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本当に怖い“ 低体温症 ”

2014年09月19日 22:53


ちょっとしたキッカケから2009年に起こったトムラウシ山遭難事故の報告書を読みました。

事故の内容はもちろんのことですが、それ以上に低体温症がこんなに怖いものだとは思いませんでした。

鍼灸の学校の授業でいちを習ってはいたのですが、こうやって実体験を通してみていくことで、その症状の危険さがより生々しく理解することができました。

なので、今回はそんな危険な “ 低体温症 ” のことをもっと知ってもらうために、まとめていこうと思います

登山だけではなく、川や海、場合によっては街中でも起こることがあるので、おおまかでも知っておくことが大切になるかと思いますからお付き合いください。。。


   ◆低体温症とは?

深部体温低体温症とは、寒さによって体温が下がり続け、最悪、昏睡状態・凍死に至る危険な症状です。

人の体は、深部体温と表面の皮膚体温があって、温度に違いがあります。
脇の下で測る皮膚温度は36度前後ですが、深部体温は37度前後あり、この体の深部体温が2℃以上低下した状態をいいます。

(女性等がよくいう「体温が低くて…手先が冷えるし風邪にかかりやすい」というものも低体温と呼ぶことがありますが、今回は医学的な「低体温症」のことであり、救急医学会の「偶発性低体温症」の定義では、体の中心部の温度が35℃以下の場合をいいます。)


   ◆低体温症のメカニズム

人間は恒温動物のため、通常は外気温に関係なく一定範囲内で体温が保たれています。
冷気にあたったりして、体が寒さや冷えを感じる場合、まず手や足の皮膚温度が下がり、深部体温を保とうとします。
末梢細動脈が収縮し皮膚血流を低下させて熱の放散を抑えて、脳や心臓などの生きるために大切な臓器が集まっている体の中心に、温かい血液を集めようとするのです。

しかし、それでも体が冷え続け、深部体温が36度を下回ると、深部体温を下げないために体をブルブルと震わせて熱を生み出そうとしますが、さらに体温が30℃以下になるとふるえすら起こらなくなり、判断力や精神活動・運動能力も低下し、加速度的に体温は低下し続け凍死に至ります。

低体温症は、冬季や登山などの寒冷下で起こることが多いですが、海や川で長時間泳いでいたり、濡れた衣服を着たまま風に当たったり、お酒や睡眠薬を飲んだあと寒い場所で寝てしまったりしたときなどに起こることもあり、一年中日常的に発生する可能性があります。


   ◆低体温症の症状

 低体温症は体温の低下とともに以下の症状が現れます。

  深部体温 37℃~35℃
 意識は正常だが、動作が鈍くなる。寒さによる身震いが起こる。

  深部体温 35℃~33℃ 〔軽度〕
 正常な判断力が低下し、意識がはっきりしない。うまく会話できず、ふらつく。

  深部体温 33℃~30℃ 〔中度〕
 ふるえがなくなり、意識レベルはさらに低下。歩行不可、不整脈・筋硬直が起こる。
錯乱状態・支離滅裂・閉口になりうる。

  深部体温 30℃~26℃ 〔重度〕
 意識がなくなり、腱反射も消失。心拍・脈拍微弱で心室細動も起こる。

  深部体温 26℃~ 〔重篤〕
 筋硬直・脳波消失。心停止。


   ◆ 低体温症の早期発見

単なる疲労との区別が困難で、ふるえが止まると加速度的に症状が悪化するので、早期発見が大切になってきます。
その低体温症の発症の早期発見の手がかりは、精神症状です。

  ・ よろよろ歩くようになり、おかしな言動をする
  ・ 同じ言動を繰り返したり、妄想をきたす
  ・ 会話がスムーズにできず、反応が鈍い
  ・ 状況にそぐわない衣類となる、悪い状況なのに衣類を脱ぎ始める
  ・ 山などの場合、遅れ気味になり「かまわず先に行ってくれ」「すぐ追いつくから」などと言う

上記のような言動をし始めたら要注意であり、低体温症の発症を疑いましょう。


    ◆対処方法

この低体温症の怖いところは、初期症状は疲労状態と似ているため、休めば治ると考え、適切な処置をしないでいると、症状はみるみる悪化し、最悪死に至るというところです。。。

それだけに、適切な対処が重要になってきます。
症状によって必要な対処法が異なるので、順を追ってみていきましょう。

  - 全程度に共通 -

 基本は、『隔離』 『保温』 『加温』 です。
 風・雨・雪に晒されるような場所を避け、衣服が濡れている場合はそれらを乾いた暖かい衣類に替えさせ、暖かい毛布などで包みます。衣類などは緩やかで締め付けの少ない物が望ましいです。
 脇の下や股下などの太い血管(主に静脈)がある辺りを湯たんぽなどで暖め、ゆっくりと体の中心部から温まるようにします。
 この時に無理に体を動かすと、手足など末端や表皮の冷えた血液が体を動かすことで血管が拡張することも手伝って体内をくまなく循環してしまい、内臓の発熱量を低下させ、心臓や脳の体温も下げ、全身が芯まで冷えることになります。(これは山の滝行などで冷水により急激に体を冷やしても起きることがある。)
なので、体を温めさせようと運動させるのは逆効果であり、中心側からゆっくり暖まるよう工夫することが大切です。


  - 対処法・軽度 -

 とりあえずどんな方法でもよいので体を温めるようにして、温かい甘い飲み物をゆっくり与えます。
 ただしコーヒーやお茶の類いを与えると、利尿作用で脱水症状を起こすので利尿作用があるものは避けたほうがいいです。
アルコール類は体は火照るが、血管を広げて熱放射を増やし、さらには間脳の体温調節中枢を麻痺させて震えや代謝亢進などによる体温維持のための反応が起こりにくくなるため、お酒は絶対与えてはいけない。
体の温まる甘い飲み物は効果的ですが、意識がはっきりしていないと飲み物で溺死する危険性があるので、意識障害が在る者には飲ませてはいけません。
 また、リラックスさせようとしてタバコを与えるのも、末梢血管が収縮して凍傷を起こす危険があるので吸わせないようにしましょう。

 眠ると代謝や震えによる熱生産が低下するので、十分に温まるまでは覚醒状態を維持させます。
 この段階では少々手荒に扱っても予後はいいので、出来るだけこの段階で対処すべきです。


  - 対処法・中度 -

 軽度と中度とでは、かなり対処法が異なるので注意が必要になってきます
 中度以上の低体温症は、速やかに医療機関へ搬送する手配することが第一になってきます。
軽度のうちは本人が寒気を訴えるので加温をしたり病院へ搬送したりすることを考えますが、中度に進むと、逆に意識水準が低下して保温に無関心となってくるため「大丈夫です」などの返答をするが、安易に鵜呑みにせず救護者が客観的に全身症状から低体温症を判断することが重要になります。

 また軽度で温めたが、中度では病院にくる前に体表加温してはいけません!
中等度以上の低体温症に対して体表面を加温すると、手足にある冷たい血液が心臓に戻り、中心温度が下がりショックをおこす危険性が出てきます(ウォームショック)。
外部から温熱器具で暖める積極的表面再加温は、かえって種々のリスクを伴います。
医療機関での加温した輸液の注入・胃腸の温水洗浄などによる積極的中心再加温が原則になるので、-共通-のところで説明したように風雨を避け衣服を着替えさせ毛布で包むまでにしましょう。
 ただ、軽度ではまだ震え等での自発的な熱生産能力が残っていますが、中度以上になるとそうした生理機能も障害されており、保温のみで回復を期待するのは難しいため、流れが遅い静脈の血を暖めるので体表から中心加温でき、冷たい血液の戻りによる中心体温の低下によるショックが起こる危険が少ない脇の下や股下をゆっくり温めることは大切になってきます。

 また、動かしたり運動させたりすると、手足から停滞していた低温・低酸素・高カリウムの血液が心臓に戻り、心室細動などの異常を引き起こす事もあるので、出来るだけ安静を心掛けましょう。
比較的穏やかに暖める事は可能であるが、裸で抱き合うと、体の表面を圧迫して余計な血流を心臓に送り込んで負担を掛けるので、裸での添い寝は避けるべきです。
同様の理由で手足のマッサージも行ってはいけません。
 とにかく安静にする必要があるので、風雨を避けられる場所に移動するにも、濡れた衣服を着替えさせるにも、介助者がしてやるようにし、出来るだけ当人には運動させないようにする。
 心室細動により非常に苦しむ事もあるが、心臓停止状態以外では胸骨圧迫も危険であるため、しないほうがいいです。。


  - 対処法・重度 -

 呼吸が停止しているか、または非常にゆっくりな場合は、人工呼吸を行って呼吸を助け、心臓停止状態にある場合は、胸骨圧迫を併用する。
心臓が動き出したら胸骨圧迫を止め、人工呼吸を行う。この場合はマウス・トゥ・マウス式の人工呼吸の方が、人間の吐息であるために暖められていて都合がよいとされています。

 重度の低体温症まで至ると、たとえ病院で集中治療を行っても生存率が芳しくなくなるため、軽度・中度の段階で早めに対処して食い止め、重度まで進行させない予防が重要になってきます。
 ただし、3時間以上も経って後遺症もなく回復したケースもおり、医療機関に手渡すまではあきらめずに行いましょう(小児では特に回復の可能性が高いです)。

(※Wikipediaにうまくまとめられてたのでそこから引用・改変しました。)


   ◆ 予防法

一旦体温が下がると、安静にしていても大量のエネルギーを消費するため(体温が0.61度低下すると酸素消費量は3倍になってしまう)、よほど適切な処置がない限り低体温から脱出することは困難です。
そのため、低体温症では発症後の処置よりも発症させない予防がとても大事になってきます

登山・海川と街中では、予防法・準備の度合いが変わってきますが、基本的なことを挙げていきますね↓

 ・ 天候や行き先の環境を考え、適切な衣類(防寒、雨具、上着など)を準備するようにする
 ・ 疲労がたまっていたり、寝不足のときは無理をしない
 ・ 悪天候になったら無理をせず、退避・帰宅を選択する
 ・ 体が濡れたり寒さを感じたら、早めに対処する
 ・ 食事や間食で体調を維持しておく
 ・ 低体温症のことを知り、複数でいる場合は初期症状にお互いで注意する



   -------------------------------------------------


山・海・川でなくても、街中で突然の激しい雨や冷たい風にあたって、誰でも低体温症になるおそれがあります。

花火や野外コンサート・スポーツ観戦などで、起こることも十分に考えられるのです。
もちろん山・海・川では一年中低体温症に本当に気をつけなくてはいけません

何度も書きましたが、低体温症の怖いところは、初期症状が疲労と似ているため、休めば治ると考え、適切な処置をしないでいるとすぐに症状が悪化してしまうところです。

自分はもちろんのことながら、一緒にいる人が低体温症になることもありえます。

よく低体温症のことをこの機会に知っておき、自身は避け、誰かを介抱できるようになっていただければ、、、と思います。



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