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[薬の話] くすりの体内での動き その3

2011年01月10日 16:19

前回「くすりの体内での動き その1その2」の続き。




 ○ くすり の 分布

内服薬は、口から摂取した後、小腸で吸収され、血液中に入ります。
注射薬・外用薬は、投薬した部位の末梢血管から血液中に入ります。

このようにして血液中に吸収されたくすりは、心臓を通り、血液循環に入って全身を巡り、分布していきます。

血流速度は大動脈で秒速40~50㎝、毛細血管で秒速0.07㎝といわれているので、心臓から出て心臓に戻ってくるまでの血液の平均循環時間は1分くらいしかかかりません。

吸収されたくすりは、血液の循環とともにすぐに分布することになるわけです。


もうすこし詳しくみていきましょう

まず内服薬は、小腸で吸収されたあと、すぐに肝臓にいきます。
吸収されたくすりは肝臓で代謝され、一部代謝されなかった薬が血流にのって全身に運ばれることになります。

一方、注射薬(静脈注射の場合)は、血液中に直接投与されるので、すぐに全身へ分布することになります。


分布しているときの血液中では、くすりの多くは血漿タンパクと呼ばれるタンパク質と結合することになりますが、結合しなかったものがくすりとして効果を現し始めます

(結合していないくすりが分散し、血液中の薬の濃度が低下すると、タンパク質に結合していたくsりが徐々に放出されていくこともあります。)

そして、効果を発揮したあと、くすりの多くは血液循環に戻ることになります。

多くのくすりは、化学物質なので体にとってはあくまで異物です。
体内に残ってしまうと中毒症状や副作用を起こすことになるので、分布・循環の過程でくすりは一定の時間内に体内から消失するようにつくられています。

このように、体内での分布・循環を繰り返して効果を発揮しながら、徐々に体内から出ていくという流れになっているのです。


   ・・・≫ つづく


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