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風邪をひいたときの基礎知識 その3

2012年04月27日 23:24

「 風邪をひいたときの基礎知識 その1 ・ その2 」 のつづき 


 ○ 風邪のときでもお風呂はOK

「えっ、風邪をひいたときはお風呂に入っちゃダメなんじゃないの?」といいたい人もみえるかもしれませんが、それは昔の常識で日本特有の習慣でした。
いまでは、風邪の際に入浴してはいけないという医学的根拠はないことがわかり、風邪をひいても入浴して構わないのです

お風呂で体を温めてからすぐに寝るようにすれば、体力の回復に大いに役立ちます
また、お風呂の蒸気はのどに適度の湿り気を与えるし、皮膚を清潔にすることで体も気分もサッパリとしぐっすり寝られるなどお風呂に入ることの利点は多いです。

ただし、そうはいっても風邪をひいているので、普通に入浴というわけにはいきません。
いろいろと注意することがあります^^

まず、高熱のときや全身の倦怠感などの症状がある場合は控えましょう

無理に入るとより体力を消耗してしまうことになります。
微熱の基準は意見が分かれますが、一日を通して37.5℃以下ならば入浴は問題ないです。
(あくまで目安なので、自分の体調と相談して決めてくださいね^^)

また、長湯は避け、入浴後は湯冷めに気をつけるようにしましょう

長風呂は体力消耗につながるので避けてください。
そして、湯冷めを避けるため、浴室・脱衣室・寝室を十分に暖めておき、入浴後はすぐに布団に入りましょう。
せっかく暖めた体を冷やすと風邪が悪化することにもなるので、銭湯などは避け、家風呂から出たらさっさと寝るのが◎です^^

最後に、入浴の前後に水分をしっかりと補給して、脱水症状に気をつけましょう

これらのことを気をつければ、 風邪のときでもお風呂はOKです^^



 ○ いきなり解熱剤は使わない

風邪をひいて熱が出てきたらすぐに解熱剤(風邪薬)を飲む人がみえますが、これは治癒に関してはむしろ逆効果になっている場合があります

風邪の主な症状である発熱ですが、発熱というのは体の防御反応であり、あえて体温を高めることで免疫力を上げているのです
主に病原菌と戦う白血球は、平熱より1℃体温が上昇すると5・6倍の働きをしてくれるし、病原菌である細菌やウイルスは熱に弱いので、悪寒がしてガタガタと震えているとき、体のなかではさらに熱を出して体の病原菌をやっつけようとしているのです

なので、なんでもかんでもすぐに解熱剤を使ってしまうと、せっかく熱で戦おうとしている体の邪魔をして、細菌やウイルスのほうを助けることになってしまい、風邪を長引かせることにもなるので注意しましょう。。。

では、どういうときに解熱剤を使ったらいいのでしょうか??

それは、体温の上昇が極端に激しい、いわゆる39℃や40℃も熱があるときは、解熱剤を使ったほうがいいです

39℃も熱があると、体へのダメージのほうが大きくなるから熱を下げた方が懸命です。
また、体温が上がると内蔵の機能が低下するので、腎臓など老廃物の排出機能も低下してくるといけないので、高熱が続くときは、解熱剤や病院を活用しましょう^^

( ※ 平熱というものには個人差があり、35度~37度くらいまで人それぞれです。今回39℃前後で解熱剤と書きましたが、35度が平熱の人と37度が平熱の人では、同じ39℃でも体の負担が違います。自分の平熱を把握・理解した上で、対応するようにしてください。 )



 ○ 風邪に抗生物質は効果がない!


風邪をひいて病院にいくと、すぐに抗生物質を処方されることも多いのですが、抗生物質はウイルスには効果がありません

抗生物質というにのは、細菌に対してなら有効なものです。
…が、ウイルスに対しては効果は期待できません。

風邪をひいたときの基礎知識その1で書きましたが、風邪の原因のほとんどはウイルスです。
ウイルスのうち、もっとも可能性が高い鼻風邪ウイルスによる風邪の場合では、細菌感染を伴う事が少ないので抗生物質を飲み続けても効果は期待できないのです。

日本呼吸器学会でも、成人気道感染症の指針というものに「風邪への抗生物質はできるだけ控えるべき」・「風邪に抗生物質は無効。細菌性二次感染の予防目的の投与も必要ない」とされています

ただし、細菌によっておこっているときは抗生物質が有効です。
では、どういうときがそうなのかというと、咳が数週間続く場合です。

ウイルス性の風邪の場合、病期の長いインフルエンザでも1週間程度で解熱します。
風邪をこじらせた結果 細菌性の肺炎や気管支炎になってしまった場合は咳が数週間続き、この場合はウイルス性ではなくて細菌によってひきおこされているので、抗生物質が有効になります。

2週間たっても、まだ咳が止まらない、痰も多い、微熱がある。こういって場合は病院に行き、抗生物質を処方してもらいましょう

また、小児の場合は耳管が短くて風邪症状から中耳炎を引き起こしやすいです。
中耳炎の原因となるのは細菌なので、中耳炎を併発してしまった場合は抗生物質が有効となりますので、すみやかに病院にいきましょう。

あと、病気によって有効な抗生物質が限定されているので、以前に処方された飲み残しの抗生物質を服用するのはやめましょうね。

( ・・・しかし、どうして風邪に抗生物質がやたらと使われるかと言えば、その答えは医者が“儲かるから”だそうです(・д・;)
「これは抗生物質ですから、○○○の症状が出た時だけ飲んでください」とはっきりと伝えて処方するならばともかく、ただ、「一日何回飲め」というのでは、わざわざ抗生物質の副作用を出させているようなものであると指摘されています。。。注意が必要ですね。)

※出典があやふや・耐性菌の発生リスクが高まる等のご指摘があったため削除しました。


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どうだったでしょうか?意外と知らない・間違えていたこともあったのではないでしょうか^^

風邪は、ほんとうに身近な病ですが、万病のもとでもあります。

風邪について正しい知識をもち、適切に処置して早く治すようにしましょう

もちろん、予防がもっと大事なのは言うまでもないですけどね^^



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こどもの読書週間

2012年04月23日 22:25

子ども読書の日 こどもの読書週間

4月23日は、『 本の日 』 です

いろいろと本にまつわる記念日が目白押し。。。
ユネスコにより「世界本の日」、国連の国際デー「世界図書・著作権デー」、その他にも「サン・ジョルディの日」「国際子どもの本の日」などなど。

そして、日本では4月23日を 「 子ども読書の日 」。
4月23日~5月12日の約3週間を 「 こどもの読書週間 」 としています^^


読書がすばらしいものということは、皆さん知っていると思います。

知識が広がり、想像力も豊かになるし、言い出せばキリがありません。

「世の中にある一流のもので、数百円で手に入るのは本だけだ。」といったのは、あの芥川賞作家の田中慎弥ですが、本当にそうだと思います。

ただ、そうした読書をする習慣をつけるのは、大変かもしれません。

ではどうしたらいいか。

わたしの経験から独断偏見をもって言わせてもらうなら、いかにはやく「のめり込める」作品に出会うかどうかだと思います。

ある一冊をきっかけに、本の世界の面白さを知り、毎日なにかしらの本を読むようになりました。

せっかくのこどもの読書週間です。

こどもたちに、とにかく「のめり込める」作品に出会えるようにしてあげましょう。

どんなもののめり込めるかは人それぞれなので、色々な本を手にとらせてあげましょう。


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風邪をひいたときの基礎知識 その2

2012年04月17日 23:25


前回の「 風邪をひいたときの基礎知識 その1 」では、風邪の基本的なことをおさらいしていきました^^
今回から、いよいよ風邪をひいたときの話に入っていきたいと思います

さて、風邪をひいたとき、みなさんはどうしていますか??

風邪をひいたら、自分なりの色々な対処法を行っているのではないでしょうか。

実は、間違った方法で風邪に対応しているかもしれません。

ここではいろいろな対処法について、真偽を確かめながら書いていきますね^^

    -------------------------------------

 ○ 保温・栄養・休養

これが風邪をひいたときの “ 基本の「き」 ” です

風邪をひいたとき、まずは十分な保温と栄養と休養が大切になります。
これだけで、よくなる場合も多いです^^

熱が出て体温が上がり始めたとき、寒気がして体がぶるぶるとふるえる悪寒がしますが、これはウイルスを体の熱でやっつけるために体温を上げる防衛機能のために起こっているものです。

このときは、少し多めにふとんを掛けたり、毛布でくるんであげたり、湯たんぽを使ったりして十分に保温してあげることが大切です。
熱が上がってしまえば逆に体が熱く感じるので、今度は逆に服やふとんを薄めにしたり、冷たいタオルで冷やしたりして熱を逃がしてあげます。

そして、発熱時にはビタミンやミネラルなどの栄養素が消費されるので、消化のよいスープやドリンクなどで栄養を補給しましょう

風邪をひいているときは、食欲があまりないということがありますが、無理に食べたり、食物繊維や脂質を多く含むものを食べたりすると胃腸への負担になり、消耗している体に余計に負担をかけることになるので避けた方がいいです

ただ、なにも食べないと風邪を治すのに大切な栄養素が足りなくなってしまうので、コーンポタージュや雑炊・生姜湯・卵酒など温かくて消化のよいものや、経口補水液である大塚製薬のOS-1やポカリスエットなどのドリンクから栄養と水分を補給することが大切です

最後に、当たり前ですが風邪をひいたら安静にしていましょう^^

体がだるくて立っているのも辛いというのは、体が安静を要求している証拠です。 

無理に動けば体力が消耗され、自己免疫力が低下し、結果的に風邪をこじらせる事になってしまいます。

余計な運動を体にさせず無駄な体力を使わないようにして、ウイルスと戦うための体力を養うことが大切です。

風邪をひいたときは、十分な保温と栄養と休養の3つをまず実践していきましょう



 ○ 加湿をしよう

ウイルスは乾燥していたり、冷えていたりすると活動が活発になります。

部屋を温めるときには加湿器を使ってウイルスの活動を抑制させ、マスクをもちいて温かい湿ったきれいな空気を取り入れて粘膜を保護・強化させることが大切です

部屋は、温度を20~25℃くらいにし、加湿器などで保湿するようにしましょう。
加湿器が無い場合には、濡れタオルなどを部屋に干しておけば同じような効果が得られます。
特に冬は締め切りがちなので、部屋の空気が汚れやすく、暖房のため乾燥しがちなので注意が必要です。

また、マスクによってウイルスの進入を防ぐことは残念ながらできませんが、マスクすることによって自分が吸う空気に湿り気を与え、のどや鼻を乾燥から守ってくれます。
ウイルスを完全に遮断することはできませんが、他人への感染を減弱させることができますし、免疫力の低下によってその他の病気のウイルスや菌の感染を防ぐためにも、病院など外に出るときはマスクの着用を意識しましょう。



 ○ 「汗をかくと熱が下がる」というのはウソ

よく風邪をひいたときに、汗をいっぱいかけば熱が下がると言われて、毛布をいっぱいかけられて寝巻きがモコモコになるくらい厚着をさせられた、、、なんてことありませんか?

実はこれは間違った対処法なのです

解熱剤を使った後などを含め、熱が下がるときに汗をかくことは事実ですが、無理に汗をかかせても熱が下がるわけではありません。
風邪のときは熱が下がるときに汗をかくのであって、汗をかくから熱が下がるのではないということです

さきほど[保温・栄養・休養]のところで、発熱時は悪寒がするので体を温める。と書いたように、発熱時は体を温める工夫をしなくてはいけません。

しかし、体が熱く感じるようになってからも、そのまま暑くして汗を出させようとすると、熱がこもってますます熱が上がったり、水分が余計に出て脱水状態になってしまいます。
(昔、私も汗を出すのがいいと思って暑くしまくった結果、40度近くまで熱が上がり、脱水症状を起こしかけて死にそうになったのは、いい思い出です(笑)

風邪をひいたとき、必要以上に汗をかかせる必要はないので注意しましょう^^

また、汗をかいたら寝巻きを変えたり、体を拭いてあげるなど不快のないようにして、十分に休養できるようにしてあげることも大切です。



 ○ 太い血管を冷やす

風邪をひいたときの絵では、大抵氷まくらや水まくらがよくみられます。

実際よくもちいられるわけですが、実はあまり熱を下げる効果はありません

頭の後ろやおでこを冷やした位では、全身に出ている熱はなかなか下がってくれません。
頭部には太い血管はあまりないので、体を冷やす作用はさほど望めないのです。

熱を下げるならば、太い血管が集まる脇の下・首の周囲・股の付け根の内側など、太い血管が走っている部位に冷やしたペットボトルや冷たいタオルなどを置くことが効果的です

熱中症のときに用いる場所と同じわけですが、物理的に体全体の温度を下げ、体力の消耗を極力避けながら発汗による脱水を予防することになるのです。

もし、体の熱を下げるならば、頭ではなく、太い血管の集まるところを冷やすようにしましょう^^


ちなみに、氷まくらには頭痛を和らげるという効果なら期待できます!

頭痛は、様々な理由から頭の血管が拡張することによって、血管にまとわりついている神経が刺激されて引き起こされていることが多いので、氷まくらなどで頭を冷やすことによって血管が収縮するので、頭痛が和らぎます。

風邪のとき以外にも使えるので、ちょっと覚えておくといいかもしれませんね^^


 
    ≫≫ 次回へつづく 


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風邪をひいたときの基礎知識 その1

2012年04月14日 21:00


どの人も一度は、風邪をひいたことがあるのではないでしょうか?

今回はそんな身近な “ 風邪 ” について、改めて見直していきたいと思います
意外と、いままで思っていたこと・行っていたことと違うかもしれませんよ^^

    -------------------------

でははじめに、「風邪とはなにか?」といった基本から見直していきたいと思います


さて、わたしたちはただ風邪と呼んでいますが、風邪はひとつの病気を指す正式な病名ではありません。

医学的には 『 風邪症候群 』 といい、鼻やのど・気管支などの呼吸器系に現れる症状の総称です。

主にウイルスの感染による上気道(鼻腔や咽頭等)の炎症性の病気のことで、咳・咽頭痛・鼻汁・鼻づまりなどの局部症状、発熱、倦怠感、頭痛などの全身症状が出現した状態を指します。

ウイルスの違いや個人の体質によって、症状の出方はさまざま。

異なった病原体が鼻やのどなどに取りついて起こるさまざまな症状を、わたしたちはひとくくりに「風邪」と呼んでいるのです

(今回の記事は、風邪症候群だと長く、読みづらくなるので、“風邪”で進めていきますね^^;)


風邪をひく原因は、さっきも書きましたが、多くはウイルスです。

風邪の病原は、80~90%が複数のウイルス感染で、その他10~20%が細菌・マイコプラズマ・クラミジアなどの感染になります。

ウイルスはそれぞれ多くの型をもっており、そして複数のウイルスが関係しているので、400種類以上のウイルスがかぜ症候群の原因となるといわれています。

そのため風邪をひいて抗体ができても、少しでも違えば抗体の意味がないので、何度も風邪をひくことになってしまうのです。

また、だから確実に風邪のウイルスを倒す抗ウイルス剤が未だに開発されていないといえますね^^

よく聞く風邪薬というものは、熱・咳・鼻水などの症状を和らげ、体力の消耗を抑えるものであり、ウイルスを抑えるわけではありません

風邪は、自身の持つ自然治癒力に頼り、それぞれの症状にあわせた対症療法を施すしかないのです^^


もうすこし、症状についてもみていきましょう。。。

風邪は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、せき、のどの痛み、発熱、頭痛、全身のだるさ、下痢、腹痛などの症状が主になります。

症状は比較的軽く、普通は数日で治ります。

ただ、「風邪は万病の元」といわれているように、風邪をきっかけに中耳炎や副鼻腔炎、肺炎といった病気にかかったり、ほかの病気の初期症状だったりすることもあります。

そのため、「ただの風邪だから大丈夫」と思っていても、数日で軽快に向かわない場合は、はやめに病院にいく必要があります

通常、風邪は2~3日以降、症状が下り坂になって完治していきますが、それ以降も「39℃近くの高熱がある」・「4日以上熱が下がらない」・「激しい咳が続く」・「鼻水の色が黄色や緑色になった」・「咳や痰などで眠れない」・「のどの痛み、腫れのために食事や水分が取れない」 などの症状がある場合は、合併症やそのほかの病気を考えて受診したほうがいいといえます

重症になればなるほど、ツライのは自分なので、病院にいくことの大切さを肝に銘じておきましょう。。。


また、風邪と症状が似ているところがあるかもしれませんが、インフルエンザはまったく違うものです!

ウイルスが原因ですが、インフルエンザウイルスは急性で激しい症状が出ます。

悪寒、発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、倦怠感などの全身症状がいきなりあらわれるのが特徴で、咽頭痛・鼻汁・鼻閉・咳・痰などの気道炎症状や腹痛・嘔吐・下痢といった胃腸症状を伴う場合もあります。

風邪とインフルエンザの違い

風邪とインフルエンザはこれだけ違うので、風邪だと思っていても症状が急に激しく出たら、すぐに病院にいきましょう


   -----------------------------------

簡単に、風邪の基本的なことについて復習していきました^^

ここまでは軽いおさらいになるので、あまり新しい発見はなかったかもしれませんね(笑)

いよいよ、次回から本題に入っていこうと思います


    ≫≫ 次回につづく


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お酒は適量で益がある

2012年04月11日 23:16


前に書いた 『 がん予防と5つの健康習慣 』 のなかで、お酒を控えめにすることはがん予防につながると書きました。

江戸時代にかかれた養生訓では、お酒についてこう書かれています↓

   養生訓 - 第4巻より

 酒は天の美禄(天が与えてくれた甘美な恵み)なり。少し飲めば“陽気”を助け、“血気”を和らげ、食物の“気”を巡らし、憂いを去り、楽しい気分にさせ、はなはだ人に益がある。だが、多くを飲めば、これほど人を害するものはない。水や火が人に役立つ一方で、またしばしば人に災難をもたらすのと同じである。
      ~ 中略 ~
 人の病のうち、酒が原因のものは多い。酒を多く飲んで、ご飯を少ししか食べない人は命が短い。多く飲めば、“天の美禄”がかえって身を滅ぼす。悲しいことである。


   養生訓 - 第4巻より

 酒には、各人にちょうどよい適量というものがある。酒は少し飲めば益も多いが、多く飲めば害が多くなる

 普段まじめな人も、酒をむさぼり飲めば、見苦しく、平生の心を失い、酒乱となる。いうことなすこと狂ったようになって、普段とは似ても似つかなくなる。我が身をを省みて、慎まんければならない。若い時から、早く自省、自戒すべきであり、父兄も早い時期から注意すべきである。長いこといい加減な飲み方を続けていると、習い性となって、一生改めることができない。

 生まれつきあまり飲めない人は、盃1,2杯飲めば、もう気持ちよくなって楽しくなる。楽しくなるのは、少ししか飲めない人も多く飲む人も同じであるが、多く飲む人は酒の害が多くなる


   養生訓 - 第4巻より

 酒をとりわけたくさん飲む人も、その人の限度を超えれば苦しくなる。だから、酒を人に勧めるときに、その人の酒量がわからなければ、少しだけ強いて勧めてみる。その人が断って飲まないようなら、以後その人にまかせ、みだりに強制してはいけない。もし、十分に飲めず、楽しくないようであっても、体に害はない。飲みすぎれば、必ず害になる。

 お客さんにいくら美味しい料理を出しても、むやみに酒を強いて苦しませるようでは、心づかいがるとはいえない。ひどく酔わせてはいけない。

 客のほうは、主人が勧めなくても、いつもより少し多めに飲んで酔うのがよい。主人は酒をみだりに強いず、客は酒を断らず、ちょうどよい程度に飲んで、一緒に楽しく時を過ごすのがよい。

     口語 養生訓   -  原著:貝原益軒  訳註:松宮光伸


まったく現代と同じことを言っていて笑ってしまいます^^
有史以前から、お酒は人間にとってとても身近なものなので、お酒に関して言われていることはあまり変わらないのかもしれませんね。

貝原益軒先生も、絶対に禁酒するべし!とは言っておらず、適量に飲めば益がある。というスタンスをとっています。

 “ お酒は多く飲めば害があり、適量であれば益である。 ”

こういった考えは、いまも昔も変わらないということです


それともうひとつ、お酒の勧め方についても書かれおり、面白いので載せました^^

要約すれば、酒を勧めるときは少しずつ勧めること。酒を勧められるとと、普通より多く飲む人がいるので飲む量は飲む人の判断にまかせるのがいい。酒を勧められた人も、いたずらに辞退するのではなく、ほどよく酔って、ともに楽しむのがよい。といったところでしょうか。

お酒をひとりで楽しむ方もいますが、他の人と飲むことが社会にやはり出れば多くなります。

友達と同僚と上司と取引先と夫or妻の家族とお店の人と・・・などなど、色々な人と飲む機会があり、また様々なシチュエーションがあります。

いまの時期でいえば、花見の席や歓迎会とかでしょうか^^

そういったときには、どうしてもお酒の量が普段より多くなります、飲める飲めないに関わらず。

そこで貝原益軒先生は、飲むなとは言っていません。

勧める方も、勧められる方もお互いの気持ちを汲み取って、楽しく飲むべき。
適量の範囲で酒の席を楽しめ。 といっています。


とはいえ、いまは昔ほど無理やり飲ませられることは少なくなりましたが、どうしても付き合い上、飲まなくてはいけない機会もありますが…(苦笑)

そういったときもあるでしょうが、できる範囲内でお酒は適量に収めることが健康には大切になってきます。

「お酒は飲んでも呑まれるな。」とは、昔の人もうまくいったものですが、お酒は節度を持って飲めば、百薬の長ですから、上手に付き合っていきましょう^^


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