2012年08月30日 01:27
みなさん、ポリオという病気をご存知ですか。
小さい頃にワクチンをうったのではないでしょうか?
ポリオとは、急性灰白髄炎という神経に起きる感染症で、俗に 「 小児麻痺 」 と呼ばれる乳幼児に多い疾患です。
ポリオウィルスに感染すると、軽い場合は発熱や頭痛で済むが重症化するとウイルスが運動神経を破壊し、手足のまひが一生残るほか、死亡する例もあります。
現在でも発症したらこれといった治療法がなく、ワクチンで予防するしかありません。
日本ではポリオは、1960年ごろに大流行し、最大で年間5600人の患者が発生しました。
1950年代には、不活化ワクチンと生ワクチンのふたつとも開発されていましたが、不活化ワクチンは病気の予防には効果があったが、感染したウイルスの増殖とさらなる感染の広がりを防ぐ効果がなかったので、当時は生ワクチンが採用されました。
その後、自己負担の問題や臨床実験の遅延など色々な問題がありましたが、ウイルスの毒性を弱めた生ワクチンの普及で国内の野生ポリオは消滅するに至りました。
生ワクチンは、弱めているとはいえ「生きている」ために、ごくまれにワクチンそのものがポリオを起こすことがあったのですが、本物のポリオがワクチンのおかげでどんどん減っている以上、そのような問題は些細なこととして気にされませんでした。
生ワクチンがポリオを起こす可能性は440万分の1といわれていたので、 生ワクチンの恩恵が副作用を上回っていたので、正当化されたわけです。
しかし、現在の日本国内では、天然のポリオはなくなっています。
実は最近発見されるポリオは、すべてワクチンの副作用によって起きています。
生ワクチンの接種によって、本人や周りの人がポリオを発症する被害が実際のポリオよりも上回ってしまったのです。
そのことに気がついた多くの諸外国では、麻痺の危険性がない不活化ワクチンに切り替え、普及しています。
アメリカでは、2000年に生ワクチンから不活性ワクチンに切り替えており、不活性ワクチンを使えばワクチンでポリオになるという副作用はありません。
ところが、日本では厚生労働省が不活化ワクチンに切り替える方針を打ち出してから、10年以上導入が見送られ続けてきました。
この間、国の認定を受けただけでも生ワクチン接種による1次、2次感染で20人以上がまひを発症し、実際にはもっと多くの子どもが発症しているとされています。
なぜ導入されないのか、色々な黒いうわさなどもありますが、やっと厚生労働省が重い腰を上げたようです↓
ポリオワクチン 4種混合接種、11月から
厚労省が決定
ポリオ(小児まひ)の予防接種に関する厚生労働省の有識者検討会は2日、ジフテリア、百日ぜき、破傷風の3種混合ワクチンに不活化ポリオを含めた4種混合ワクチンの定期接種に関して、11月1日に開始できるようにすることを決めた。これまでの3種混合と同様、基本的には生後3カ月目から1歳までに20〜56日間隔で3回接種。3回目から6カ月以上の間隔を空け、4回目を追加する。
検討会ではまた、2回の接種が必要な現行の生ワクチンを1回接種した後、9月1日に導入される単独不活化ワクチンや4種混合に切り替えても、免疫獲得に問題はないとの治験結果が示された。不活化ワクチンの副作用を評価する別の検討会を9月以降に設置することも決めた。
厚労省によると、本年度末までの4種混合ワクチンについて、11月から接種が始まる乳児の必要量は確保できる見通し。ただ単独不活化や3種混合の接種対象者が4種混合の導入を待ったり、2回目以降の4種混合への切り替えを希望したりするケースが多くなりすぎると、不足する恐れがある。
- 中日新聞 より引用 -
いままで、不活性ワクチンをうちたい人は、 独自に輸入している病院に行き、全額自費で接種せざるを得ませんでした。
しかし、厚生労働省は、このほどフランスのワクチンメーカー、サノフィパスツールの日本法人が申請していたポリオの単独の不活化ワクチン「イモバックスポリオ」の製造販売を承認してよいとする意見をまとめ、9月以降から個別に医療機関で不活化ワクチンを接種でき、予防接種法に基づき、接種費用が原則無料で受けられるようになります。
生きたポリオウイルスによる生ワクチンが使われてきた1960年代以降で不活化ポリオワクチン承認は初となり、この製品は海外で約30年の使用実績もあり、2012年2月下旬の申請後、異例の早さで承認が内定しました。
そして、9月から単独のポリオ不活性ワクチンが、11月からジフテリア・百日ぜき・破傷風の3種混合ワクチンに不活化ポリオを含めた4種混合ワクチンの導入が決定されました。
やっとポリオワクチンの副作用のリスクが回避できるようになったのです。
また、現行の生ワクチンから不活化ワクチンに切り替わるので、移行期には、それまでに子どもがどのワクチンを何回接種したかによって、今後の不活化ワクチンの接種回数が違ってくるので注意が要ります↓
不活化ポリオワクチンの注意点
あと何回打つ?経歴確認を 8月以降生まれは4種混合
ポリオ(小児まひ)の予防接種が9月、現行の生ワクチンから不活化ワクチンに切り替わる。移行期には、それまでに子どもがどのワクチンを何回接種したかによって、今後の不活化ワクチンの接種回数が違ってくる。保護者がスケジュールを管理する上で、必要なポイントをまとめた。
不活化ワクチンはポリオウイルスの病原性をなくし、免疫を作る成分だけを取り出して製造される。生ワクチンと違って、ポリオを発症する恐れがない。
生ワクチンは2回、口から一滴ずつ飲むだけだったが、不活化ワクチンは皮下注射を4回打つ必要がある。また、多くの市区町村では、春と秋に生ワクチンの定期接種を実施してきたが、9月以降は個別に医療機関で不活化ワクチンを接種することになる。原則無料で通年、接種できる。
9月に導入されるのはフランスのサノフィパスツール社製の単独の不活化ポリオワクチン。11月には、阪大微生物病研究会と化学及血清療法研究所がそれぞれ製造したジフテリア、百日ぜき、破傷風の3種混合と不活化ポリオを合わせた4種混合ワクチンの導入が予定されている。対象が生後3カ月からなので、厚生労働省は8月以降に生まれた子どもについては4種混合を勧めている。
一方、これまでに [ ①生ワクチンを1回接種 ②独自に不活化ポリオワクチンを1回以上接種 ③3種混合ワクチンを1回以上接種 ] のいずれかに該当する子どもは、単独の不活化ワクチンを接種することになる。図に示したように、すでに受けたワクチンの内容や回数によって、今後の不活化ワクチンの接種回数が異なるので、注意が必要だ。また、厚労省はこれまで生ワクチンの接種を控えてきた子どもについて、4種混合の導入を待たず、早めに単独ワクチンを接種するよう勧めている。
同省の検討会のメンバーで、川崎医科大小児科学の中野貴司教授は「ワクチンは対象の月齢に達したら、なるべく早く接種して、病気を防ぐことが望ましい。かかりつけ医と相談して、焦らず、着実に打ってほしい」と話している。
- 中日新聞 より引用 -
移行期間は多少面倒がありますが、これでワクチンの副作用がなくなることを思えば微々たることだと思います。
副作用が起こる可能性は440万分の1でも、その子がうける予防接種は一度です。
薬やワクチンには副作用がつきものでリスクをゼロにすることはなかなか難しいことですが、今回のように確実にポリオワクチンによる副作用が回避できるとわかっているものに対して、行政は早急に対処してほしいものです。
長い年月の間、認可されてこなかったことはとても残念でなぜと疑問をもってしまいますが、ようやく不活性ワクチンに切り替えられるということは、素直によかったと思います^^
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