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[薬の話] くすりの体内での動き その1

2010年12月27日 00:01

私たちは、普段なにげなく薬を服用していますが、いったいどのようにして体に作用しているのでしょうか?

頭痛で頭痛薬を、高血圧で降圧薬を、腰痛で痛み止めを、食欲不振で胃腸薬を、アトピーで軟膏を、風邪で点滴を、うつ病で抗うつ薬を、鼻炎で点鼻薬を。。。
くすりには多種多様の形状があり、効かせる部位も違えば、くすりの効かせ方も違う。

今回は数回にわたり、「 体内に入ったくすり 」 について採りあげていこうと思います

(別に知らなくてもお医者さんから出されたものを飲めばいいじゃん!という人もみえると思います^^;
確かにその通りなのですが、くすりの効く仕組みを知ることは安全なくすりの使い方を学ぶことに繋がり、市販品の買い方・使い方に繋がります
ある程度知っていることは損にならないと思います。あとは興味本位・教養として読んでみる。と思っていただけたなら嬉しいですね(笑))

   - 目次 -
 ・ 基礎編 ~はじめに~
 ・ くすり の 吸収
 ・ くすり の 分布
 ・ くすり の 代謝
 ・ くすり の 排泄






 ○ 基礎編 ~はじめに~

前の記事「 くすりの形状 」で、くすりには様々な形状があることを説明しました。

そこで、大きく3つに分けられるといいました。
① 内用薬(内服薬) … 口から摂取して、胃や腸で吸収させることを目的としたくすり
② 注射薬 … 注射針を用いて皮内、皮下・血管内などに直接投与する液状のくすり
③ 外用薬 …  皮膚や粘膜に直接使用し、その使用部位に効果をもたらすくすり


この3つは、くすりの形状が違うので、くすりが効く仕組みも多少異なってきます。
どう違うのか?について詳しくは、この後の記事で書いていきますね^^


さて、まずはじめに簡単な「体内に入ったくすり」の流れを説明しておきますね

目次にあるように、くすりは 【 体内への吸収 → くすりの代謝・分布 → 排泄 】 というように体を巡ります。

くすりの形状・使用方法によって代謝と分布は前後しますが、おおまかにこのような流れになっています。


例えば、飲み薬(内服薬)の場合だとこうなります

①吸収 - 飲んだくすりは主に小腸で吸収され、肝臓にいきます。
  ↓
②代謝 - 肝臓を通過する時に一部分解(代謝)され、体内を循環する血液に入ります。
  ↓
③分布 - 心臓を通り、血液の流れに乗って移動し、毛細血管を通り抜け各部位の細胞へ届きます。
  ↓
④排泄 - 徐々に分解され、腎臓から尿中へ、また肝臓から胆汁中へと排泄されます。

 くすりの流れ

服用したくすりは、全身を巡りながら徐々に分解され排泄されるのです。

吸収と分布は効き目の速さに関係して、代謝と排泄は効き目の持続時間に関係しています。
はやく吸収・分布されれば、効き目が速くなり、代謝と排泄が遅ければ、効き目が長持ちするのです。


病気の症状・くすりに対する体質・くすりの成分などにより体内の中にある期間はまちまちですが、必ずくすりはある時間になったら効力を失ない、排泄されるように作られているので、症状によってくすりの用法・回数が決まっているのです

一度の飲んだらずっと効くというくすりはなく、逆にずっと効き続けるというのは怖いわけです。
(降圧剤により血圧が下がり過ぎたり、睡眠薬によりずっと寝たままではいけませんし、副作用が起こることもありますから^^)



このようにして、くすりは体内のなかを巡っています。
基礎ということで簡単な説明でしたが、わかっていただけたでしょうか?

次回からはもう少し詳しく説明していきますね


 ・・・≫ つづく

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ストレッチ実践 - 15  【股関節外旋筋群のストレッチ その2】

2010年12月24日 00:02

お尻の深層部にあり、股関節のスムーズな動き・安定を支える。
硬くなると股関節がスムーズに動かなくなるため、怪我に繋がりやすい。
また、腰痛やO脚・坐骨神経痛・膝関節痛などの原因になることも。

≪ 種類 ≫ スタティック(静的)ストレッチンング

≪ 部位 ≫ 臀部深層

≪ 筋肉 ≫ 股関節外旋筋群 (主に梨状筋)

≪ やり方 ≫

股関節外旋筋群のストレッチ その2
[ 続きを読む ]

なにかを成し遂げるために・・・

2010年12月21日 23:14

 養生訓 - 第1巻より

 ある人が疑っていった。
 「養生を好む人は、ひとえに我が身を重んじて、命を保つことだけを専念している。しかし、君子は義を重んじるものだ。だから、義にあたっては身を捨て、命を惜しまず、危を見ては命を投げだし、難に臨んでは節操のために死ぬのである。もし、我が身だけを重んじて、少しの髪や皮膚までも、損なったり傷つけたりしないとするならば、ここという大事な場面で命を惜しみ、義を失うことになろう」と。

 これに答えよう。
 およそのことには、平時と変事がある。平時においては通常どおりに事を行ない、変に臨んでは変則でことにあたる。義に従うべきときには義に従う。平時に身を重んじて命を保つのは、平時の常態である。ここ一番という忠義を尽くすべきときに、命を顧みないで捨てるのは、変事の義なのである。平常時と非常時は違うのだ、とわかっていれば、このような疑問は湧かないであろう。

 君子の道は、時宣(じぎ)にかない、変に従うのをよしとする。たとえば、夏は単衣(ひとえ)を着て、冬には重ね着するようなものである。一時のことを常のことだと思って、一つのことにこだわっていてはいけない。

 ことに、平時に身を養い、堅固に保っていなければ、いざというとき強く戦いに励んで命を捨てることはできない。体が弱くては不可能なのである。したがって、平時によく“気”を養っておけば、変事に臨んだときに勇気も湧いてこよう

    口語 養生訓   -  原著:貝原益軒  訳註:松宮光伸



なぜ、養生をするのか?体を労わることが養生なのか?
それに対する貝原益軒の答えのひとつが書いてあります。

現代の日本では、命をかけて人のために行うことは少ないと思います。
自衛隊や警察・消防の人たちくらいでしょうか。

「義のために命をつくす」とはいかないまでも、ここでは自分の「仕事」に置き換えて考えていただければいいと思います^^

仕事の場面で、「なにかをしよう!」「新規のプロジェクトをまかされた。」「問題が発生した。」などいつもと違うことを行うとき、体が動き、頭がしっかりと働かないといけません。

先ほども書きましたが、自衛隊・警察・消防の方達は日々訓練を繰り返し、ある一定の身体の健康を保つことで緊急事態に対応することができます。
スポーツ選手などもそうです。格闘技やモータースポーツ・アルピニストなど命の危険があるものほど、徹底的な健康管理をしています。
そこまでやっていて、はじめて危険を回避し、成功しています。

日々養生を心がけ、健康でいれば、なにかを成し遂げようとするときに身体はしっかりと動いてくれる。
養生は、なにかを成し遂げようとするときに必要なことなのです!



なにかを成し遂げるため・予定外のことが起きたときのために、日々の養生を怠らないようにしましょう( ^∞^)ノ

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手術成功! 新たな一歩

2010年12月18日 23:50

  乳児の重症頻拍を根治 大阪で国内初

 心拍数が異常に多い重症頻拍(先天性接合部頻拍)の生後6カ月の乳児の体内にカテーテル(細い管)を入れ、心臓の異常な心筋を焼いて死滅させ、根本的に治療することに大阪市立総合医療センターが成功し、18日発表した。

 センターによると、先天性接合部頻拍の乳児でこの治療が成功したのは国内初で、世界的にも少ない。脈に異常が出る不整脈治療の幅が広がりそうだ。
 乳児は心臓が小さく、使えるカテーテルが少ないなどこれまで実施が難しかったが、今回は容体が安定していたことなどが成功の要因という。
 治療を受けたのは長野県駒ケ根市の塩沢茉莉ちゃんで、18日退院。茉莉ちゃんらと一緒に同日記者会見した母親の綾乃さん(39)は「普通の生活をさせたかった。夢のよう」と目を赤くした。

 重症頻拍は心臓を拍動させるのに必要な刺激が正常に伝わらず、心拍数が異常に多くなる不整脈の一種。薬剤でコントロールするのが難しく、心不全で死亡することもある。
 茉莉ちゃんは妊娠後期に不整脈と診断され、母体を経由して頻拍を抑える薬物治療を受けた。6月の誕生後、先天性接合部頻拍と診断され抗不整脈薬を投与されていたが治らず、血圧低下や心機能の悪化も起き、今月3日に長野県内の病院から同センターにヘリコプターで搬送された。
 6日と10日に太ももの付け根から静脈にカテーテルを挿入し、心室と心房の間にある異常な心筋を、カテーテルの先から流した高周波電流で焼く「経皮的カテーテル心筋焼灼(しょうしゃく)術」を受けた。その後、再発や合併症はない。検査のため通院は必要だが、運動を含め通常の生活が期待できる。
 同センター小児不整脈科の中村好秀部長によると、先天性接合部頻拍は非常にまれな疾患で、国内では多くても年間数例程度とみられるという。

◆「この子が一番頑張った」
 退院した長野県駒ケ根市の塩沢茉莉ちゃんは18日、両親らと一緒に大阪市立総合医療センターで記者会見し、母親の膝の上でカメラの音に驚いた様子を見せた後、にっこり笑った。
 母親の綾乃さんは手術後、茉莉ちゃんに「お利口さんですね」と声をかけたという。「検査や点滴ばかりの毎日だった。この子が一番頑張った」
 妊娠中の5月に不整脈の診断を受けたが、おなかの茉莉ちゃんは病気とは思えないほど元気に動き回っていた。ところが生まれた後、ショック状態になったことも。父親の真洋さん(35)は処置を受ける娘を見て「これからが大変だ」と思ったという。センター小児不整脈科の中村好秀部長は「こういう治療法があることを多くの人に知ってもらい、広まってほしい」と話した。

    - 中日新聞より引用 -


こういった症例を見るたびに、現代医学はすごいなと思わされます。

大人では、ステント治療をはじめとしたカテーテルでの手術は当たり前になってきました。
しかし、今回は生後6ヶ月!
大腿部から入れたようですが、血管も細く心臓も小さいですから、その大きさのカテーテルを生み出した技術の高さと共に、それを操り手術を成功させる医師の技能には驚くばかりです^^

乳幼児は原因不明の病をはじめ、重症なものが多くあります。
今回は、その1つの病の治療として、大きな一歩となったと思います。

これからも、ひとりでも多くの子ども達の命が助かって欲しい。。。


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子ども と サプリメント

2010年12月15日 23:56

先日、薬局に行ったとき、『 子供用サプリメント 』なるものが置いてあり、びっくりしました。
(かなり前からそのようなものはあるそうですが、私はいままで気づいていませんでした(苦笑))

現在ではサプリメント(栄養補助食品)の業界も子どもにまで目を向けているようです。


さて、私などは「サプリメントにはメリットもデメリットもあり、あくまで補助食品にすぎない。」と考えているのですが、みなさんはどうでしょうか?

国立健康・栄養研究所が幼稚園・保育所に通う幼児の保護者を対象に実施した調査(2009年)(回答者数1,533名)によると、幼児の保護者の15%がサプリメントを子どもに与えているという結果が出ています。

幼児の保護者を対象にしただけなので、小中高生をあわせると多くの子ども達がサプリメントを使用しているのかもしれません。


しかし、本当に子どもにサプリメントは必要なのでしょうか?
いくつかポイントを挙げながら、見ていきましょう


まず第一に、『毎日の3食の食事で子どもに必要な栄養分は十分摂取できる。』ということです。

大人もそうですが、3食きちんとした食事を摂れば多くはサプリメントを必要としません。

「今の子ども達は食事の摂り方が変化したからサプリメントは必要です。」「今の子どもはストレスにさらされているから…。」「今の野菜は栄養が少ないから…。」などのように不安を煽る広告や宣伝をしていますが、それよりもまず食生活を見直すことのほうが重要です!

食生活がちゃんとしてれば、十分育つための栄養素が摂れるわけですから。

事実、毎年厚生労働省が行っている「国民健康・栄養調査」によれば、今の子ども達に、早急な対策が必要な栄養素不足はみられないと言われています。

サプリメントをすぐに活用する必要はないのです。
食事からの栄養摂取量とは関わりなく、サプリメントを利用している方もいるので、ぜひ食生活をまず見直すことから始めて欲しいです


また、偏食・少食を気にする親も多いかと思います。

しかし、この時期では食事の量や好き嫌いに個人差があることは普通なので、あまり心配しすぎないことです。

栄養素というものは、ひとつの食品からしか摂れないということはありません。
ひとつの食品が食べれなくてもその他の多くの食品から摂れるので、好き嫌いにより栄養が気になるなら他の食品から食事を作るようにしてみてはいかがでしょうか?

病的なやせ、発達の遅れ、栄養不足による病気がなく、元気に過ごしているならば、食事の量が周囲より少なく好き嫌いがあっても問題ではありません

病気ならば、医師がちゃんと対応し、それにあった薬・栄養素を処方してくれます。



次に、『子どもがサプリメントを摂ることのデメリット』についてですが。。。

ひとつは、摂取した物質の影響を受けやすいということです。

子どもは大人のように体が出来上がっていません。
大人では大丈夫でも子どもにとっては有害に働く可能性もあるのです。

サプリメントの安全性・有効性のテストというものは、ほとんどが大人で行ったもので、子どもを対象にして行ったものは極めて少ないのが現状です。
特に、有効性については成人や中高年で得られたものが大部分であり、子どもは検証されていないことが多いのです。

また、ビタミンやミネラルには過剰症というものがあります。

サプリメントはなんでもかんでも多く摂ればいいというものではありません。
摂り過ぎることでおこる症状もあるのです。

子どもは影響を受けやすいので、利用にはなおさら気をつけなければいけません。


もうひとつのデメリットは、正しい食生活を覚えないということです。

この時期は、食生活を学ぶ大切な時期で、将来の人生の食生活を左右するとも言えます。

安易になサプリメントの利用は、子どもが食に対する興味・関心を持つことを妨げ、健全な食生活を送る上での障害になりかねません。
子どもが「今日はサプリメントだけでいいや。」ということになるかもしれないのです。

判断力が未発達な子どもの時期では、用法・用量を気にせず、好き勝手にお菓子感覚で食べてしまうこともありえます。
もし与えるにしても、十分な教育をしないと、過剰症など体にとって悪影響に働く可能性があるので注意しなくてはいけません。



最後は、『利用する際の注意点』です。

これだけ数多くのサプリメントが売られ、様々な不安を煽る情報が飛び交っているので、ついついサプリメントを与えてしまう気持ちもわかります。
なので、もし利用する際に注意することを知っておくことも必要だと思います


 ① 国が安全性・有効性を科学的に評価した保健機能食品なのかどうか。

インターネットでは、海外のサプリメントなどもあり、種類も膨大です。
しかし、これらのなかには、ちゃんとした科学的な分析や検証をされずに販売されているものも多くあります。

そこで、選ぶときのポイントとして「保健機能食品」なのかどうかを確認するようにしてください。

保健機能食品には、科学的根拠を提出し表示の許可を得た特定保険用食品(=通称トクホ)と特定の栄養素を含み基準を満たしていれば表示が可能となる栄養機能食品とがあります。(→詳しく知りたい方はこちら(Wiki)

この特定保険用食品と栄養機能食品は、国が「これは正しく使用すれば効果が実証されています」と評価したものなので、これを目安に選ぶようにしましょう。


 ② 商品の表示を確認する。

サプリメントも“食品”ですから、ちゃんと表示を確認する必要があります。

製造者・販売者・栄養成分・原材料名・利用方法・輸入元・消費者相談室などの連絡先・・・などをしっかりと確認する必要があります。

少しでも疑問に思うところがあったら、買うのをやめたほうがいいでしょう。


 ③ 過度の広告には注意。

業者も売るために、あらゆる広告をうってきます。
そのなかには、ウソも多く含まれているので、気をつけなければいけません。

例えば、「天然」や「自然」といった言葉は、安全性を証明するものではありません。

このような言葉を使って、製品が安全であるかのように誤認させるような広告があることも事実です。
天然・自然のものにも毒素を含むものもあるし、特定の成分を過剰に濃縮して含有しているものもあり、食べた経験がある成分であっても、こうしたものが必ずしも安全であるとは言えません。

また、「~と言われています」という表現はまず効果が期待できないことが多いでしょう。

伝聞調といいますが、○○さんが言っています・○○医師が効果があると言っていますなどのように、誰か、何かから効果があると伝え聞いたといっても、あくまで噂・評判であり、ウソではない=虚偽記載にはあたらないのです。
こうした伝聞調の広告は、知っているとなにかとよく目に付きます。
選ぶときのポイントにするといいですよ

(その他、健康食品の虚偽誇大広告にだまされない方法はこちらのQ.1-6(「健康食品」の安全性・有効性情報のサイト)をご覧下さい)





「子供用サプリメント」というものは、子供が自分から買うことは少なく、圧倒的に親が与えることのほうが多いものです。
だから、親が注意しなくてはいけません。

サプリメントは、あくまで補助食品。

これは大人も子供も同じです。

まずは、食生活を見直し、毎日の食事を気をつけることが基本になります。

それから、正しいサプリメントの知識を知り、どうするか考えていくようにしてください



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