2011年11月15日 23:01
養生訓 - 第5巻より
高貴な人の前で長時間かしこまっていたり、あるいは役所で長いこと座っていたりして、足がしびれて急に立てず、倒れてしまうことがある。これを防ぐには、立とうとする前から、あらかじめ左右の足の親指をしばしば動かし、屈伸させておくことである。このようにすれば、足がしびれて立てないという心配はなくなる。
つね日ごろ、ときどき両足の親指を屈伸することを習慣づければ、こむらがえりになる心配がない。また、こむらがえりになったときも、足の親指をしばしば動かせば治る。この方法は、急場をしのぐ方法なので知っておいたほうがよい。
のぼせる人も、両足を伸ばして、親指をしばしば動かしなさい。“気”が下って治る。この方法もまた役に立つのである。
口語 養生訓 - 原著:貝原益軒 訳註:松宮光伸
今回の 『 両足の親指を屈伸すること 』 は、とても役に立つ方法です^^
デスクワークをはじめ、長時間座っていることが多くなった現代人は、足の筋肉が怠けています。。。
ここに書いてある “長時間かしこまっていたり、あるいは役所で長いこと座っていたり” というのは、江戸時代なのでおそらく正座だと推測するが、しびれて立てない場合以外でも十分効果があります。
普段歩くことをあまりしないので、足の筋肉は硬くなり、血流も悪くなって、むくみやすくなっています。
当然、こむらがえり(=ふくらはぎがツる・痙攣すること)にもなりやすくなってしまうのです。
それを防ぐのが “ 親指体操 ” です

この「両足の親指を屈伸すること」を、もう少し詳しく解説していきましょう

足の親指を動かすことで、 【 長母趾屈筋・短母趾屈筋・長母趾伸筋・短母趾伸筋・母趾外転勤・母趾内転筋 】 という親指に関わる筋肉が動きます。
そして、大抵の場合、親指を動かすと残りの4本の指も動くことになるので、【 長趾屈筋・短趾屈筋・長趾伸筋・短趾伸筋・虫様筋・足底方形筋 】 なども動きます。
これからの筋肉は、足の指や足底部、下腿に付着しています。
なので 『 両足の親指を屈伸すること 』 をすれば、親指だけなく、足裏や下腿の筋肉に刺激を与えることができるのです

刺激を与えることで、筋肉を動かす神経が活性化し、筋肉が動きやすくなり、ほぐれ、血流がよくなります

そうすることで、しびれやこむらがえりなどを防ぐことができるわけです。
また、東洋医学の視点からこの「両足の親指を屈伸すること」をみていくと・・・
親指や足底部・下腿には、首や肩・背中に関係するツボや経絡があります。
普段、ここを使っていない人は、足裏や下腿の“気”の流れが悪くなっています。
ここを刺激して、筋肉のハリをなくし、“気”の流れを整えておけば、肩コリや首コリ・背中のハリ・頭痛などに効果があるのです

本文にある“のぼせる人”というのも、下肢の“気”の巡りが悪いために、“気”が上に集まっておこっているものなので、下腿を刺激することで巡りがよくなり、“気”も下りてくることができるのです。
私は、肩コリや首コリ・背中のハリなどを訴える患者さんには疲れない程度のウォーキングを勧めているのですが、これも考え方としては同じです。
「 下 」 を刺激して、「 上 」 を良くする。。。
こういった考え方は、鍼灸にはよくみられるものです。
今回、貝原益軒先生が薦めている 『 両足の親指を屈伸すること 』 は簡単で効果が高い健康法です

普段から取り入れれば、とっても健康によいです。
もし可能なら、『 足首の曲げ伸ばし 』 も一緒にやると、なお良しです!
より下腿に刺激を与えることができるので、相乗効果が期待できますよ~

↓役に立った・わかりやすかったなど、よかったらポチッとヨロシクお願いしますm(_ _)m


コメント
職人まこと | URL | -
正にこれだ!!
こんばんは
足の親指の屈伸!!
これぞ正に僕にとって日々簡単にできる最適な
健康法です
染み抜きって実は立ちっぱなしの仕事なんです
座っても出来なくはないのですが薬剤を取ったりなどを考えると
どうしても立ったままの方が動きやすいので
立ち仕事となりますし、クリーニング自体が
立ち仕事がメインな職場です
なんでスタッフにも早速教えておきますね
ありがとうございました
( 2011年11月18日 23:57 [Edit] )
JAKUTAKU | URL | srF/8RA2
Re: 正にこれだ!!
>職人まことさん
コメントありがとうございます
立ち仕事は、とくに足にきますよね^^;
私も立ち仕事なので、よく運動しています。
親指体操に加えて、足首・膝の曲げ伸ばしをすると、より疲労が取れやすいです
曲げ伸ばしすることで潤滑油が出て、足が動かしやすくなるとともに、血液循環も良くなるので、疲労物質も速やかに排除することができますよ~
( 2011年11月20日 17:03 [Edit] )
コメントの投稿