2013年05月08日 23:08
症状は多様ですが、脳性マヒは特に運動面で障害のあるものに対して使われ、脳の障害の部位などにより、片マヒ、両マヒ、四肢マヒ、不随意運動型、失調型といった病型に分けられます。
知能障害が合併するとはかぎらないが、てんかん、行動異常、情動障害、言語障害、知覚障害などの症状をともなうことがあります。
年齢とともに進行する麻痺や一時的な麻痺、あるいは単に発達が遅れているだけのものは脳性麻痺とは呼びません。
間違えやすいものに「小児麻痺」がありますが、これはポリオウイルス感染によって発生する麻痺(急性灰白髄炎)のことを指し、脳性麻痺とはまったく異なります。
脳性まひの原因としては、遺伝的要因や脳奇形、脳血管障害(脳梗塞・脳出血など)、中枢神経感染症(胎内でのサイトメガロウイルス感染症、ヘルペス感染症など)、分娩時の仮死(分娩時に赤ちゃんの呼吸循環状態が悪くなる状態)など大変幅広い原因があり、現在の医学では原因がわからないことも多くあります。
とはいえ、かつては成熟児の分娩障害や血液型不適合妊娠による核黄疸が多かったのですが、周産期(出産前後)医療の進歩で、これらが原因の脳性まひは著しく減少しています。
今回は、そんな脳性まひの原因について、日本医療機能評価機構がひとつの発表を行いました。。。
脳性まひの赤ちゃん調査
陣痛促進剤の使用、77%が不適切
過剰投与など指針を逸脱
出産事故で赤ちゃんが重い脳性まひになった際、医師の過失の有無にかかわらず補償金が支払われる「産科医療補償制度」で、陣痛促進剤を使った出産の77%が過剰投与などの不適切事例だったことが分かった。日本医療機能評価機構が報告書をまとめた。
報告書は、制度が始まった2009年以降に補償対象となった188件を分析。陣痛促進剤が使われていたのは56件だった。
このうち、77%に当たる43件で過剰投与などがみられ、日本産科婦人科学会などが定める指針を逸脱していた。
具体的には「使い始めの投与量が基準より多かった」「途中の追加量が基準を超えて多かった」など過剰投与や、「投与時に胎児の心拍数を適切に監視していなかった」というケースが目立った。
陣痛促進剤の投与が脳性まひ発症の主な原因と考えられる事例は1件、何らかの影響を与えた可能性があるとされた事例は6件だった。
指針は陣痛促進剤投与の際に十分説明して同意を得ることを求めているが、実行されたことが明らかなのは56件中28件と半数にとどまり、説明と同意がなかったケースが8件あった。
報告書をまとめた同機構の再発防止委員会は「促進剤の使用自体は悪いことではないが、基準を守って使うことが重要。投与中は胎児の状態をモニターでよく監視することが安全につながる」としている。
- 中日新聞より引用 -
妊娠中に感染症にかかってしまったためとか、へその緒が首に絡まってしまい仮死状態になったためとか、色々な原因があるが、防げるものならば防がないといけない。
過剰投与によって脳性まひが起こる可能性があるなら、それはキチンと対策をとって防止するべきだと思う。
今回のニュースで「陣痛促進剤は危険なものだ」という勘違いはしないでほしいです。
本文中にもあるが、「促進剤の使用自体は悪いことではないが、基準を守って使うことが重要。投与中は胎児の状態をモニターでよく監視することが安全につながる」のです。
投与の指針を守り、陣痛促進剤の十分な説明と同意がなされれば、陣痛促進剤によって起こる可能性がぐっと減るはずです。
私たちも、陣痛促進剤をもちいることのリスクを知っておくことも大切だと思います。
が、やはり病院側がしっかりと対策をとり、再発予防に努めていってほしいものです。。。
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