2010年12月04日 22:15
養生訓 - 第3巻より
四季を問わず、老人から幼児まで、温かいものを食べなさい。ことのほか、夏は体内に冷えが隠れているので、とくに注意が必要である。若くて元気のある人も、温かいものを食べるべきである。生もの、冷たいものを食べないこと。滞りやすく、また下痢しやすい。冷えた水も多くのではならない。
養生訓 - 第3巻より
夏に、果物や生野菜をたくさん食べ、冷麺をしばしば食べ、冷水を多く飲めば、秋になったとき、必ず瘧痢(ぎゃくり:食中毒など発熱や下痢を起こす各種感染症のこと)を病む。およそ病気というものは、故なくして起きるものではない。普段から用心していなければならない。
養生訓 - 第5巻より
下痢しているとき、あるいは食が滞って腹が病むとき、入浴して腹を温めれば、“気”が巡って病は治る。非常に効果的である。初期であれば、薬を飲むより勝る。
養生訓 - 第6巻より
冬に、朝から出発して遠くに行くときは、酒を飲んで寒さを防ぎなさい。空腹で寒さにあたってはならない。酒を飲まない人は、粥(かゆ)を食べなさい。生姜(しょうが)も食べなさい。
陰性(=寒さ・寒邪)が強い霧の中を遠くまで行ってはならない。やむをえず遠くまで行かなければいけないときは、酒食をとって陰性を防ぎなさい。
口語 養生訓 - 原著:貝原益軒 訳註:松宮光伸
いろいろな言い方をしていますが、大切なことは 体を冷やさないこと = 寒邪にやられないこと です

寒邪をやられると、下痢や発熱・食欲不振・腹痛・嘔吐・小便自利(おしっこが出過ぎる、または回数が多い)・精力減退・麻痺・筋痙攣など、さまざまな症状が引き起こされます。
では、寒邪を身体に入れないためにはどうしたらいいのでしょうか?
ポイントを挙げると・・・
◇ 冷たいもの・生ものを食べすぎないにする。
◇ 冷たい飲み物を飲みすぎないようにする。
◇ 体を温めるもの(生姜や人参など)を食べる・飲む。
◇ 体、とくに下肢と首まわりを冷やさない。
◇ 寒さを感じたらすぐに重ね着したりして体を温める。
◇ 適度な運動をする。 などなど
現代では、冷蔵庫やクーラーの普及によって一年中冷たいものが飲めて、涼しい部屋にいることができてしまうので、注意しなくてはいけないです。
特に温かい地域に住んでいる人の方が気をつけないといけないかもしれません。
20℃といっても夏と冬とでは感じ方は違いますし、人それぞれ体質も異なります。
寒さに慣れてない、夏や温かい地域の人は、慣れていないのでより寒邪を受けやすくなっているのです。
また、寒邪というものは“急に、激しく来る”という性質を持っています。
だんだん来るというものではないのです。
それだけに、体を冷やさないという予防が大切になるし、寒さを感じたらすぐに対処しなくてはいけないことを覚えておいてください

最近では、石原結實先生の『 「体を温める」と病気は必ず治る 』を皮切りに、「体を温める」ということが盛んに言われるようになってきましたし、ひとつの健康法として確立したところがあります。
この「体を温める」ということは、実はすでに江戸時代の貝原益軒の養生訓に重要なこととして書かれています。
当時の住宅環境や衣服の質・栄養状態などを考えるといまよりも「寒さ」は気をつけなければならないものだったのでしょう。
さらに言えば、貝原益軒は2000年以上前の『黄帝内経』『傷寒雑病論』『神農本草経』を始めとした様々な古典を参考にしていたわけですから、「体を温める」ことは昔からある健康法、言い換えれば人間には必要な健康法といえるのです。
「寒邪」というものは、一年中いつでもやられる可能性があります!
寒邪をカラダに入れないよう、常に気をつけて生活していきましょう

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