2010年03月31日 23:13
養生訓 - 第1巻より
養生の術は、まず自分の体を損なうものを取り除くべきである。体を損なうものとは、内欲と外邪のことである。
内欲とは、飲食の欲、好色の欲、眠りの欲、おしゃべりの欲、それに「七情」、すなわち〈 喜ぶ・怒る・憂う・思う・悲しむ・恐れる・驚く 〉の七つの感情を表わす欲をいうのである。
外邪とは、四つの天気である。〈 風・寒さ・暑さ・湿度 〉の四つをいう。
内欲をこらえて少なくし、外邪を恐れて防ぐ。これで元気を損なうことなく、病気にならず、天から授かった命を長く保てるのである。
口語 養生訓 - 原著:貝原益軒 訳註:松宮光伸
東洋医学では、「万病はみな虚実で生じ、みな五臓の精気の虚より発生する(素問調経論第62編)。」とあり、五臓(=肝・心・脾・肺・腎)の精気が虚すことで病気になるとしています。
そして、病気になる、五臓の精気が虚す原因として、内因・外因・不内外因があります。
・ 内因とは、感情の大きな変動が病気の原因になることです。怒・喜・憂・思・悲・恐・驚の7つで、「七情」ともいいます。
・ 外因とは、天候・温度・湿度・気圧などの外的な環境の変化による原因のことです。風・暑・湿・燥・寒・火の6つのことで、「六淫」or「外邪」ともいいます。
・ 不内外因とは、内因・外因以外の原因のことです。飲食・労働・外傷・薬害・SEXなどのことです。
貝原益軒は、養生訓の中で「内欲」を堪えること・「外邪」に注意することを多くのところで書いています。
この2つを防ぐことで、身を損なわず、元気でいられることを言っています。
天災や事故などは防ぐことはできませんが、「内欲」・「外邪」は防ぐことができることです。
自分の身より生じることは努力することで防げ、注意することを怠らなければ、環境の変化にも対応できます。
ぜひ、内欲をこらえて少なくし、外邪を恐れて防ぐことで、精気・元気を損なわないようにしましょう!
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