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鍼灸あれこれ-2  灸ってどんなもの?

2010年04月27日 21:58

前回、鍼について書きました。

『「鍼」「灸」あれこれ』なので、次は「灸」を書かなあかんでしょ!
・・・ということで、今回は灸について話です^^



「灸」(orやいと)は、よもぎの葉を乾燥させた艾(もぐさ)を使って、治療点に温熱刺激を与えることで気血の流れを調節し、生理状態を変化させ、疾病を治療するものです。

さて、「お灸」または「やいと」というと、どんなイメージをもっていますか?

お灸をされたことがないと、熱いとかお仕置きのためとか痕が残るとか悪いイメージを思い浮かべるかたもみえるかもしれません。
また、落語の灸の話(強情灸)や、俳人松尾芭蕉が足三里にお灸をしながら諸国をまわったことや四国巡礼のときにお灸をすえた話などを聞いたことがある人はまた違ったイメージをもっているかもしれませんね。

一昔前まで、お灸はとても身近なものでした。
病気の予防・治療として、子供から老人まで灸をされていましたし、近所にお灸の上手いおじいちゃん・おばちゃんが一人はいたものですが、いまではそんなところは少ないかも知れません。



では、ここで一度灸をしているところを紹介します。
百聞は一見に如かずです↓(注:ちなみにこの動画に出てくる人は私ではありません)


この動画の灸のすえ方は、比較的一般的なやり方です。

見てるだけだと熱そうに見えますが、熱くなる前に火を消しているので、ぽっと温かい程度で気持ちいい・心地よいと感じます。
熱くても「チッ」と一瞬熱いと感じるくらいです。


また、この動画はあくまで灸のすえ方のひとつに過ぎません。

お灸にはいろいろなやり方があります。
ここでは詳しくは説明しませんが、透熱灸・打膿灸・直灸(点灸)・隔物灸・台座灸(温筒灸、円筒灸)・棒灸・灸頭鍼・薬物灸・箱灸などがあり、患者さんの状態に応じて使い分けています。

灸は、身体の感受性や病気の状態など患者さんにあわせて、艾の種類・大きさ・硬さ・壮数・温度などを決めています。

例えば、身体が弱っている・敏感な人には柔らかく熱さを緩やかにして壮数を少なくすることで気血を補ったり、急性の病気・痛みが強いときには、熱く刺激の強い灸をして余分な気血を抜き、調節します。





ここまで、「 灸 」について説明してみましたがいかがだったでしょうか?

灸は、自然治癒力を高め、健康のためにはとてもいいものです。

子供などを強く叱る意味の言葉としての「灸を据える」などの言葉がひとり歩きして、灸はやけどが残るほど熱いものといった悪いイメージが広がりましたが、それは間違いです!
決して、そんなことはありません。
心地よく・気持ちいいもので、いまでは、世界中で「MOXA」と呼ばれ使用されています。

ぜひ、「 鍼 」だけでなく「 灸 」のほうも体験してみてください^^





ちなみに、灸には家庭で出来るものもあります。
コレです↓
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(2003/05/19)
山正

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(2002/12/24)
せんねん灸

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ホームページ: 長生灸 / せんねん灸 
一般的な家庭灸はこの2つでしょうか。
私としましては、長生灸のほうが香りがよく、けむりの量が少ないよう気がするので、長生灸をオススメします(HPはせんねん灸のほうが見やすくわかりやすいですが(笑)

お灸をするのには「きゅう師」という資格がいりますが(余談ですが鍼灸師ははり師ときゅう師の2つ資格があって鍼灸師なのです)、この家庭灸は誰でも出来ます。

今後、この家庭灸を使った内容(治療など)も書いていく予定です



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鍼灸あれこれ-1  鍼ってどんなもの?

2010年04月22日 01:04


鍼灸をやっていて、よく次のようなことを訊かれます↓
「鍼は痛いんじゃないの?」と。

鍼灸治療を受けたことがない人で「はり」と聞くと、なぜか注射器や縫い針を思い浮かべる方がよくみえます。
確かに、「鍼」を見たこともないわけですからしょうがないと思います^^

なので、まず鍼をみてもらいます( ・∀・)ノ

Z4.jpg

どうですか?
かなり細く作られていることがわかっていただけたでしょうか。
大体縫い針の3分の1くらいです。

詳しく説明すると上から順に・・・
① 鍼体長  8分 (20㎜)- 鍼体経 0.16mmφ 材質-銀
② 鍼体長 1寸3分(40㎜) - 鍼体経 0.18mmφ 材質-銀
③ 鍼体長 1寸6分(50㎜) - 鍼体経 0.18mmφ 材質-銀

④ 鍼体長 1寸3分(40㎜) - 鍼体経 0.18mmφ 材質-ステンレス
⑤ 鍼体長 1寸3分(40㎜) - 鍼体経 0.16mmφ 材質-ステンレス
⑥ 鍼体長 1寸3分(40㎜) - 鍼体経 0.18mmφ 材質-ステンレス
⑦ 鍼体長 1寸6分(50㎜) - 鍼体経 0.20mmφ 材質-ステンレス
⑧ 0.4のシャープペンの芯 (比較対象)
⑨ 100円ライター (比較対象)

鍼にはこのほかにも、鍼の長さ・太さ・材質などが違う、様々な鍼がありますし、この写真の鍼は一般的な鍼で、他にも色々な形の鍼もあります。
また、鍼の先にも工夫がしてあり、痛みが起こりにくい形に研がれています。

注射器や縫い針とはまったく違うことがわかっていただけたでしょうか^^



では、本題の「鍼は痛いんじゃないの?」という質問に対しては・・・

「鍼は痛くありません!」

とお答えします。

日本の鍼は痛みを起こしにくいように工夫されていますから、ほとんど痛みを感じないことが普通です。
人間の体ですから100%痛くない。とは言い切れません(部位や患者さんの感受性にもよるところがあります)が、注射のような痛みは皆無です!



さて、実は、これでは答えとしては90点といったところでしょうか。

では、残りの10点分は?というと・・・

・ 施術者の腕によっては痛いこともある
・ 施術の手技・流派によっては痛いことも
・ 「響き」と「痛み」を混同している人がいる

この3つも書いておく必要があるので説明していきますね^^b


まず、『施術者の腕によっては痛いこともある』ですが、当然、鍼をうつのが下手な人が鍼をすると痛いです。

鍼灸学校に入ったばっかりで、鍼をし始めたときは、それは痛かった(笑)
しかし、治療者も数々の練習・色々な手技で、痛みのない治療をしようと日々努力していますので、まず耐えられないほどの痛みを感じることはありません。むしろ、鍼は心地よく、気持ちイイものです^^


そして、『施術の手技・流派によっては痛いことも』と書きましたが、中国などでは痛くなければ効かないという考えがあるようで、痛みを伴う手技を使うことがあります。

中国の鍼は日本の鍼に比べて太いので痛いということもあります。
(中国鍼を使われる鍼灸師でも痛くない人もみえるし、痛くないとイヤだと考える患者もいるので、詳しくは中国鍼を使う鍼灸師に尋ねてください)

また、TVで、ブスブスと痛いところに鍼を刺しまくっているのをみかけることがあります。
メディア的には派手なほうが視聴率がとれるから、そのような治療をしている人ばかりをとりあげやすく、「鍼は痛いんだ」という誤解を与えていることもあります。
しかし、多くの鍼灸師は、細い鍼でなるべく痛くないように施術しています。
TVで報道されるものの中には、極端な鍼灸師をとりあげているということもあることを覚えておいてください。


最後に、『「響き」と「痛み」を混同している人がいる』です。

鍼を刺されたときに、独特の感覚(ズ~ンとした重い感覚・電気が走ったような感覚など)を感じることがありますが、これを「響き」といいます。
このような感覚を「痛い」と感じられるかたがみえます(特に初めてのかたや怖がっているかたなどで顕著です)。
響きと痛みを混同していたかたも慣れてくると、または違いを教えられると、響きと痛みはまったく違うことに気づかれます。
ちなみに、響きがないと治療効果がないということはありません。
響きがなくても治療に効果はありますので心配しないでください。





長々とここまで書いてきましたが、『 鍼 』について少しは知っていただけたでしょうか?

繰り返し述べますが、鍼は痛くありません。気持ちイイものです。
また、痛ければ効くというものでもありません。

いままで、鍼は痛いと思っていた人やどんなもので治療しているのか分からなかった人の参考になれば嬉しい限りです!


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血液型を人間関係に活用するには…

2010年04月17日 22:43

日本人が愛してやまない血液型性格分類^^
少し前にも「☆型自分の説明書」シリーズが大ヒットしましたね。

さて、これを見て「なんだ、また血液型の話か(T_T)」と思ったかたも「血液型の話好き(^0^)」というかたもみえると思います。


まずはじめに書きますが私は、血液型性格分類については否定的な立場です。
医学的・科学的・統計的な根拠が乏しく、バーナム効果をうまく使った方法によって信じてしまうだけに過ぎないと考えています。

ある程度血液型が分かれている日本では流行りますが、国民の90%以上がO型の国(ボリビアやグァテマラ)などでは流行るわけもなく、昔から頻繁に報道されたり、本が出版されることで、自分の血液型はこうだから自分はそうあるべきのようなことを無意識のうちに刷り込まれているかもしれません。

また、マイナス面として、血液型ブームに乗って、偏った血液型差別的な血液型判定本や報道により、世間にまで誤った血液型への先入観や差別意識が持ち込まれたいうこともあります。


まぁ、こう書くと完璧な血液型性格分類否定主義者だと思われるかもしれませんが、会話のキッカケに使ったり、血液型の話を振られたら乗ります(笑)
神経質に否定するのは馬鹿らしいので^^  ちなみに私はAB型です♪



閑話休題、今回のテーマは「血液型を人間関係に活用するには…」です。

そこで、このテーマに対して素晴しい考え方があるので紹介したいと思います!

この考え方は、シンガーソングライターであり、漫談家(笑)でもある「さだまさし」さんのものです↓

血液型占いなんて当たるか当たらないかなんてどうでもいいんです!
全部当たったら不気味ですよ。
O型はな~にも考えないで、A型はくよくよくよくよ考えて、B型は根に持って、AB型はお天気屋。
そうだったら話になりませんからね。

 - 中略 -

当たってる当たってないなんてどうでもいいんです。
ただ、今欠点をあげつらえましたけれども、その欠点で人を理解してあげると、ほらっ、人を嫌いにならないですむんです。
もうこいつと一緒にいるだけで腹が立つとかね、なんかこいつとは一緒に居たくないとか、そう思うだけでエネルギーのロスです。
もうやめたほうがいい、そういうのはね。
私は幸せですよ。嫌いな奴がひとりも周りにいませんからね^^

欠点で理解してあげればいいんです。

仕事を一緒にしていてどーもコイツは段取りが悪い。気がつかない。なにも考えていない。

「オマエ、血液型はなんだ!?」
「Oです。」
「アハハ、Oか! 考えるなよ~、考えるなよ~。」

慰めてあげられる。


なんか根に持たれたりね、なんかして我わが道を往くでね、こっちのペースに合わしてくれない。

「オマエ、なに型?」
「俺はBだよ!」
「あっ、B! 根に持て~。持っていい!!オマエは^^」

なんかこう包み込んであげられるでしょ。


コロコロコロコロお天気屋で、気が変わって、どうもAB型らしいぜ。という話を聞いたら、
「あっ、それじゃあしょうがないじゃないか」
じゃ、ころころ機嫌が変わって機嫌がいいときもあるだろうから、そのときに話をしようとか。
臨機応変にやれるんです。


知らないうちに妻が浮気をしていた。
おっ!と、驚く必要はないんです。

「オマエはAか?」
「わたしはAよ」
「あっ、Aか^^  じゃあしょうがない。」

・・・っと、自然に納得できるか?
できたら、お手紙下さいよ!

(一同、爆笑)

・・・まぁ、誰にだって欠点はありますからね、どんなにいい人だって欠点はある。

- 中略 -

そういう風に思えば気が楽なんですよね。
だから、嫌いになる必要はない。
欠点で理解しといてあげてばね、あっ、そうかと、あきらめればいいんですからね、楽なもんですよ^^

まぁ、わたしはそう思うわけです。


  【ステージ・トーク・ライヴ~噺歌集ライヴ3】 より

   
 血液型で人の欠点を理解してあげることで、人を嫌いにならないで済む。
素晴しい考え方だと思いませんか?

血液型を使って人を差別したり偏見を持ったりするよりも、血液型を使って人を理解してあげる・包み込んであげたほうがよっぽど生産的だと思います。
血液型性格分類を肯定する人も否定する人も、うまく使えば人間関係に大いに役立つはずです。


これからも血液型のブームは根強いと思いますが、
ぜひ人の欠点を理解するために使って、よりよい人間関係を築き、心の健康を保って欲しいです


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音楽のススメ-2  [ ヒーリング・モーツァルト ]

2010年04月15日 22:26

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鍼灸あれこれ-0   はじめに…

2010年04月12日 22:45


私の人生の目標のひとつとして

 『 鍼灸の普及 』

というものを掲げています。



今の10~30代の人に「職業は鍼灸師です。」と言うと、「なにそれ??」のような反応をされることが多くあります。

地域差・育った環境・病気や怪我の有無などによって、鍼灸を知らない&治療されたことがない人がいるというのは当たり前ですが、あまりにも知らない人が増えているので悲しみと危機感を覚えずにはいられません。

鍼灸は素晴しい医療のひとつです。

しかし、鍼灸の認知度がここまで下がってきたのは、ここ50年くらいかもしれません。
関西では小児鍼が盛んだったり、親が子どもに文字通り「お灸をすえて」いる地域もありますが、全体的に認知度が下がっていることは明白です。



なので、私はこのブログで『鍼灸』についての情報をすこしでも発信していきたいと思っています!

あまりにも未知で、どんな治療をするのか・料金はいくらくらいなのか・どんな病気に効くのかを知らないかたも多くみえると思います。
素朴な疑問や情報を少しでも多く、そしてわかりやすく伝えていきたいと考えています。

知るということは大切です。
知らなければ、治療の選択にも入ってきません。

なるべく多くの人に鍼灸というものを知ってもらうきっかけになれば、うれしいです^^



さて、ここでひとついっておかなければいけないことがあります。

それは、鍼灸が絶対にイイというスタンスをとる気はないということです。

悲しいことですが、業界にいると、鍼灸師で医師を馬鹿する人や医師で鍼灸を認めない人をたまに見かけます。どっちも人の身体や心というものを扱っているのに。
そして、鍼灸or現代医学のみを盲目的に信奉している人もみえます(ほんとにまれですが)。

鍼灸も現代医学も、どっちもメリット・デメリットがあります。

このブログに鍼灸のいいところだけを書くことは簡単です。

しかし、本当に鍼灸を普及させるためには、メリットもデメリットも効果のあることも事件事故も書く必要がある。と私は考えています。
偏った知識の提供だけでは、患者さんをより不幸させてしまいます。
それがなによりも怖いです。

鍼灸のメリット・デメリットを知り、現代医学・鍼灸・その他の治療法をうまく使い分け、病から健康(身体)を守ることが大切である。というスタンスをとっていきたいと思います。
  A1.jpg
また、なにが正しいかは時代によって違うこともあります(天動説や水銀治療など)し、私の知識が間違っていることがあるかもしれませんので、そんなときは「間違ってるよ。」とか「こっちの情報はどうなの?」などのように指摘してもらえると嬉しいです^^;
&質問も待ってます


目指せ、鍼灸の認知度100%!!

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