2010年12月18日 23:50
乳児の重症頻拍を根治 大阪で国内初
心拍数が異常に多い重症頻拍(先天性接合部頻拍)の生後6カ月の乳児の体内にカテーテル(細い管)を入れ、心臓の異常な心筋を焼いて死滅させ、根本的に治療することに大阪市立総合医療センターが成功し、18日発表した。
センターによると、先天性接合部頻拍の乳児でこの治療が成功したのは国内初で、世界的にも少ない。脈に異常が出る不整脈治療の幅が広がりそうだ。
乳児は心臓が小さく、使えるカテーテルが少ないなどこれまで実施が難しかったが、今回は容体が安定していたことなどが成功の要因という。
治療を受けたのは長野県駒ケ根市の塩沢茉莉ちゃんで、18日退院。茉莉ちゃんらと一緒に同日記者会見した母親の綾乃さん(39)は「普通の生活をさせたかった。夢のよう」と目を赤くした。
重症頻拍は心臓を拍動させるのに必要な刺激が正常に伝わらず、心拍数が異常に多くなる不整脈の一種。薬剤でコントロールするのが難しく、心不全で死亡することもある。
茉莉ちゃんは妊娠後期に不整脈と診断され、母体を経由して頻拍を抑える薬物治療を受けた。6月の誕生後、先天性接合部頻拍と診断され抗不整脈薬を投与されていたが治らず、血圧低下や心機能の悪化も起き、今月3日に長野県内の病院から同センターにヘリコプターで搬送された。
6日と10日に太ももの付け根から静脈にカテーテルを挿入し、心室と心房の間にある異常な心筋を、カテーテルの先から流した高周波電流で焼く「経皮的カテーテル心筋焼灼(しょうしゃく)術」を受けた。その後、再発や合併症はない。検査のため通院は必要だが、運動を含め通常の生活が期待できる。
同センター小児不整脈科の中村好秀部長によると、先天性接合部頻拍は非常にまれな疾患で、国内では多くても年間数例程度とみられるという。
◆「この子が一番頑張った」
退院した長野県駒ケ根市の塩沢茉莉ちゃんは18日、両親らと一緒に大阪市立総合医療センターで記者会見し、母親の膝の上でカメラの音に驚いた様子を見せた後、にっこり笑った。
母親の綾乃さんは手術後、茉莉ちゃんに「お利口さんですね」と声をかけたという。「検査や点滴ばかりの毎日だった。この子が一番頑張った」
妊娠中の5月に不整脈の診断を受けたが、おなかの茉莉ちゃんは病気とは思えないほど元気に動き回っていた。ところが生まれた後、ショック状態になったことも。父親の真洋さん(35)は処置を受ける娘を見て「これからが大変だ」と思ったという。センター小児不整脈科の中村好秀部長は「こういう治療法があることを多くの人に知ってもらい、広まってほしい」と話した。
- 中日新聞より引用 -
こういった症例を見るたびに、現代医学はすごいなと思わされます。
大人では、ステント治療をはじめとしたカテーテルでの手術は当たり前になってきました。
しかし、今回は生後6ヶ月!
大腿部から入れたようですが、血管も細く心臓も小さいですから、その大きさのカテーテルを生み出した技術の高さと共に、それを操り手術を成功させる医師の技能には驚くばかりです^^
乳幼児は原因不明の病をはじめ、重症なものが多くあります。
今回は、その1つの病の治療として、大きな一歩となったと思います。
これからも、ひとりでも多くの子ども達の命が助かって欲しい。。。
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