近年の日本の死因第1位は悪性新生物、つまり“ がん ”です。
がんになるのは誰だってイヤだと思います。。。
では、いったいどうしたらいいのでしょうか??
そこで先日、国立がん研究センターが
“ 5つの健康習慣のうち、実践している数が多いほどがんのリスクが低下する ” ということを発表しました


これは同センターの研究チームが多目的コホート(JPHC)研究という方法で、1995~99年に岩手、秋田、長野、茨城、新潟、高知、長崎、大阪、沖縄中部、沖縄宮古の10保健所管内に在住していた
45~74歳の男女約8万人を対象に、2006年まで追跡調査を行い、5つの生活習慣と全がん発生率との関連を調べてわかったことです。
さて、ではその5つの健康習慣とは・・・
【1】 非喫煙
【2】 節酒
【3】 塩蔵品を控える
【4】 活発な身体活動
【5】 適正BMI
この
5つの健康習慣を実践することで、がんのリスクが確実に低下する というのです!
わかりやすく言い換えるならば、
[ タバコは吸わない・お酒は飲み過ぎない・塩分を取りすぎない・運動しましょう・太らない ] の5つを実践しよう ということでしょう。
これをみて、ギクッときた人が多いのではないでしょうか^^
どれもひとつは心当たりがありそうな健康習慣ばかりです。。。
では、そのひとつずつ健康習慣の内容をみていくことにしましょう

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【1】 非喫煙もうこれは喫煙が、がん・循環器疾患をはじめとした病気のリスクを上げることはよく知られていると思います^^
今回の研究では、喫煙者の中で吸う本数の多い場合・少ない場合などの量に関する細かい差は考慮されていませんが、がんのリスクの低下がみられることが確かめられたそうです。
最近、喫煙については、吸う場所が限られたり、タバコの値段があがったり、禁煙に健康保険が使えるなどのことから、タバコを吸わない人が増加傾向にあります。
しかし、割合としてはまだ男性全体で32%の人が習慣的に煙草を吸っており、30~50代についてはほぼ4割が吸っているといわれています。
また、他人のタバコの煙を吸ってしまう受動喫煙もあります。
がんのリスクを低下させたいならば、禁煙・他人のたばこの煙をできるだけ避けることを実践しましょう

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【2】 節酒 お酒は、百薬の長ともいわれるくらいですから、節度を持って飲めば健康にいいもの^^
多量の飲酒は、肝臓がんや大腸がんをはじめとしたがんのリスクを上げる一方で、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを下げる効果があることも確かです。
なので、国立がん研究センターは、お酒は“ エタノール換算で150g/週未満 ”としています。
これではわかりにくいのでわかりやすくすると・・・
一日の飲む目安は、[
日本酒なら1合、ビールなら大瓶1本、焼酎や泡盛なら1合の2/3、ウイスキーやブランデーならダブル1杯、ワインならボトル1/3程度 ] ということになります

例えば、日本酒1合はエタノールに換算して23gで、これを毎日飲む場合、エタノール換算で161g/週になるので、一日休肝日をつくればちょうどよくなります。
たまに飲み会で多く飲むのは仕方がないと思いますが、普段の量・一日の量は減らした方がいいということです。
また、飲めないのに無理に飲めるようにした人が、飲酒を続けるとお酒が強い人よりもがんになる確率がかなり高くなるので注意が必要です。
節度をもってお酒は飲むようにしましょう

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【3】 塩蔵品を控える 塩蔵品を控える、つまり塩分の摂取を控えようということです

塩分の摂取量を抑えることは、日本人で最も多い胃がん予防に有効なことだけでなく、高血圧を予防し、循環器疾患のリスクの減少にもつながります。
塩の摂取については、寒い地方や海岸の地域は摂取量がどうしても増えてしまうなどの地域差がありますが、
食塩は1日当たり男性9g、女性7.5g未満とされています(厚生労働省:日本人の食事摂取基準)。
特に今回の研究でいえば、高塩分食品(例えば塩辛、練りうに、たらこなど)を対象にしているので、塩蔵品は意識的に控えたほうがいいでしょう。
塩蔵食品、食塩の摂取を意識して制限した方が、がんのリスクの低下につながります

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【4】 活発な身体活動 ようは、運動をしましょうということで、身体を動かすことが健康にいいのはあたり前の話ですね^^
ただ、実際に運動をしているかどうかは、あたり前の話にならないのがつらいところですが(笑)
国立がん研究センターは、今回の研究で活発な身体活動を、男:37.5メッツ・時/日以上、女:31.9メッツ・時/日以上という難しい言い方をしています。
例えとして、、、活発な身体活動をする会社員 ( 1日に筋肉労働や激しいスポーツ:1時間以上、座っている:8時間以上、歩いたり立っている:1時間未満 ) の活動量はちょうど37.5メッツ・時/日。 典型的な主婦の活動 ( 筋肉労働や激しいスポーツ:なし、座っている:3時間以下、歩いたり立っている:3~8時間 ) は、31.4メッツ・時/日になる。 ・・・といっていますが、わかりにくいですよね^^;
こんな難しく考えなくても、
ウォーキングやサイクリング、ラジオ体操などなど、身体を動かすことを日々の生活に取り入れることを意識すればいいと思います

運動時間は、慣れてきたら延ばせばいいわけですから。
とくに、ほとんど座って仕事をしている人は、運動をして身体を動かす習慣はとり入れたほうがいいです。
わかっていても実践がむずかしいことのひとつですが、健康のために身体は動かしていきましょう

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【5】 適正BMI BMI(ボディマス指数)とは、体重kg÷身長m÷身長mで算出される、ヒトの肥満度を表す体格指数のことです。
BMIの計算式は世界共通ですが、肥満の判定基準は国により異なり、日本ではBMI22の場合を標準体重としています。
(余談ですが 適正体重は 身長m×身長m×22 で計算できます)
今回の研究では、適正BMIを 男性で21~27 ・ 女性で19~25 の範囲内としています。
多少甘い基準のように私は思いますが、まぁ、「
体重を維持して太らないようにしよう」 ということです

肥満度が高くなれば、がんだけでなく、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を発症する確率も高くなります。
太らないことが健康につながるわけです。
体重の維持については、つまるところ “ 摂取エネルギーと消費エネルギー ” を気をつけるだけです。
言い換えれば、食べ物と運動をどうするか・・・ということですね^^
例えば、運動しても(消費しても)、暴飲暴食すれば(摂取エネルギーが多ければ)、太るということ。
体重の維持は、食べることと運動することを考えていかなくては実践できません。。。
また、「BMIって正しいの?ほんとに太ってるかわかるの?」といわれることもありますが、統計学的に病気になりにくい範囲を表しているものです。
標準値は、統計的経験的に導き出されただけのものなので、体重がBMI値で“痩せ気味”と出ても、体脂肪率が高ければ、俗に言う「隠れ肥満」ということになることもあります。
あくまで、BMIは簡単に出せる指標であり、ひとつの目安と受け取っておいてください^^
がんのリスク低下のために、食事と運動のことを考えて太らないようにしましょう

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ひとつずつみていきましたがどうだったでしょうか?
これら5つの健康習慣の実践が、がんのリスクの低下につながるわけですが、なかなかすべてを実践していくというのは大変だなあと思った方が多いと思います(笑)
ここでひとつ、今回の研究での朗報を書いておきますね。
この5つの習慣の内、
実践する習慣が1つ増えるごとに、男性で平均14%、女性は平均9%ずつリスクが下がるという結果が出ています。
つまり、5つの健康習慣のうち1つ条件を満たすごとにリスクが1割減り、逆に悪い習慣を満たせば満たすほど、癌のリスクは上がっていくわけです


(
国立がん研究センターから引用 )
これは、前向きになれる結果だと思います

すべてやれと言われると、長続きしない人の方が多いものです。
どれもなかなか変えられない習慣ばかりですが、1つだけならやろうと思えばやれるはずです。
できるものをまずひとつ実践することで、がんの発症リスクを1割下げれるのです。
そしてもうひとつ。。。
60歳以上でも、これらの5つの健康習慣の実践を始めることで、がん予防効果が得られることがわかったのです

何歳になっても、あきらめず、いつでもこれまでの習慣を見直し、改善に努める姿勢が大切ということです^^
5つの健康習慣を実践すれば、絶対がんにならないというわけではないですが、発症リスクは確実に低下します。
全部実践するのが一番ですが、1つずつ実践していける範囲で実践していってはいかがでしょうか?
今からでも遅くありません。
健康のために、あなたの生活を見直してみましょう
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