2011年01月25日 22:21
養生訓 - 第3巻より
食べ物は身を養うものである。身を養うもので、かえって身を損なってはならない。それゆえ、食べ物は性質がよく身を養うのに益のあるものを、つねに選んで食べなさい。益がなくて害のあるものは、味が良くても食べてはいけない。
体を温め、力を補い、かつ“ 気 ”をふさがないものは益がある。生もの、冷たいもので、下痢したり、“ 気 ”がふさがって腹が張ったりするもの、また辛くて体を熱くするようなものは、みな害がある。
養生訓 - 第3巻より
どんな食物も、みな新鮮ものを食べるめきである。古くて、臭いが悪かったり、色や味わいが変わったものは、みな“ 気 ”をふさいで滞りやすい。食べてはいけない。
養生訓 - 第3巻より
清浄なもの、香りのよいもの、もろく軟らかいもの、味の薄いもの、性質の良いもの。この5つのものを好んで食べなさい。益があって損はない。これに反するものは、食べてはならない。このことは中国の書にも見える。
口語 養生訓 - 原著:貝原益軒 訳註:松宮光伸
貝原益軒先生は、「飲食」 についても多くのところを割いています。
東洋医学では、「飲食」は、脾胃の働きにより “ 後天の精 ” といわ生理活動を維持するエネルギー源になるので、重要な要素として捉えているのです。
当然、薬膳という言葉があるくらいですから、食べ物は大切なものと位置づけられています。
今回では、特にその中でも“身を養うもの”について説明しています。
体質・症状によって注意しなくてはいけないことが他にも出てきますが、基本的な食べ物について書かれています。
基本は、新鮮なもの・温かいもの・香りのよいもの・軟らかいもの・味の薄いものなどが、体にとって益になるのです。
生もの・冷たいもの・下痢したり腹が張ったりするもの・辛いものは、害があると書いてありますが、これは程度の問題だと思います。
『絶対に食べてはダメ!』 というニュアンスで把握するよりも、『毎日こんなものばかり食べてたらいけない。食べ過ぎてはいけない。』 と捉えるべきです。
なんでも、“過ぎる”ということがいけないのであって、適度に食べる分には体を損なうことは無いと思います。
(そんなことをいっては何も食べれなくなりますから^^)
また、古くて、臭いが悪かったり、色や味わいが変わったものとありますが、現代ではこれらのことを誤魔化すために、酸化防止剤や保存料・化学調味料などが使われていることに注意を払う必要があります。
食品添加物は広く普及し、活用されているだけに、そのようなすべてのものを摂らないというのは無理な話です。
ただ、ちょっと手に取り、食品表示を見るようにすれば、少し気になるようになると思います。
そうしたら、分かる範囲で減らせるものは減らしていけばイイのです。
(気にし過ぎもよくありません。。。)
食事は、生きているうえで欠かせないものですから、それだけ注意を払う必要があります。
食生活によって起こる病はたくさんあります。
現に、食によって病になっている患者さんをよく診ます。
食生活を変えるだけで、体調や症状が変わる人も多いと思います。
この機会に、食について考えてみてはいかがでしょうか?
それこそ、今後の人生のために。。。
(今回は、基本的な食べものについてでしたが、まだまだ養生訓には食に関して多くのことが書かれていますので、今後もちょっとずつ紹介していくつもりです^^)
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コメント
職人まこと | URL | -
わかっちゃいるけど・・・
辛い物、味の濃い物好きの僕としては
に相当
わかっちゃいるけど耳の痛い言葉です
でも過ぎなければいいというお言葉
救われます
でもかみさんの食事でとりあえずバランスは
取れているのかな・・・
( 2011年01月27日 23:28 [Edit] )
JAKUTAKU | URL | srF/8RA2
Re: わかっちゃいるけど・・・
>職人まことさん

コメントありがとうございます
そうですね^^
確かにわかっちゃいるけど辛い&味の濃いものはおいしいから手が出てしまいますねぇ~^^;
私も好きな方ですから、自分への言い訳も含めて過ぎなければいいの考えを提唱しています。
でも、奥さんが料理を作ってくれるというのは大きいと思いますよ
食で病になっている人はやっぱり男女問わず独身の人が多いですね(私のところでは)
。
独身の人は、自分の好きなものだけを食べてしまうみたいです(笑)
奥さんの大食漢だったり味が偏る人だったら話は別ですが、旦那さんがいて、子供もいると料理に幅が出るからイイのだと思います。
そういう意味では職人まことさんのところは幸せですね
( 2011年01月27日 23:56 [Edit] )
紅ちどり | URL | Arp8uk.Y
軟らかいもの
軟らかいものって、食べやすくて口当たりがいいですよね。
でも、反面、「最近の子ども(私たち世代も)は、軟らかいものばかりを食べているから、アゴが小さい」などと言われて、歯ごたえがあるものを食べることを推奨されたりもしていますが、どうなんでしょうね?
迷うときは「どちらも、ほどほど」なんだと思いますが。
咀嚼力と胃腸の消化は別物なのかな・・・。
( 2011年01月28日 13:04 [Edit] )
JAKUTAKU | URL | srF/8RA2
Re: 軟らかいもの
>紅ちどりさん
コメントありがとうございます
貝原先生が書いていた江戸時代には、硬いものを食べる習慣があったので、咀嚼力については考えていなかったと思います。
この養生訓で言いたいのは、「硬いものは消化しにくいので、胃腸の弱い人は注意するように。」ということでいいでしょう
紅ちどりさんの仰るとおり、最近の子供たちは歯ごたえのあるものを食べたほうがいいと言われていますが、あくまで胃腸の弱い子どもについては、硬いものを食べさせることは大人よりも注意が必要です(まだ胃腸が成長しきっていないので)。
胃腸の調子が普通の子供は、適度に硬いものを食べて咀嚼力を強くしたほうがイイと私は思います^^
古典は、使える内容はそのまま取り入れ、そうでないものは現代に合うように考え方を変えて取り入れるのがベターです。
鍼灸の世界ではそれこそ古典をうまく使いこなさないと、現代に当てはまらないことが多々ありますから(笑)
実はこのブログでは、あまりにも現代では理解しにくいものは省いています^^;
養生訓も、鵜呑みにするのではなく、自分の生活に取り入れやすいように臨機応変に使い分けてあげてください^^
( 2011年01月28日 23:27 [Edit] )
紅ちどり | URL | Arp8uk.Y
オッケーです!
そうですよね。江戸時代は、軟らかい食べ物自体が少ないですものね。自分で気がつこうよ、私。
消化力が落ちているときには、胃腸に負担をかけないという至極あたりまえのことですね。
わが子には、普通に食べさせます。
( 2011年01月30日 12:10 [Edit] )
JAKUTAKU | URL | srF/8RA2
Re: タイトルなし
>紅ちどりさん
コメントありがとうございます
いや~、私も軟らかいものということをそのまま受け止めてしまって、咀嚼力という方に考えがいかなかったので、紅ちどりさんのコメントにはとても感謝しています!
コメントありがとうございました
「胃腸を労わる」ということは、東洋医学では重要なこととして扱われています。
それに言及する記述も多いですし^^
胃腸を労わる上で軟らかいものも大切ですけど、硬いものも現代では大切ですね。
なにごともバランスでしょうか^^?
お子さんが健康に育ちますように^^
( 2011年01月30日 23:08 [Edit] )
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