2010年04月22日 01:04
鍼灸をやっていて、よく次のようなことを訊かれます↓
「鍼は痛いんじゃないの?」と。
鍼灸治療を受けたことがない人で「はり」と聞くと、なぜか注射器や縫い針を思い浮かべる方がよくみえます。
確かに、「鍼」を見たこともないわけですからしょうがないと思います^^
なので、まず鍼をみてもらいます( ・∀・)ノ

どうですか?
かなり細く作られていることがわかっていただけたでしょうか。
大体縫い針の3分の1くらいです。
詳しく説明すると上から順に・・・
① 鍼体長 8分 (20㎜)- 鍼体経 0.16mmφ 材質-銀
② 鍼体長 1寸3分(40㎜) - 鍼体経 0.18mmφ 材質-銀
③ 鍼体長 1寸6分(50㎜) - 鍼体経 0.18mmφ 材質-銀
④ 鍼体長 1寸3分(40㎜) - 鍼体経 0.18mmφ 材質-ステンレス
⑤ 鍼体長 1寸3分(40㎜) - 鍼体経 0.16mmφ 材質-ステンレス
⑥ 鍼体長 1寸3分(40㎜) - 鍼体経 0.18mmφ 材質-ステンレス
⑦ 鍼体長 1寸6分(50㎜) - 鍼体経 0.20mmφ 材質-ステンレス
⑧ 0.4のシャープペンの芯 (比較対象)
⑨ 100円ライター (比較対象)
鍼にはこのほかにも、鍼の長さ・太さ・材質などが違う、様々な鍼がありますし、この写真の鍼は一般的な鍼で、他にも色々な形の鍼もあります。
また、鍼の先にも工夫がしてあり、痛みが起こりにくい形に研がれています。
注射器や縫い針とはまったく違うことがわかっていただけたでしょうか^^
では、本題の「鍼は痛いんじゃないの?」という質問に対しては・・・
「鍼は痛くありません!」
とお答えします。
日本の鍼は痛みを起こしにくいように工夫されていますから、ほとんど痛みを感じないことが普通です。
人間の体ですから100%痛くない。とは言い切れません(部位や患者さんの感受性にもよるところがあります)が、注射のような痛みは皆無です!
さて、実は、これでは答えとしては90点といったところでしょうか。
では、残りの10点分は?というと・・・
・ 施術者の腕によっては痛いこともある
・ 施術の手技・流派によっては痛いことも
・ 「響き」と「痛み」を混同している人がいる
この3つも書いておく必要があるので説明していきますね^^b
まず、『施術者の腕によっては痛いこともある』ですが、当然、鍼をうつのが下手な人が鍼をすると痛いです。
鍼灸学校に入ったばっかりで、鍼をし始めたときは、それは痛かった(笑)
しかし、治療者も数々の練習・色々な手技で、痛みのない治療をしようと日々努力していますので、まず耐えられないほどの痛みを感じることはありません。むしろ、鍼は心地よく、気持ちイイものです^^
そして、『施術の手技・流派によっては痛いことも』と書きましたが、中国などでは痛くなければ効かないという考えがあるようで、痛みを伴う手技を使うことがあります。
中国の鍼は日本の鍼に比べて太いので痛いということもあります。
(中国鍼を使われる鍼灸師でも痛くない人もみえるし、痛くないとイヤだと考える患者もいるので、詳しくは中国鍼を使う鍼灸師に尋ねてください)
また、TVで、ブスブスと痛いところに鍼を刺しまくっているのをみかけることがあります。
メディア的には派手なほうが視聴率がとれるから、そのような治療をしている人ばかりをとりあげやすく、「鍼は痛いんだ」という誤解を与えていることもあります。
しかし、多くの鍼灸師は、細い鍼でなるべく痛くないように施術しています。
TVで報道されるものの中には、極端な鍼灸師をとりあげているということもあることを覚えておいてください。
最後に、『「響き」と「痛み」を混同している人がいる』です。
鍼を刺されたときに、独特の感覚(ズ~ンとした重い感覚・電気が走ったような感覚など)を感じることがありますが、これを「響き」といいます。
このような感覚を「痛い」と感じられるかたがみえます(特に初めてのかたや怖がっているかたなどで顕著です)。
響きと痛みを混同していたかたも慣れてくると、または違いを教えられると、響きと痛みはまったく違うことに気づかれます。
ちなみに、響きがないと治療効果がないということはありません。
響きがなくても治療に効果はありますので心配しないでください。
長々とここまで書いてきましたが、『 鍼 』について少しは知っていただけたでしょうか?
繰り返し述べますが、鍼は痛くありません。気持ちイイものです。
また、痛ければ効くというものでもありません。
いままで、鍼は痛いと思っていた人やどんなもので治療しているのか分からなかった人の参考になれば嬉しい限りです!
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コメント
牛嫁 | URL | RiQ7BJJ.
逆子
友達が妊娠34週になっても逆子で、鍼灸したらゴロゴロゴロという音がして、逆子が直ったと言っていました。
鍼灸すげ~!!と思ったけど、やっぱり痛そうというイメージが拭えず。
でも、このブログを読んで、イメージ払しょくれました。
父もよく鍼灸行っているので、今度私も行っています!
( 2010年04月22日 21:00 [Edit] )
JAKUTAKU | URL | srF/8RA2
>牛嫁さん
コメントありがとうございます
逆子の治療は鍼灸で。
と昔は言われていましたが、最近は知らない人も多くみえますね。
痛そうなイメージが払拭できたと言ってもらえるなんて嬉しいです(つ∀;)
妊娠後は「血(けつ)」が少ない状態で、子育てによる疲れも出てくるので、ぜひ鍼灸を受けてみてください。
子供を治療するとき、親も一緒に治療してあげるとより治療効果が出やすくなります。
それは、親の精神状態が崩れてくると子供はそれを敏感にキャッチしていて、子供の調子も悪くなるからです。
だから、たまに疲れをとるとイイと思いますよ
(最近は核家族化して祖父母にみてもらってる間は休むということができなくなったから、子供に問題が出てくるという面もあるかもしれませんね。)
( 2010年04月22日 22:37 [Edit] )
職人まこと | URL | -
これならいけそう
こんばんは
実は大の注射嫌いだったんで鍼は必然的に
避けていたんですが、知らないってもったいないことだと改めて感じました
今度行ってみます
( 2010年04月23日 18:45 [Edit] )
JAKUTAKU | URL | srF/8RA2
>職人まことさん
コメントありがとうございます
注射が嫌いだと鍼もなんとなく嫌なイメージになってしまいますよね^^
わたしも注射嫌いなんでわかります!
体験してみないとわからないものもありますから、一度行かれるのもイイと思います。
ただ、値段も大体4000円+初診料2000円くらいが相場でしょうか。けっして安くはありません。
(腰椎分離症なら保険適用できると思いますが、初回は無理かも。今度詳しくブログに書きます)
なので、できれば脈診(脈をみて体の状態を把握する診察法)をしている治療院をオススメします。
私が東洋医学を軸に置いた治療をするので、このような言い方をするのですが^^;
鍼灸治療は怖いものではありませんから安心して行ってみてください!
( 2010年04月23日 23:42 [Edit] )
sumito | URL | dSgqtt7g
おはようございます
あれっ、JAKUTAKUさん鍼灸師ではなかったのですか?
鹿児島にいた頃、俳句の師匠が鍼灸師でした。
彼は玄米食をしていましたが、出方で焼酎を
よく飲んでいましたから、お酒の飲みすぎはね・・・
彼が好きだったから、離れてからはすっかり
俳句を詠まなくなりました。JAKUTAKUさんは?
( 2010年04月27日 09:47 [Edit] )
JAKUTAKU | URL | srF/8RA2
>sumitoさん
コメントありがとうございます
えっ、私は鍼灸師ですよ(笑)
鍼灸師ではないと取られるところがどこかにあったかな^^;
実はお酒はまったく飲めません!
コップ一杯のビールで頭痛がしますから(笑)
ただ味わうのは好きなので、いろいろなお酒に手を出しています(お猪口一杯ですが)。
俳句は日本の誇る独自の文学ですからね、私も詠みたいと思っていますがまだ手つかずです・・・。
世界で最も短い詩と言われていますが、一瞬で風景・情景・感情を凝縮させて五・七・五にする俳人たちには感動します^^
( 2010年04月27日 21:51 [Edit] )
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