2015年03月15日 23:49
第10章より
老後は、若いときよりも、月日の早いこと十倍にもなるので、1日を10日、10日を100日、一ヶ月を一年と考え、喜び浮かれて無駄に日を過ごしてはならない。いつも時間を惜しみなさい。
心静かにゆったりと余日を楽しみ、怒りなく、欲少なくして、まだ残されている体を養うべきである。老後、一日も楽しまずに、むなしく日を過ごしてしまうのは惜しむべきことである。老後の一日は千金に値しよう。人の子たるもの、このことを心にかけないでよいことがあろうか。
第10章より
歳が下寿(60歳)を越えて70に至っては、一年を越すのもなかなか難しいことである。この頃になると、一年のあいだにも体力の衰えがはっきりとわかり、それは若いときの数年よりも顕著である。このように衰えていく老いの身だから、よく養生しなければ、寿命を長く保っていくことは難しい。
また、この年頃になれば、一年の経つこと、若いときの1、2ヶ月を過ごすよりも早いものである。多くもない余命が、このように早く進んでしますのであるから、残された寿命がいくらもないことを覚悟すべきである。
人の子たるもの、このようなときに気を配って孝をつくさず、むなしくときの過ぎるにまかせることこそ愚かなことである。
第10章より
老いてのちは、一日を十日と考えて日々を楽しみなさい。つねに日を惜しみ、一日も無駄に過ごしてはいけない。
(中略)
つねに楽しんで日を送りなさい。人を恨んだり怒ったり、自分の身を憂うえたり嘆いたりして、心を苦しめて楽しまず、はかなく年月を過ごしてしまうのは、愚かというべきであろう。
たとえ家が貧しく、不幸にして飢えて死ぬようなことになっても、死ぬ時までは楽しんで過ごしなさい。貧しいからといって、人にむさほり求め、道にはずれたことまでして命を惜しんではならない。
口語 養生訓 - 原著:貝原益軒 訳註:松宮光伸 より引用
「年をとっていくと、時間が早くすぎる」というのは、もうこの頃には言われていたですね^^
高齢者の患者さんとしゃべっていても、よく聞きます。
これは諸説いろいろありますが、ジャネーの法則 … “ 50歳の人間にとって1年の長さは人生の50分の1ほどであるが、5歳の人間にとっては5分の1に相当する。なので、50歳の人間にとっての10年間は5歳の人間にとっての1年間に当たることになる。 ” というこtにより早く感じてしまうようです。
それにプラスして、貝原益軒先生は残りの時間が短いことも挙げて、一日を大切にしなければいけないと説いています。
とくに年をとっていくと新たな刺激が少なく、マンネリ化した生活を送っていることも多いです。
刺激が少ないと、ボケる原因になりやすく、一ヶ月・一年はあっという間に過ぎ去っていってしまいます。
一日を惜しみ、刺激を求め、死ぬまで楽しんで生活することが、養生訓からみる高齢者の養生法のようですね^^
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コメント
平山直行 | URL | -
月日
若者は月日の過ぎるのが遅れるような感じがする。
( 2015年05月10日 08:10 [Edit] )
JAKUTAKU | URL | srF/8RA2
Re: 月日
>平山直行さん
訪問&コメントありがとうございます
時間の流れは、老人は早く若者は遅く なのかもしれませんね^^
だからこそ若者は色々なものに手を出せるんでしょう。
当然、健康で体力もありますし(笑)
( 2015年05月15日 23:30 [Edit] )
平山直行 | URL | -
月日
若いころは1日、1週間、1ヶ月、1年は遅く、それに比べ老人になると早くなります。
( 2015年08月15日 08:03 [Edit] )
平山直行 | URL | -
若いころに比べると、老人になると1年を過ぎるのが早くなります

若いころは1年長かった、それに比べると老人になると1年があっという間に過ぎてしまう
( 2015年08月15日 08:12 [Edit] )
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