2011年11月04日 22:48
脳手術に高精度ロボ パーキンソン病患者に光明
名大病院、アジア初導入名古屋大病院(名古屋市昭和区)は、パーキンソン病やてんかん患者などの脳外科手術に0.1ミリ程度の誤差で対応できるロボット「ニューロメイト」をアジアで初めて導入、12月上旬に第1例の手術を行うことを決めた。患者の脳内の奥深くに電極を入れて刺激する「脳深部刺激療法(DBS)」などの手術を極めて高い精度で行うことが可能になるという。
神経細胞が死滅して発症し、手の震えや硬直が起きるパーキンソン病は国内10万~15万人の患者がいるとされる。原因不明の難病だが、脳内の「視床下核」に電極を埋め込み、パルス発生装置とつないで電気刺激を与えるDBSが近年注目されており、手の震えが止まるなどの効果が出ている。名大病院は毎年40から50例の手術を行っている。
しかし、脳神経外科の梶田泰一准教授によると、視床下核は脳の奥深くにある上、大きさが7ミリほどと小さく、正確に電極を埋め込むのは極めて難しい。梶田准教授は「人間の手ではどうしても誤差が生じ、座標がずれて脳の別の部位を刺激してしまうリスクがあった」と話す。ニューロメイトは英精密機器メーカーのレニショー社が開発。名大病院によると、目指す場所に平均0.1ミリ程度の誤差で自動的に導くことができる。英仏では広く臨床に使用され、これまで9千例に用いられているという。値段は1台1億数千万円。今回、文部科学省の支援を受け、名大病院に最先端の医療機器を整備する目的で導入を決めた。
名大は10月1日、医学系研究科が中心になり、脳と心の疾患の病態解明に向けた「脳とこころの研究センター」を設立。ニューロメイトは付属病院の臨床治療用として用いるが、将来的にはセンターと協力し、脳疾患の治療法や新たな手術支援ロボットの開発にもつなげたい考えだ。
※ パーキンソン病 … 主な症状に震え、筋肉のこわばり、動作緩慢、バランス・歩行の障害の4つがある難病。高齢者に多く発症する。遺伝子の異常や、細胞内の小器官ミトコンドリアの機能障害などが病因とされる。
- 中日新聞より引用 -
相変わらず、こういった手術の方法や手技はすごいなと思います^^
脳の手術はコンマ数ミリの誤差が、命や後遺症にすぐに直結します。
心臓や脊髄系統の手術も同じ。
外科医の技術の高さは、ほんとうに職人芸だと感じます。
しかし、近年は今回のニュースのように、手術現場にロボットが登場する機会が増えてきました

いわゆる手術支援ロボットというものです。。。
人間の手では届かないところをカバーしたり、肉眼よりも鮮明にみることができたり、手ブレなく精密な手術ができたり、遠く離れたところでも手術ができたりと、手術支援ロボットもさまざまなものがあります。
こういった中では、内視鏡手術の支援ロボットが一番見たことがあるかもしれませんね。
「ロボット」と聞くと、怖さや危険の話が出てきやすいのですが、むしろ医療機器の1つとして捉えたほうがいいかと思います。
(こういった新しいものは失敗例ばかり報道されやすく、誤解をうけやすい。)
昔からロボットを使う発想はあったものの、それを実現するだけの技術が追いついていなかったが、最近のロボットの要素技術が高度化するにつれ、性能面で普及に叶うロボットができてきて、手術の現場でも活躍する機会が増えてきたのです。
ただ、現在日本では、こういった手術支援ロボットの導入は遅れており、日本製の製品開発も遅れているそうです。
手術支援ロボットは世界中で新たな成果が続々と出ているだけに、導入や手術の実施が遅れると、新しい医療技術に精通した人材を育てられない恐れも出てきてしまいます。
結局、人材が育ちきらなければ、ツケがまわってくるのは患者のほうです。。。
また、薬事法関係のゴタゴタで、現在、公的保険が適用されず、高価な手術とならざるを得ない場合が多いのが現状です。
国の医療費の問題など色々あると思いますが、今後、手術支援ロボットが活躍することを見越した判断を国に求めたいところですね^^;
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