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日常使えるツボの話 - はじめに。

2015年11月03日 16:41

        ツボ押し  
鍼灸や東洋医学のことを知らなくても、 「 ○○のツボ 」「 この症状にはこのツボを押したほうがいい 」 など、 “ ツボ ”という言葉を一度は見聞きしたことがある人が大半だと思います。

一般的に “ ツボ ” と呼ばれるものは、専門的には “ 経穴(けいけつ) ” と呼びます。

経穴は身体におきている異常に対応して現れ、経穴を刺激することで身体のバランスを調整したり、症状の緩和を図ることができます。

ここ数年、とくにメディアでも頻繁に“ ツボ ”という言葉が使われだし、注目されはじめています。

鍼灸師としては、大変うれしい世間の流れですね


本来、ツボというものはキチンと診察し、証を立て、身体の状態に合わせて選択するものです。

東洋医学に基づくさまざまなことを考え、経絡の流れを把握し、身体を触りながら効くところを探し出して鍼や灸などを行います。

これが一般的な鍼灸師が扱うツボです。

ただ、こういったツボの使い方のほかに “ 特効穴(とっこうけつ) ” というものがあります。

古来から千年以上続く鍼灸師たちの歴史の中で、「この症状のときにはこのツボを刺激すると効果がある」ということが長い年月をかけて見出され、伝承されています。

そのようなツボを “ 特効穴 ” と呼びます。

本当はきちんと理論を把握して経穴を刺激するのがいいのですが、「むずかしいのはかんべん…。もっと手軽に・簡単に・楽しく知りたい」というのが最近の流れのような気がしますf(^ ^;)

ということで今回、このブログでは色々な症状に対する “ 特効穴 ” を紹介していきます

ここを押せば、この症状がよくなるとされるツボたちですから、非常に取っ掛かりやすいかと思います。

ひとつひとつのツボに特徴があり、それぞれが全身の気血の運行や内臓の調節にかかわったり、症状に対して特効的に働きます。

なるべくわかりやすく、健康に役立つさまざまな “ ツボ ” を説明していくつもりです。

ぜひこの機会に東洋医学の世界に触れ、すこしでも身体の調子がよくなる手助けができれば と思っています^^



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ツボの探し方 その1

2015年11月07日 20:14


これから色々な“ ツボ ”を紹介していきますが、それも正しく刺激することができなければ、期待通りの効果を出すことはできません。

なので、ツボを紹介する前に 「 ツボの探し方 」 と 「 ツボの押し方 」 について説明していきます。

今回は「 ツボの探し方 」を採りあげていきますね


まず、よく鍼灸のツボ探しには“ ○○から指2本分上  ”などという記述が出てきます。

ツボの位置を測るときには、自分の指の横幅を基準に測っていくのが基本となります。

○○から何センチとか何寸とかですと、身体の大小によってツボの位置が変わってしまいます。

指の幅というものは、一般的に身体の大きい人は広く、小さい人は狭いです。

なので、自分の指を基準に測ることが基本となります。

ツボ -2横指 
【 指幅2本分 (2横指) 】

人差し指の第一関節のラインで、
人差し指と中指を並べ横幅が目安





ツボ -3横指
【 指幅3本分 (3横指) 】

人差し指の第一関節のラインで、
人差し指と中指と薬指を並べ横幅が目安





ツボ -4横指
【 指幅4本分 (4横指) 】

人差し指の第二関節のラインで、
人差し指から小指を並べ横幅が目安


(これだけ第二関節のラインなので注意)


このように、指をつかって目印となるところからツボまでの距離を測っていきます


ただ、自分の指を基準に測ることが基本といいましたが、あくまでそのあたりにツボがあるという目安までを測るために使います。

そこからさらに細かいところの探し方が必要です。

ということで、次は正確なツボをとるためのコツを説明していきます


   ≫≫≫ 次回へつづく


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ツボの探し方 その2

2015年11月18日 12:52

前の記事は ツボの探し方 その1


前回は、指を使うことを説明しましたね

今回はさらに詳しい話をしていきます。

    ~ ツボ探しの流れ ~

  目印となる骨やシワ・筋肉を見つける

  目印から指で距離を測ったり、骨をたどったりしておおまかな位置をつかむ

  ツボの反応みて、正確なツボの位置を探る

  ツボに適度な刺激を与える



これがツボ探しのおおまかな流れです

私たちプロでも、この流れで探していきます。

(まぁ慣れてくると自然とツボに手がいくようになりますが^^)

さて、では『 三陰交 』という名のツボを例にして説明していきますね。
  ツボ3 -三陰交骨なし
三陰交のツボは、教科書では「 内踝の上3寸、脛骨内側縁の骨際にとる 」となっています。

場所はだいたい上の絵のようなところですね。

この場合 ① 目印となる骨やシワ・筋肉を見つける は、まず内くるぶしの頂点を探すことから始まります。

内くるぶしの一番尖がったところですね↓
  ツボ3 -三陰交-説明

そこに、小指の端がくるように指4本並べ、 ② 目印から指で距離を測りおおまかな位置をつかみます

前回説明した指幅4本分 (4横指)が、ちょうど3寸になります。
  ツボ3 -三陰交-4横指

だいたいの高さが分かったら、すねの骨を探します。

その骨の内側が『 三陰交 』となります



ツボ探しは、このようにして探していくことがわかっていただけたでしょうか^^?

どこの場所でもこのように目印から距離を測ってツボの位置をとっていきます。

おおまかな位置がわかったら、さらにツボの反応をみて正確なツボの位置を探っていくわけですが、それは次回にしますね


    ≫≫≫ 次回へつづく


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ツボの探し方 その3

2015年12月22日 15:03

前の記事は  ツボの探し方   その1   その2


前回は、① 目印となる骨やシワ・筋肉を見つけ、 ② 目印から指で距離を測ったり、骨をたどったりしておおまかな位置をつかむ というところまで説明しましたね^^

ここから ③ ツボの反応みて、正確なツボの位置を探る ということなんですが、これがけっこう難しいです。

まずおおまかな位置をつかんでもらいましたが、そこから指先の感覚を集中させてツボの反応を見ていきます。

ツボの反応は大きく分けると5つあります。

 ● 温度差がある … 他のところよりも冷たいor温かい
 ● 感触がちがう … 他のところよりざらざらorつるつるorべたべたしている
 ● くぼんでいる … 触れるとわずかに凹んでいる
 ● 押すと痛む  … 圧をかけると痛みがある、または気持ちいい
 ● 硬さがある  … コリコリとした筋張ったものを感じる


指の腹でやさしく押してあげると、このような反応がわかります。

ぐいぐいと強く押さずに、まずは軽く表面をなでるように触り、それから軽く押さえるようにしてください。

すごくよくわかるツボもあれば、分かりにくいツボもあります。

大まかな位置を指幅で測ってつかんだら、なるべく指先に神経を集中させて、上の5つの反応を探るようにしてみてください。


この反応というものは、専門家である我々も苦労して体得していくものなので、はじめはわからないこともあると思いますが、このような反応を探りながらやっていくとなんとなくわかってきます、不思議なことにf^^

指幅で測ったところがちょうど反応が出ていることもあれば、1cmほどずれていたりすることもあります。

はじめのうちは、わからなくても徐々にわかるようになっていきます。

どーーしても分からないというときは、指幅などでつかんだポイントで大丈夫です。

そこにお灸や指圧をかけていきましょう。

これが、③ ツボの反応みて、正確なツボの位置を探る ということになります


 ------------------------------------

3回に分けて 「ツボの探し方」 を説明していきましたがわかっていただけたでしょうか?

まとめるとこのような内容でした↓

 ◇ ツボの位置を測るときには、自分の指の横幅を基準に測っていくのが基本。

 ① 目印となる骨やシワ・筋肉を見つける

 ② 目印から指で距離を測ったり、骨をたどったりしておおまかな位置をつかむ

 ③ ツボの反応みて、正確なツボの位置を探る
      | 
       L  温度差がある・感触がちがう・くぼんでいる・押すと痛む・硬さがある 

はじめはわかりにくくても、やっていくうちにわかるようになっていくかと思います。

ツボの位置が違うと、本来の効果も出にくく、あまり痛くも気持ちよくもありません。

ぜひ、この流れを意識してツボを探してみてくださいね^^



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ツボの押し方

2016年02月22日 17:36


「ツボの探し方 その1 その2 その3」で、ツボの位置はつかめるようになったと思います

今回は、そのツボに対する「 ツボの押し方 」を説明していきますね。


まずツボ押しは、心身ともにリラックスした状態で行うのが基本となります。

緊張して筋肉が硬くなってしまったら正しいところに指が入りにくくなってしまいます。

深呼吸をしたり、軽くツボ周辺をさすってみたり、お風呂に入ったりして、まずは自分なりのリラックスした状態をつくってみてください。


次にツボを押す指ですが、基本は親指・人差し指・中指の指腹をつかって押していきます

爪を立てるようにして押すと余計な刺激になるので、指の腹を使ってください。

このとき、ツボを押す強さは 「 イタ気持ちいい 」 くらいを目安に行いましょう。

ときどき痛いほうが効くと思って強く押す人がみえますが、これはまったくの見当違い。

強すぎると痛みのために、筋肉が緊張して本来の効果が得られなかったり、脳が過剰に緊張し自律神経の働きが低下して逆効果になることも・・・。

くれぐれも「イタ気持ちいい」を目安に押していってくださいね

また、同じツボでも押す強さによって効果が違ってきます。
やさしく押せばリラクゼーション、やや強めに押せば不調解消になります。

自分の身体と症状と相談しながら押していきましょう。


押すタイミングや呼吸も大切になります。

ツボを押すとき、いきなりギュッと力を入れて押してしまうとかえって筋肉は緊張してしまいます。

ゆっくり力を入れていき、ゆっくり力を抜いていくことがコツになります。

ゆっくりとツボを押していき、イタ気持ちいいところをキープし、またゆっくりとツボから手を放していきます。

このとき、力を入れていく(ツボを押す)ときは息を吐き、力を抜いていく(ツボから手を放す)ときは息を吸うようにしましょう

息を吐いているときは副交感神経が優位になって体の力が抜けて筋肉がゆるむので、このときに圧力を加え、吸うときに力を抜くと筋肉を傷めにくく、かつ刺激が入りやすくなります。

まず腹式呼吸で大きく息を吸ってから、息を細く吐きながら1・2・3秒とかけてゆっくりと押していき、4・5・6・7秒とイタ気持ちいいところをキープし、8・9・10秒と息を吸いながらゆっくりと力を抜いて離していきます。

ツボの押し方

この一連の動作を3~5回を目安に繰り返してください

このとき、あまり何回も繰り返し押すと感覚がマヒして効果が出にくくなってしまいます。

患部が炎症を起こし、あとでかえって痛みや疲れが出たりすることもあるので、押しすぎには注意しましょう。


   ツボの押し方 まとめ

 ・ できれば心身ともにリラックスした状態で。
 ・ 押す強さは 「 イタ気持ちいい 」 くらいを目安にしましょう。強く押しすぎないこと。
 ・ ゆっくり力を入れていき、ゆっくり力を抜いていく。
 ・ 吐きながらツボを押し、吸いながら離す。
 ・ 1か所10秒くらいで3~5回繰り返す。何回も押しすぎないこと。




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ツボ押しの注意点

2016年02月28日 00:03

「ツボの探し方 その1 その2 その3」 「ツボの押し方」 の続き


日常的に簡単に行えるツボ押し。

簡単な反面、やり方を間違えると逆効果になることもあるので、今回はQ&A方式で注意点を紹介していきますね

 
 Q. ツボを押していけないときはありますか?

A. 急な腹痛・下痢・激しい頭痛・めまい・ひどい炎症・高熱があるときはまず病院にいきましょう。

重大な疾患の場合は、病院にいくのが先決です。

また、妊娠中のツボ押しに関してですが、いろいろと言われておりまだ確実なことは言えない状態ではありますが、とりあえず安定期に入るまでは避けておくのがいいかと思います。

妊娠中はつらい症状も出てきますので、胎盤も完成し母体の状態が落ち着いた安定期以降はツボ押しを行っていただいて、身体の健康に努めてもらっていいと思います。


 Q. ツボ押しはいつ行うといいですか?

A.  基本的に一日のうちいつ行ってもかまいません。

ただし、食前食後・お酒を飲んだあと・疲労困憊しているときは行わないようにしてください。

症状が出たときや気になるときに押していただいて構いませんが、体質や体調からくるものは朝起きてからとお風呂に入っているときの2回はオススメです。


 Q. 痛みが出ているところを押しても大丈夫ですか?

A. 腰や肩・ひざなどがひどく痛むときは、直接患部を触ることを避けてください。

骨折・捻挫・打ち身などで炎症が起こっている場合も、痛みと熱感があることころのツボは押さないようにしてください。


 Q. 硬いところは強めに押してもいいですか?

A. あくまでイタ気持ちいいくらいの強さを心がけてください。

バンバンに硬くこっているところをグイグイと押してしまうと、あとからもみ返しが起こったり、筋肉が緊張して本来の効果が得られなかったり、脳が過剰に緊張し自律神経の働きが低下して逆効果になってしまったりすることもあります。

ツボやその周辺が硬く張っているときは、まずは軽くさすってほぐしましょう。

手を置いて、軽くゆするだけでも緊張がとれ、温まることによる血流促進も期待できます。

そのあと、イタ気持ちいいくらいの圧で押してあげてください。


 Q. どのくらいの頻度でツボを押せばいいの?

A. 症状によって異なります。

慢性化しているものや体質から来るものは毎日押したほうがいいですし、急性の症状はそのときのツボ押しでよくなることもあります。

肌の調子などは、ターンオーバーが28日前後で起こることを考えれば2~3週間は継続しないといけません。

身体と症状にあわせて調節してください。



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