泉質が体に合うかどうかを試すために事前準備として短期間の滞在をしてみてもOKです!
強い泉質の温泉地では、むしろそうすべきだと勧められることもあります。

ちなみに、適応症に応じ、刺激の弱い温泉からはじめて刺激の強い温泉へと移っていくのが安全な方法です。
いきなり、強い刺激の温泉に入って体調を崩すなんてことがないようにしましょう^^

※温泉刺激の強さは、温泉の泉質と源泉からの距離で決まります。源泉に近いほど鮮度が高く温泉分析書に近い温泉である一方、源泉から遠いほど「やわらかい温泉」になります。この2つに注意してみてください。




 B. 体調・症状によって、どんな気候・自然環境がいいのか。


日本各地に温泉地は数多くありますから、当然、それぞれ気候も違えば、周りの環境も違います^^

暑い地方なのか、寒い地方なのか、山岳地の温泉なのか、森林の中の温泉なのか、海辺の温泉なのか。
体調や症状によって、こうした点を考慮して温泉地を選べば、より快適で効果的な湯治になるでしょう


また、宿の近くに適度な散策コースなどがあるということもポイントの1つです!

宿の中ばかりにいて、入浴だけを繰り返し、食べては寝るという生活を続けていては、かえって身体を悪くしかねません。
症状や体調によりますが、人間、適度な運動は必要です

温泉街を歩くのもいいですが、森林や渓流沿い、海岸沿いなどの散策コースやハイキングコースのように、自然を体感できるところが宿の近くにあると理想的です。


環境によって簡単に分けておきます。参考にしてみてください

 ・ 山岳地の温泉地

山岳地の温泉地に滞在すると、気候による刺激で心臓や血管のトレーニングとなり、呼吸運動も活発になります。また、皮膚は寒冷刺激を受けて血行がよくなり、栄養状態が改善され、気分が爽快になります。
1000m以上の高原や山岳では、日射しや紫外線が強く刺激が強いので、ご高齢な方、皮膚の弱い方は注意が必要です。
心臓病や高血圧症、喘息に悩む人は寒暖の差や気圧の変化が著しい山岳地は避けたほうが無難です。


 ・ 森林の温泉地

自然の緑のよい香りが精神的にリラックス・快適さを与えてくれ、植物から放出される物質が周辺の空気をきれいにしてくれるので、快適な環境の中で過ごす「森林浴」は心身ともによい効果があります。
また、ウォーキングやハイキングなどの運動ができるところがあることが多く、無理なく身体を動かすことができるはずです。
一般的に森林の温泉地では、年齢や体調を問わず過ごすことが出来ます。ただし花粉症や樹木性のアレルギー性疾患の方は注意が必要です。


 ・ 海辺の温泉地

海辺や平地の湖畔にある温泉地は緊張感から解放され、静養するのによい環境です。
一般的に夏は涼しく、冬は暖かいので一日の温度差は比較的少なく、気圧の変化もあまりないので穏やかに過ごせますから、高齢者や高血圧、呼吸器系の弱い人に向いています。
また、新陳代謝や心肺機能も高まり、自律神経の安定化といった傾向が見られ、精神的に不調な人適していると言われています。
ただし、北国の海岸などには刺激的な環境のところもありますし、海辺は湿気が多いので痛みを持つ人は注意が必要です。




 C. 温泉地・宿周辺の施設や宿の炊事場、設備はどうなっているのか。


湯治の場合、長い期間滞在する訳ですから宿選びは大きなポイントになります。

値段もさることながら、静かな環境か、落ち着いたくつろげる造りか、階段やお風呂場に手すりは付いているか、炊事場あるか、洗濯機やその他日用品は揃っているかなど、宿の造りから滞在のための施設環境も事前に調べておくことが大切です。

昔ながらの湯治宿では、短期の観光客や保養客を相手にしていないため、山間僻地の質素な温泉地が多く、娯楽施設やTVがない宿も珍しくありません。
また、宿泊や滞在に必要なものは宿泊先によっても異なっていて、旅館への宿泊と違い、寝具一組、浴衣一着、食器・茶器一器にいたるまでレンタル料が発生するので、有料・無料の別は事前に良く確認しておきましょう


連泊の場合には食事も大きなウエイトを占めます。
観光旅館の料理を毎日食べていたら確実に、ふところは寒くなり、お腹はカロリーオーバーで大きくなっていくこと必死です^^;

そのため、湯治宿では、自炊設備が整っていたり、ご飯と味噌汁は提供してもらい、おかずだけ自分で用意するという半自炊というものがあります。

自分で作る分、栄養やカロリーをコントロールできるし、素泊まりとおなじようなものなので料金も安くあげることができます。
自分で材料をあらかじめ持っていけば、さらに安く泊れるでしょう。

地元のものが食べたいときは買出しに行かないといけないので、宿の周りにどんな施設やお店があるのかもチェックしておく必要があります。


また、自炊には、その土地のものを買い物したり、好きなものを好きな時間に作って食べれるといった日常とは違った楽しさや、宿で仲良くなった人と自炊した料理を持ち寄って一緒に食べたりして交歓を深めるといった楽しさがあります。

はじめは慣れないかもしれませんが、意外と慣れてくると自炊にハマってしまうかもしれません

ちょっと自炊は・・・、という人の場合、湯治で有名な多くの温泉地では、長期滞在者向けの宿を用意していますし、一泊二食付きでも割安な料金設定である場合がほとんどです。
通常の旅館のようなサービスや、豪華な部屋を求めることは難しいですが、これなら始められるという人も多いと思います^^


宿選びでは、「宿の人が、湯治や保養目的の人に理解があるかどうか」が大きなポイントです。

自炊や半自炊システムがあるとか、湯治またはプチ湯治用のプランを用意しているという宿は理解があるといえます。
そういった湯治やプチ湯治に理解のある宿を選ぶようにしましょう


絶景かな、絶景かな



温泉地・宿選びのポイントを挙げてきましたが、大切なことは「自分にあった泉質・環境はどれか」、「宿の人が、湯治や保養目的の人に理解があるかどうか」です。

昔ながらの湯治場から湯治の理解のある温泉宿まであり、プランもさまざまです。
そのなかから、コレだ!!と思うところに湯治にいきましょう

        ・・・つづく ≫≫


↓役に立った・わかりやすかったなど、よかったらポチッとヨロシクお願いしますm(_ _)m
 にほんブログ村 健康ブログへ



コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://kenkoutabi.blog113.fc2.com/tb.php/81-2340be0a
    この記事へのトラックバック