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身を損なわないために…

2010年05月05日 22:15

前の 『 身を損なう原因 』 で、身を損なわないためには内欲をこらえて少なくし、外邪を恐れて防ぐことが大切だと書きました。
今回は、身を損なわないためにはどうしたらいいのか、もう一歩踏み込んで行きます



 貝原益軒は、「内欲」を防ぐためにはどうしたらいいのか、具体的に説明しています。

  養生訓 - 第1巻より

 そもそも養生の道は、内欲をこらえることが基本である。基本をしっかり実行すれば、抵抗力が強くなり、外邪に侵されなくなる。

   - 中略 -

 内欲をこらえる重要な項目は、飲食を適度に抑え、過食や過飲をしないこと。胃腸を痛め、病気を引き起こすようなものを食べないこと。色欲を慎んで「精気」を惜しむこと。
 また、寝る時間でもないのに横にならない。長々と眠らない。長時間坐ったままでいないで、ときどき身体を動かして、「気」を巡らすこと。特に食後は、必ず数百歩歩く。もし、長い時間坐ったままでいたり、食後にのんびり坐っていたり、あるいは昼寝をしたりすれば、食物は消化しない。まして、早くから横になって居眠りなどすれば、体の働きが滞って病を生じ、ついには「元気 ※1」がなくなって、体は衰弱してしまう。

 つねに「元気」を減らすことを惜しんで、おしゃべりを控えめにし、感情を表出を適度にすべきである。感情のうち、とくに<怒り・悲しみ・憂い・思い>の感情を少なくすべきである。欲を抑え、心を平穏にし、気持ちを穏やかにして荒々しくせず、静かにして騒がしくせず、心はつねに和やかで楽しくあるべきである。憂い苦しむことはない。

 これらはみな、内欲をこらえて「元気」を養う方法である。また、こうすることで、風・寒さ・暑さ・湿気などの外邪を防ぎ、これらに侵されることがなくなる。これら内外のさまざまな用心は、養生の重要な項目である。これらの注意をよく守りなさい。


※1 ここでいう「元気」は東洋医学用語としてのものであり、生命活動の原動力となる気のことを意味します。また、原気とも書きます。

     口語 養生訓   -  原著:貝原益軒  訳註:松宮光伸


今も昔も大切なことは変わりません。
食事に気をつけて、運動をして、感情に注意すること。
これらのことを貝原益軒はとくに強調しています。

前にも説明しましたが、内欲とは、飲食の欲、好色の欲、眠りの欲、おしゃべりの欲、それに七情( 喜ぶ・怒る・憂う・思う・悲しむ・恐れる・驚く )を表わす欲のことです。

内欲は誰でも持っているもので、注意しなければ内欲はどんどん膨れていき、遂には身を滅ぼしてしまう怖いものです。

しかし、内欲は自分で注意できることです。

つい暴飲・暴食したり、惰眠をむさぼり、感情を爆発させてしまうことがみなさんにも一度はあると思います(私は当然あります^^;)。
一度や二度なら少しの害で済みますが、続いたり常習化してしまうとそれこそ命にかかわってきます。

絶対にするなというと人間したくなるもの。
なので、「 内欲を知り、気をつけてみること 」 ・ 「 内欲に負ける回数を減らすようにすること 」 の2つを注意してみてはいかがでしょうか?

もう一度言いますが、「内欲」・「外邪」は注意することで防ぐことができることです。
ぜひ、内欲をこらえ、「元気」を養うようにしましょう!


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コメント

  1. sumito | URL | dSgqtt7g

    欲望という名の電車

    こんにちは。滋味深い内容ですね。
    欲望という名の電車とか何とか言う映画もありましたが、
    現代で大事なのは「食」だと思います。自然科学的な見方
    が出来ない母親・父親が増えています。
    貝原氏の養生訓は、仏教哲学と同じ内容ですね。宗教は堕落して
    今では敬遠されがちですが、御釈迦さんもイエス・キリストも
    自然科学的な点では同質だと思います。生命の営みを観察して
    実感するには、自然環境が必要ですが、田舎にいても観ていない
    人は観ていないから何も知り得ず残念です。僕も自然農法を通して
    もう一度じっくり向き合いたいと思います。JAKUTAKUさんが近くに
    いれば、色々話したり、お灸や鍼灸をしてもらいたいのですが・・・

  2. JAKUTAKU | URL | srF/8RA2

    >sumitoさん
    コメントありがとうございますv-22

    養生訓は東洋医学・儒学をもとにしているので、仏教哲学と同じところが多いですね。
    仏教も東洋医学も紀元前に生まれ、社会のしくみのひとつとして当たり前に機能していました。当然相互に影響を及ぼしあっていたと思われるので似た内容が多いのかもしれませんね^^

    名古屋に住んでいると自然が少ない分、すこし外に出て自然に触れると、より自然や生命の営みが新鮮に映り、実感できるのかもしれません。
    自然がやはり人間には必要で、感謝することを忘れてはいけないと思わされます。

    ぜひ、sumitoさんとは色々な話をしてみたいです!
    やはり“むら”という響きには日本人としてのなにかが詰まっているような気がして、一度機会があれば訪れてみたいです[絵文字:v-411]
    そして、鍼灸も体験してもらいたいです^^

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