2014年11月27日 22:30
岐阜の20接骨院 所得隠し 計3億4000万円 国税指摘
交通事故で負傷した患者の施術(治療)に伴う保険金収入の一部を申告しないなどの手口で、岐阜県内の約20の接骨院が名古屋国税局から計約3億4千万円の所得隠しを指摘されていたことが分かった。加えて約40の接骨院が経理ミスなどの申告漏れを指摘され、申告漏れ総額は合わせて約4億4千万円、追徴課税は加算税を含め約9千万円に上るという。
近年、交通事故の負傷者数が減少傾向となっている一方、接骨院から自動車損害賠償責任保険(自賠責)への保険金請求は全国的に急増。一部は所得隠しに悪用されている可能性があるとみて、国税当局が業界の経理実態を注視していたもようだ。
接骨院は、国家資格を持つ柔道整復師が骨折や打撲の回復のための施術をしている。健康保険に加え、交通事故で負傷した患者は自賠責が適用される。自賠責を使う場合、主に接骨院が保険会社に施術費を請求、保険金として支払われる。
関係者によると、指摘を受けた接骨院はそれぞれ2012年までの数年間、自賠責の保険金を通常口座とは別の口座に振り込ませるなどして収入から除外していた。また、保険金とは別に窓口で患者から受け取った施術費の一部を申告しなかったケースもあった。いずれもすでに修正申告を済ませたという。岐阜市の接骨院経営者は、本紙の取材に修正申告を認め、「反省している。今後はきちんと申告する」と話した。
交通事故の施術 自賠責の請求額急増
接骨院による不透明な保険金請求に、国税当局のメスが入った。国税局OBの税理士は「接骨院は個人経営が多い上に仕入れや薬の処方がなく、もともと経理で不正が起きやすい土壌がある」と指摘する。
損害保険料率算出機構によると、2012年度は08年度より全国の交通事故負傷者数が1割減ったものの、各地の接骨院が自賠責で請求した施術費の総額は1.5倍に増えた。12年度だけで670億円に達し、不自然とも言える急増ぶりを見せていた。
日本損害保険協会(損保協会)などによると、架空や不必要な施術の疑いが持たれる請求が相次いで見つかっており、事件となったケースもある。
11〜12年には、保険会社から施術費など計350万円をだまし取ったとして岐阜県警が接骨院を開業する岐阜市の柔道整復師とその患者らを詐欺などの疑いで逮捕。整復師は交通事故で軽傷を負い1〜2日通院した患者らに関し、70〜76日間通院したとする虚偽の証明書を作成したとの容疑だった。07年には、交通事故を装った保険金詐欺に関与した疑いで、滋賀県警が岐阜県内の接骨院経営者らを逮捕する事件も起きた。
不正請求が疑われる事例が増加していることから、損保協会は過去の不正請求情報などをデータベースにした照合システムを強化するなど対策を強めている。
- 中日新聞より引用 -
最近医療費削減のためか、鍼灸での自賠責は減っているが、接骨院ではそうではないようですね。
しかし、国も近年調査を強化し摘発を増やしているようです。
同業者ではないが、同じ医療類似行為者としてこう言った行為は業界全体のイメージの低下につながるので、本当にやめてほしいものだ。
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