2012年12月04日 23:28

発酵食品の起源、世界最古の発酵食品 “ ヨーグルト ”
今から6000年以上も昔、中央アジアの遊牧民は羊・やぎ・馬などを家畜とし、その乳を利用していました。
あるとき、1日か2日で腐ってしまう乳が、独特の匂いを放ちながら1週間経っても腐っていない。
それを試しになめてみると、独特の酸味をもったヨーグルトになっていた。。。
これが人類がはじめて出会った発酵食品ではないかと言われています。
そして、生乳にはない独特の香りと酸味がありながらもとても美味しく、しかも腸の調子を整えることが経験的に知られていたため、長い歴史を経た今でも世界中の人々に愛されています。
それぞれの国で色々な名で呼ばれ、ヨーグルトは世界各国でつくられているのです(ヨーグルトはトルコ語に由来してます)。
地域やヨーグルトの歴史が違うとヨーグルトの種菌も違うので、できあがりも違ってくるし、使う乳の種類により成分が異なるため、できあがりも異なります。
とはいえ、ヨーグルトが身体にイイのは同じです^^
ここから詳しくヨーグルトの素晴らしいところを一緒にみていきましょう

◇ まずはヨーグルトの種類から
FAOとWHOによって1977年に定められたヨーグルトの厳密な定義によると、「ヨーグルトとは乳及び乳酸菌を原料とし、ブルガリア菌とサーモフィルス菌が大量に存在し、その発酵作用で作られた物」。
そして現在、日本で食べられているヨーグルトの種類には、プレーンヨーグルト、ソフトヨーグルト、ハードヨーグルト、ドリンクヨーグルト、フローズンヨーグルトがあります。
・プレーンヨーグルト ・・・砂糖や香料などを一切添加せず、牛乳だけでつくったヨーグルト。
・ ソフトヨーグルト ・・・タンクで発酵して固まったプレーンヨーグルトを撹拌して滑らかにし、果汁や果肉、甘味料を加えて作ったもの。
・ ハードヨーグルト ・・・乳原料に食物繊維のかたまりである寒天やゼラチンを加えてプリン状にしたもの。
・ドリンクヨーグルト ・・・水分を加えて薄くしたものではなく、タンクで発酵したヨーグルトの組織を、細かく砕いて液状にしたもの。
・フローズンヨーグルト・・・ドリンクヨーグルトに空気を含ませて急速に冷凍して作った
◇ 栄養満点のヨーグルト
ヨーグルトの主原料である牛乳そのものが、たんぱく質源としては完璧に近いものです。
それに加え発酵することにより、カルシウム、各種ビタミンが豊富に含まれ、ヨーグルトは人に必要な栄養素がバランスよく含まれている栄養満点の食品になるのです

そして、牛乳と比較して最も違いが出てくるのがタンパク質が分解されてできるアミノ酸です。
タンパク質の量はそれほど差がありませんが、発酵によってアミノ酸に多く分解され、牛乳の3~4倍も多く含まれてます。
体内で消化・吸収されやすくなり、胃を守る働きをしたり、消化の助けをしたりもしてくれます。
また、牛乳はカルシウムの吸収率が高い食品ですが、これも発酵によって、さらに吸収されやすい成分に変化するので、より吸収されやすくなっています。
牛乳が発酵することによって、さらに素晴らしい食品となっているのです^^
◇ 牛乳が×の人も食べれるヨーグルト
牛乳を飲むと、おなかがグルグルと鳴って下痢をしてしまう人、いわゆる乳糖不耐症の人でもヨーグルトなら食べることができます!
乳糖不耐症とは、小腸に乳糖分解酵素(ラクターゼ)が欠損していたり微弱な人が、牛乳などに含まれる乳糖を十分に分解できず、腸に残った乳糖が腸壁を刺激して下痢などの症状を起こすものです。
とくに、この乳糖不耐症は日本人に多いのですが、乳が発酵しヨーグルトになる過程で、乳酸菌によって乳糖が分解されてしまうのです。
なので、牛乳がダメな人もヨーグルトなら安心して、牛乳の栄養とほぼ同じもの(もしくはそれ以上)を摂取することが可能できます^^
◇ 腸内環境を整える
ヨーグルトと聞くとまず浮かぶのがこの「腸内環境を整える」作用ではないでしょうか^^
腸には数千兆個とも言われる細菌たちがすんでおり、これらの細菌には、消化・吸収や免疫力をアップする「善玉菌」や、腸内腐敗を起こす「悪玉菌」などがあります。
腸の健康を守るには、善玉菌優勢の状態をキープすることが大切ですが、偏った食生活やストレス・加齢による消化機能の低下などにより、悪玉菌を増やし腸内環境を悪化させています。
ここで、ヨーグルトに含まれる“ 乳酸菌 ”が腸の強い味方になってくれます。
乳酸菌は通常、腸内細菌として棲息していますが、ヨーグルト含まれる“乳酸菌”は、腸内定着することはできなきません。
しかし、ヨーグルトに含まれる“乳酸菌”は、腸内を酸性にすることで酸性に弱い悪玉菌の増殖を抑制し、腸内常在乳酸菌のサポートし増殖させるによる整腸作用をもっているのです

また、腸を刺激して、腸管の蠕動運動を活発にさせてスムーズで速やかな排便を促す働きもあります。
スムーズな排便を促せば、腸内に有害物質がとどまる時間が短くなるので、腸内環境を維持しやすく、便秘や下痢などにもなりにくくなります。
さらにヨーグルトの乳酸菌がすごいのは、生きて腸で働くだけでなく、胃酸などで死んでしまっても、その成分が善玉のビフィズス菌を増やして腸内環境の改善に役立つことです。
よく、胃酸で大半が死滅してしまうから腸まで残るやつじゃないとダメだといいますが、けっしてまるっきりダメなことはないです。
ヨーグルトを食べ続けることで、腸内のバランスをいつも整えておくことができるのです^^
◇ 美肌効果もあるヨーグルト
ヨーグルトには、皮膚の生成に欠かせないビタミンA、B1、B2、パントテン酸、ビオチンなどが豊富に含まれています。
また、ヨーグルトにたまっている上澄み液は「乳清」といい、高たんぱく・低脂肪で栄養価が高く、消化が速くタンパク質合成・インスリン分泌を促進し、ビタミン・ミネラルも豊富です。
成分が肌に近いため、肌の保湿や肌本来の防衛機能を高めたり、老廃物を排除する働きがあるといわれており、この部分を捨ててしまうのはかなりもったいないので、一緒にまぜて食べましょう。
当然、整腸作用によって肌がよくなる点見逃せません^^
身体の内側からきれいにできるのがヨーグルトの力です。。。
◇ 風邪予防・インフルエンザ予防
体の免疫機能を刺激して病原菌に対する抵抗力を高める働きもあります。
佐賀県有田町でこんな調査が行われました。
調査は、町の小中学生1,904人が参加し、「R-1乳酸菌」入りのヨーグルト(飲料タイプ)を1日1本(112グラム)、半年間、飲み続けるというもの。
すると、有田町の子どもたちのインフルエンザの感染率が、周辺地域や佐賀県全体と比べて極めて低いことが分かりました。
R-1乳酸菌は、発酵の過程で、「多糖体」と呼ばれる糖を含んだたんぱく質を大量に作り出します。
この多糖体が体の中に入ると、免疫機能で重要な役割を果たすナチュラルキラー細胞を活性化させ、そのため、インフルエンザウィルスも撃退できたのはないかと考えられています。
ヨーグルトには免疫力を高める働きもあるのです。
◇ 花粉症・アトピーに効果がある?
花粉症もアトピーもアレルギー症状で、免疫系という仕組みの働きによって惹き起こされます。
アレルギー症状とは、特定のアレルゲン(症状を起こす原因物質)に過剰に反応することで発症します。
そこで、ヨーグルトの効能ですが、腸内に乳酸菌が到達し腸内環境を整え、余計な細菌を退治してくれるという作用です。
ヨーグルトが直接炎症を抑えるというのではなく、ヨーグルトによって体内の腸内環境が整えられ、アレルゲンに関与する免疫細胞の活性を抑えて、花粉症やアトピーに過剰反応しないようになるということです。
ただし、脂肪が含まれる食品の共通の性質として、過度に摂取するとアレルギーを悪化させたりすることもあるので注意が必要です^^;
さて、ここまで普段なにげなく食べていたヨーグルトには、素晴らしい効果がイロイロとあることがわかって頂けたと思います^^
栄養満点で比較的低カロリーなのに、さまざまな体にイイ効果をヨーグルトは持っているのです。
しかし、スーパーを見ればわかるとおもいますが、ヨーグルトと一口に言ってもその種類は膨大ですよね。
実は、ヨーグルトに含まれる乳酸菌にはそれぞれ違いがあって、ヨーグルトの効果も変わってきます。
というわけで、次回は「ヨーグルトと乳酸菌の種類」と「食べ方」にスポットをあてていきますね^^
≫≫ 次回へつづく
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