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湯治入門  「そうだ、湯治にいこう」

2010年07月20日 23:46

いい湯ダナ~

温泉大国、日本。
古くから“湯”をつかって病を“治”すという文化がありました。

・・・ということで、『湯治』 をテーマに数回に分けて紹介していこうと思います

暑い日も、寒い日も、湯治に行って元気になりましょう!!


    ≪ 目次 ≫

  ○ 湯治ってなに?
  ○ 温泉の効果
  ○ 温泉の種類
  ○ 湯治にいこう - 温泉地・宿選び
  ○ 湯治をしよう - 湯治の仕方その1その2
  ○ 気をつけること・知っておきたいこと
  ○ まとめ








 ○ 湯治ってなに?

さて、『湯治』とはなんぞや?という方もみえると思います^^

湯治とは、温泉地に長期滞在または一定期間通って、温泉によって病を治すことです。

もうすこし詳しく説明すると、疲労を回復させる「休養」、健康を保持し病気を予防する「保養」、病気の治療をする「療養」を目的として、1週間以上特定の温泉に入るものです。

最近では、2泊3日・3泊4日などを目安にした『プチ湯治』なるものもありますが、日帰りの温泉旅行や1回だけの入浴とは少し異なることを覚えておいて下さい。



そもそも湯治は、日本古来からの健康法で、庶民が医者に簡単に診てもらえない時代、温泉の効果を期待して行っていました。

~江戸時代、戦争、現代と色んな時代のなか脈々と受け継がれてきた素晴しい健康法なのです。

しかし、「湯治」という言葉は聞いたことあるけどよく知らないという方が増えていますし、一部の病気の方だけの話と思っている方もみえると思います。

昔は第1次産業を中心とした肉体労働によるものが多かったが、今では都市生活によるストレスや体の不調など病も多様化・増化しています。

そんなとき、心身ともに健康になるべく、昔から続く素晴しい健康法である「湯治」へ行こうという考え方が見直されてきました。

最近では、昔ながらの湯治場からきれいで不便の感じない温泉宿までと様々なタイプの宿も増え、1週間の長期滞在ではなく「プチ湯治」という考え方も出てきて、湯治をしやすくなってきています。


この機会に、古くて新しい湯治を知り、『湯治』に出かけてみてはいかがでしょうか?


              ・・・つづく≫


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湯治入門-2  「温泉ってなんぞや?」

2010年07月22日 23:59

湯治入門-1」のつづきです↓




 ○ 温泉の効果

湯治は温泉に入って病を治すものなのだから、温泉についてちゃんと知っておかないといかんでしょう。

という訳で、温泉について説明していきますね


温泉と言えばこのマーク まず、“温泉”とは、泉源における水温が25℃以上、または規定された物質を溶存するものとされています。
(25℃未満でも定められた物質のいずれかを有していればよく、冷泉などと呼ばれています。)
 火山の地下のマグマを熱源とする火山性温泉と、火山とは無関係の非火山性温泉に分けられ、 含まれる成分により、様々な色、匂い、効能の温泉があります。



温泉の効果と聞くと、つい含まれる成分に目がいってしまいますが、温泉の効果はそれだけではありません!

順に説明していきます↓

 ・物理的な作用

含まれる成分に関係なく温泉には、「温熱作用」「水圧作用」「浮力作用」というものがあります。

温熱作用とは、温泉の熱によって新陳代謝が活発になり、体内の老廃物を汗などに代えて体外に排出させたり、免疫力を向上させたりする効果のことです。

水圧作用とは、水の中に入ると体の表面に水圧がかかり、体が縮んで肺の容量が少なくなることで、これを補おうとして呼吸数が増え、呼吸運動や心臓の働きを促進させる効果のことです。
(※逆に、心臓病や呼吸器系の持病がある方は注意しなければいけないことでもあります。)

浮力作用とは、筋肉の痛みや硬さなどもお湯の中では浮力により体重が約9分の1になるので和らぐというものです。
関節や筋肉への負担が減るので運動障害のリハビリに役立ちます。


 ・化学的な作用

一定の成分を含み、治療の目的に供しうる鉱泉を特に療養泉と呼びます。
この含まれる成分によってどの病気に効果があるのかが変わってきます。

また、このとき入浴だけでなく、温泉を飲む「飲泉」というものも対象です。

詳しくは次回説明しますが、日本では温泉の泉質は11種類に分類されています。
この11種類でそれぞれ効果が異なるのです。


療養泉だけでなく普通の温泉でも、体の適応能力や調整能力・免疫力を高め、血行を良くし、ホルモン分泌や自律神経が調節されるなどの効果は認められています。


 ・環境効果

日常から非日常となることでの開放感、独特の時間の流れ、豊かな自然環境、温泉地の雰囲気など、普段とは違う環境になることで精神面に効果があります。
温泉にいくことによって、体→心、心→体という相乗効果により心身ともにリラックスできるという効果も期待できます。



 これらすべての作用が合わさって、温泉は人間の心身に大きな効果をもたらしています。

温泉のお湯につかるというだけでも色々な効果が期待できることがわかっていただけたでしょうか?


次回は、療養泉の種類について具体的に説明していこうかな。と思っています^^

      ・・・つづく ≫≫


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湯治入門-3  「どの温泉にいけば…」

2010年07月26日 23:42

湯治入門その1その2」のつづきです↓


 ○ 温泉の種類

前回、「温泉の効果」では、一般的な温泉に入ったときのことを書きました。

その中に出てきた「療養泉」についてココでは説明していこうと思います


“療養泉”とは、医療効果が期待できる温泉のことです。

温度や含有成分の種類と量などから11種類の泉質に分類することができます。
(同じ成分量の温泉はなく、微妙でデリケートなのが温泉の泉質。
11種類というのは、おおまかに分類されたものであると理解してください。)

種類としては・・・

 ◇単純温泉
- 溶存物質量(ガス性物質を除く)1g/kg未満かつ湯温が25℃以上のもの。
    ・単純温泉

 ◇塩類泉
- 溶存物質量(ガス性物質を除く)1g/kg以上含有するもの。温度不問。
    ・二酸化炭素泉
    ・炭酸水素塩泉
    ・塩化物泉
    ・硫酸塩泉

 ◇特殊成分を含む療養泉
- 指定された特殊成分を一定の値以上に含むもの。温度不問。
    ・含鉄泉
    ・含アルミニウム泉
    ・含銅-鉄泉
    ・硫黄泉
    ・酸性泉
    ・放射能泉

  ※詳しくは後で説明します


療養泉の泉質については、主に新泉質名・旧泉質名・掲示用泉質名の3種類が紹介で用いられています。
新泉質名は、昭和54年にそれまで用いられていた旧泉質名に代わるものとして導入されました。
しかし、旧泉質名のほうが分かりやすいこともあって、実際には両方が併用されています。


さて、私たちが正確な泉質名を知るにはどうしたらいいのでしょうか?

それは、温泉の脱衣所などに掲示してある温泉分析書を確認しなければいけません。

“温泉分析書”とは、温泉の自己紹介文のようなもので、分析機関によって温泉の含有成分・温度・泉質名・浴用、飲用の適応症・禁忌症などが表記してあります。
温泉の施設には掲示が義務付けされているので、探せば見つかると思います。

最近ではインターネットでも掲載しているところやサイトも増えてきているようです。
(※参考-温泉分析書図書館などなど)


また、全ての療養泉(&ふつうの温泉)で効能があるとされる疾病・外傷の症例を「一般的適応症」といいます。
症状は、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、疾後回復期、疲労回復、健康増進です。



温泉の泉質なんて知らなくても・・・。というかたもみえるかもしれませんが、それは違います!

温泉の泉質について知っていると、どんな湯に入りたいのか・どんな症状に適しているのかを検討して温泉地を選ぶことができるから、とても大切です

せっかく湯治に行くのなら、泉質をチェックすることは欠かせません^^


ここから、さらに泉質について詳しく説明していきますね



onsen




 ① 単純温泉

[温度が25℃以上で、温泉水1kg中に含有成分が1000㎎未満の温泉]

含有成分量が少ないことにより、刺激が弱く作用も穏やかで肌にやさしい
概ね、くせが少なく、無色透明で無味・無臭。

成分の少ない単なる湯、質の低い温泉だと誤解されやすいが、様々な成分を少量ずつ含んだバランスの良い泉質と覚えておくのが妥当です。

また、一言で単純温泉といっても、体への効果は溶けている成分によって異なるが、刺激が弱く肌触りもやわらかなので、高齢者を含めて万人向きで利用範囲も広い温泉です。
名湯とされる温泉もこのタイプの温泉に多く、古来より「美人の湯」「神経痛の湯」と呼ばれ、日本では最も数が多い温泉です。

◆主な適応症 … 一般的適応症に加え、病後回復期の静養、手術後の療養、骨折・外傷後の療養にもよい。
飲泉では軽い胃腸炎によく、消化器官の働きを活発にしたり利尿作用があります。



 ② 二酸化炭素泉

[温泉水1㎏中に遊離炭酸1000mg以上を含む温泉]

炭酸に包まれる泡の温泉

成分の炭酸ガスの小気泡が無数の泡となって全身の肌につくため「泡の湯」とも呼ばれています。
温度が高いと炭酸ガスは空中に抜けてしまうため、低温の温泉が必然的に多くなってしまうが、保温効果が高い温泉でもある。

日本には比較的少ない泉質で、欧州には高濃度の二酸化炭素泉が多い。
日本では、泉温の高い大分県の長湯温泉が有名。

◆主な適応症 … 「心臓の湯」とも呼ばれ、高血圧、動脈硬化などに効果的。運動麻痺、筋肉痛・関節痛、打撲、切り傷、冷え症、更年期障害、不妊症にもよく効く。
飲泉では胃粘膜の血行をよくし食欲を高め消化活動を助けてるので、慢性消化器病・慢性便秘によい。逆に下痢のとき飲泉は禁止である。



 ③ 炭酸水素塩泉

[温泉水1kg中に含有成分が1000mg以上あり、そのうち重炭酸ソーダの含有量が340mgを超える温泉]

肌がなめらかになる冷の湯

ナトリウム炭酸水素塩泉は、アルカリ性で皮膚表面の角質を軟化、皮脂や分泌物を乳化して洗い流すため、肌がすべすべになるため「美人の湯」と呼ばれる。

また、皮膚の脂肪や分泌物を乳化して洗い流すためと皮膚表面からの水分の発散が盛んになり、体温が放散され清涼を感じるため、浴後清涼感があり「冷の湯」とも呼ばれる。

(以降wikiより - 強アルカリ性の温泉では入浴すると肌がヌルヌルする。この事からパンフレット等で“美肌効果”、“美人の湯”をうたう施設も有るが、これは効能では無い。 化学反応により皮脂から石鹸に類似した物質が作られる。つまり石鹸を塗らなくても塗った事と同等の効果があるだけである - という指摘もあります。) 

◆主な適応症 … 慢性皮膚病、アトピー、火傷、創傷などに効果的。
入浴と飲泉で痛風、糖尿病、肝臓病、胆石、慢性胆嚢炎、慢性消化器病、気管支炎、関節痛、打撲などにもよい。高血圧症、腎臓病の人は重曹泉の飲泉は控える



 ④ 塩化物泉

[温泉水1㎏中に含有成分が1000mg以上あり、陰イオンの主成分が塩素イオンの温泉]

皮膚についた塩分が体温の放散を妨げるので、保温効果が高い「熱の湯」
高齢者向きのよく温まる温泉。

ほとんどが無色透明だが、強食塩泉は空気に触れると茶褐色に変色し、濃い部分のものは湯船を鍾乳石状に固めてしまうほどです。
ちなみに塩分が主成分となっているので、当然飲用すると塩辛く、塩分濃度が濃い場合は苦く感じられる。

◆主な適応症 … 入浴と飲泉で貧血、慢性消化器病、慢性便秘によい。
また、筋肉痛・関節痛、リウマチ、打撲、捻挫、冷え症、慢性婦人病、月経障害、不妊症、病後回復にもよく、殺菌効果があるので外傷治癒にも利用される。
ただし、食塩制限のある疾患、高血圧症、腎臓病、心臓病、むくみのあるときは飲泉は控える



 ⑤ 硫酸塩泉

[温泉水1㎏中に含有成分が1000mg以上あり、陰イオンの主成分が硫酸イオンの温泉]

動脈硬化の予防になる「中風の湯」
(脳卒中を東洋医学では中風と呼びます。)

苦味があり、陽イオンの主成分によりナトリウム-硫酸塩泉〔旧称:芒硝泉〕、マグネシウム-硫酸塩泉〔旧称:正苦味泉〕、カルシウム-硫酸塩泉〔旧称:石膏泉〕に分けられ、温泉入浴を禁じられている人以外にはこれといった弊害のない無難な泉質です。

また、硫酸塩は、強張った患部(硬くなった肌)を柔らかくして動きやすくする働きを持っているため痛風や神経痛の症状に効果が高い泉質でもあります。

◆主な適応症 …
 ナトリウム-硫酸塩泉は、浴用では高血圧症、動脈硬化症、外傷に効果があり、また飲用では胆汁の分泌が促進されて腸の蠕動運動を活発化するため、胆道疾患、弛緩性便秘、糖尿病、肥満症、痛風に効果があります。
 マグネシウム-硫酸塩泉は、浴用・浴用ともに他の硫酸塩泉と同じ効果があり、特に高血圧症の血圧を降下させ、 脳卒中後の麻痺を改善し、動脈硬化予防の効果があります。
 カルシウム-硫酸塩泉は、浴用ではカルシウムの鎮静効果が高いため、昔から 「傷の湯」 「中風の湯」 といわれ、高血圧症、動脈硬化症、脳卒中、慢性関節リューマチ、打身、切傷、火傷、痔瘻、捻挫に効果がある。また、皮膚病では乾癬、慢性湿疹、ニキビ、皮膚のかゆみにも良いとされる。飲用ではナトリウム-硫酸塩泉と同じ効果があるほか、じんましんにも効果がある。

 ただし、硫酸塩泉は、下痢、腎臓病、むくみ、甲状腺機能亢進症のとき飲泉は控える



 ⑥ 含鉄泉

[温泉水1㎏中に総鉄イオン(鉄Ⅱまたは鉄Ⅲ)を20㎎以上含有する温泉]

湧き出したときは無色透明、空気に触れると鉄の酸化が進み赤褐色になる赤湯。

また、貧血、月経障害、更年期障害など女性に多く見られる症状に効くため「婦人の湯」とも呼ばれています。

◆主な適応症 … 入浴では、ではよく温まるため、リウマチ性疾患、更年期障害、月経困難症、子宮発育不全、慢性皮膚病、苔癬(たいせん)、筋肉痛、関節痛に効果があります。また、鉄分を多く含んでいるため造血作用が促進され、貧血にも良いです。また、飲泉では、胃酸の分泌を高め、鉄を吸収しやすくするため、貧血に効果があるが、飲用の場合は褐色に濁った温泉水は効力が落ちているため、湧出したばかりの透明の湯を飲用し、濃成分のものは希薄利用する必要があり多飲は禁物なので注意が必要です。

 強酸性の鉄泉の場合は乾燥肌の人には向かないで注意してください。



 ⑦ 含アルミニウム泉

[温泉水1㎏中に含有成分が1000mg以上あり、陰イオンとして硫酸イオン、陽イオンとしてアルミニウムを主成分とする温泉]

殺菌消毒作用が強く、肌のハリを回復させたり、慢性皮膚病など肌に効果がある他、眼病に効くため「眼の湯」とも呼ばれている。
日本では少ない泉質でもある。

◆主な適応症 … ⑩酸性泉に準じるのでそちらを参照。慢性皮膚病、神経症、眼病によく効く。飲泉では、慢性消化器病に効く。



 ⑧ 含銅-鉄泉

[温泉1kg中に銅イオンを1mg以上含有する鉄泉]

鉄泉に銅が含まれる温泉で、水中の金属分が空気に触れる事により酸化するため、湯の色は黄色または赤色をしています。
草津温泉や玉川温泉の源泉の一部にみられる程度で、数が少ない泉質。

◆主な適応症 … ⑥含鉄泉を参照。月経障害、高血圧症にもよく効く。



 ⑨ 硫黄泉

[温泉水1㎏中に総硫黄2㎎以上含有する温泉]

たまごの腐ったような独特の臭いのある泉質

硫化水素の含有の有無により、全く含まない単純硫黄泉と、これを含む硫化水素泉に分けられる。
単純硫黄泉は、無色透明の肌ざわりのいい湯で「美人の湯」とも呼ばれている。硫化水素泉は湧出のとき無色でも空気に触れて白濁した湯になる。

万病に効くと呼ばれる名湯が多い。反面、硫黄泉はかなり刺激の強い部類の温泉に当たり、注意しなくてはいけないことも多い泉質でもある。
また、硫化水素は金属を酸化して黒くするので、金属製のアクセサリーなど装飾品は外して入浴したほうが無難です。

◆主な適応症 … ②炭酸泉同様に、末梢血管拡張作用が強いので動脈硬化症、高血圧症、心臓病などに適した「心臓の湯」であり、しもやけ、頸肩腕症候群にもよく効く。
また、 硫黄泉は、解毒作用があるため、金属中毒や薬物中毒にも利用され、慢性皮膚病、慢性関節疾患、慢性関節リウマチなどにも良いとされ、硫黄泉に含まれている硫黄イオンはインシュリンの生成を促進する効果があるため、糖尿病などにも有効とされています。
さらに、皮膚の角質を軟化溶解するので、角化症、慢性湿疹、苔癬(たいせん)、慢性膿皮症などの皮膚病のほか、寄生虫の疥癬(かいせん)にも効果があります。
硫化水素泉の湯気を口から吸入すると痰の切れが良くなり、慢性気管支拡張症などに効果もあるため「痰の湯」とも言われるが、有毒なので吸いすぎに注意が必要。
このほかにも、動脈硬化、切り傷、慢性婦人病、筋肉痛・関節痛、痔などにもよい。
飲泉では、慢性消化器病、糖尿病、便秘、痛風によい。

★禁忌 … 硫黄泉はかなり刺激の強い温泉で、入浴・飲泉ともに身体に強い変調作用を与えるため、病中病後で体力が落ちている人や高齢者、乾燥肌、光線過敏症の人には特に注意が必要でなるべく避けたほうがよいでしょう。
皮膚や粘膜、呼吸器の弱い人は湯あたりや皮膚炎を起こしやすく、リウマチや喘息の患者は特に配慮が必要です。

また、有毒なので換気の悪い浴室では中毒を起こすことがあり、換気に気配りをする必要があります。
野湯の場合、窪みや穴状の地形の中にあると高濃度の硫化水素ガスが溜りやすく、冬季には地形にかかわらず積雪で温泉の周りが囲まれた状態でも同じことが起き、過去に中毒死亡事故も起きています。



 ⑩ 酸性泉

[温泉水1kg中に水素イオンを1mg以上含有し、酸性を示す温泉]

殺菌効果が高く、刺激が強い温泉

殆どが無色又は微黄褐色で、硫酸・塩酸により飲むと強烈な酸味があり、強い刺激作用・殺菌作用を利用し、古い肌を剥がし新しい肌に刺激を与えてることで新陳代謝が促進されるので、皮膚病などの治療に使われる。

◆主な適応症 … 水虫や湿疹・疥癬などの慢性皮膚病、慢性婦人病、月経障害、筋肉痛、関節痛、糖尿病によく効きます。抗菌力があるため、 トリコモナス膣炎、疥癬、水虫に効果あり。
飲泉では、低酸・無酸症や低色素性貧血、慢性消化器病に効く。しかし、誤って飲用すると胃をただれさせたり、歯を溶かすため、薄めるなどの工夫をしなければならない。

また、刺激が強いため、湯ただれを起こすことがあるので、病弱者、高齢者及び皮膚の弱い人は控えたほうがいいです。もしくは短時間の入浴で、入浴後真湯でしっかり洗い流し十分拭き取るように。



 ⑪ 放射能泉

[温泉水1kg中にラドンを100億分の30キュリー以上含有する温泉]

文字通り放射能を含み、一般的にはラジウム温泉といわれる無色透明の温泉

放射線と聞くとびっくりしますが、温泉中に含有されるラドンは常温で気体、湧出後は空気中に散飛するため全く心配がなく、ごく微量の放射能はむしろ人体に良い影響を与えるというホルミシス効果により免疫細胞が活性化される効果があるとされています。

薬効の効率がもっとも高い泉質で、数が少なく貴重な温泉です。しかし、放射能泉は空気に触れたり、時間がたったりすると効能成分が失われやすいので、温泉が浴槽の下から注がれている風呂が理想的です。

また、ラドンは吸入が一番よく、温泉地に滞在しているだけでも療養効果があるとされ、浴槽を仕切って、ラドンを吸入しやすくした浴場も見受けられます。

◆主な適応症 … 高尿酸血症、痛風、尿路慢性炎症、糖尿病に効果があり、下垂体副腎系、卵巣、睾丸の機能を高める作用があります。尿酸を尿から出すので「痛風の湯」とも言われています。
入浴によって腎機能は改善され、鎮静作用もあるので、神経痛、リウマチ、神経麻痺、自律神経過敏状態などに利用されています。そのほか、高血圧、動脈硬化、慢性皮膚病、慢性婦人病にも効果があります。
飲泉では、痛風、慢性消化器病、慢性胆嚢炎、胆石症、神経痛、筋肉痛、関節痛に効果があります。

ただし、放射能泉は湯あたりを起こしやすいので注意が必要です。



ONSEN


温泉は、ひとつとして同じ成分のものはないと言われています。

おおまかに分けられた11種類の泉質をみても効果や注意点が大きく違うので、自分がなんのために湯治にいくのかによって、泉質を選ばなくてはいけないのです。


最後に、同じ病気の人の話を聞き、「あの人がどこそこの温泉でよくなったから自分も行ってみようか」などと判断して温泉に療養に行くのは、かえって病気を悪化させる危険すらあります。
特定の病気、合併症を持った方は自分の症状によって入浴時間、温度、成分がそれぞれ異なることは覚えおいて下さい



長々とした説明で逆に迷った、分からなくなった、読み疲れた(笑)という方もみえると思います^^;

なので次回は、温泉地・宿選びについて説明していこうと思います

     ・・・つづく ≫≫


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湯治入門-4  「いざ、温泉地へ」

2010年07月30日 01:20

湯治入門その1その2その3」のつづきです↓



 ○ 湯治にいこう - 温泉地・宿選び

いろいろと温泉について知ってもらったところで、温泉地・宿選びです!!


まず、「湯治」へ行こうと考えたとき、いつもの温泉旅行を想像していませんか?

湯治とは「温泉地に長期滞在または一定期間通って、温泉によって病を治すことである。」と始めに説明しました。
1日の温泉旅行ましては1回の入浴をしたからといって温泉の特性から、はっきりとした療養的な効果は得られないので、湯治は長い期間滞在するものなのです。

つまり、湯治でいく温泉地(湯治場)は、いわゆる旅行で行く温泉地とはまったく性質の異なるもの。
雰囲気や準備、心構えも違うので、下調べが重要になります。

湯治場には、本気で病気を治そうとして重い病気を抱えた方が集まっていることも少なくありません

遊びに行くような気持ちでいると、その考え方の違いからトラブルになってしまうこともありますから、湯治へ行くなら意識の切り替えも必要となることがあります。

とはいえ、体の不調和の改善やリフレッシュして病気になりにくい体を維持しようとする“プチ湯治”と呼ばれる考え方など湯治も多様化していますし、みなさん体良くしようと来ている人ばかりで、“はだかの付き合い”と呼ばれるように温泉には心がオープンになる・すぐに打ち解ける雰囲気があるので、あまり心配することもないと思います^^

ただ、重い病気を本気で治そうとしている人達がいるということだけは知っておかなくてはいけません。


さて、温泉地・宿選びですがポイントは次の3つです

 A. どの泉質が自分の症状に対して効果的なのか。
 B. 体調・症状によって、どんな気候・自然環境がいいのか。
 C. 温泉地・宿周辺の施設や宿の炊事場、設備はどうなっているのか。


順に説明していきます。


 A. どの泉質が自分の症状に対して効果的なのか。


泉質についてはこちら→「温泉入門 その3」で再度ご確認くださいませませ^^

おおまかに分けられた11種類の泉質をみると効果や注意点が大きく違います。

自分の症状にあった泉質の温泉地を探すようにしましょう


どれが効果的かわからないという方は、ある程度泉質で目安をつけ、その温泉がある宿や温泉地がある自治体のHPを見たり、電話して聞いてみるというのもひとつの手です。

温泉地によっては、温泉に詳しい温泉療法医という方がみえる温泉もあるので指導を受けて湯治をしてみてもよいかと思います。
(温泉療法医が薦める名湯百選などというものもあったのでそれを参考にしてみてもいいかも)

ただ、同じ病気の人の話を聞き、「あの人がどこそこの温泉でよくなったから自分も行ってみようか」などと判断して温泉に療養に行くのは、かえって病気を悪化させる危険もあるので注意が必要です。
人それぞれ、症状や体質、体調、考え方が違うので素人の意見を信用しすぎないようにもしましょう。


また、温泉の成分も微妙に異なり、同じ泉質でもいろいろありますから、泉質が体に合うかどうかを試すために事前準備として短期間の滞在をしてみてもOKです!
強い泉質の温泉地では、むしろそうすべきだと勧められることもあります。

ちなみに、適応症に応じ、刺激の弱い温泉からはじめて刺激の強い温泉へと移っていくのが安全な方法です。
いきなり、強い刺激の温泉に入って体調を崩すなんてことがないようにしましょう^^

※温泉刺激の強さは、温泉の泉質と源泉からの距離で決まります。源泉に近いほど鮮度が高く温泉分析書に近い温泉である一方、源泉から遠いほど「やわらかい温泉」になります。この2つに注意してみてください。




 B. 体調・症状によって、どんな気候・自然環境がいいのか。


日本各地に温泉地は数多くありますから、当然、それぞれ気候も違えば、周りの環境も違います^^

暑い地方なのか、寒い地方なのか、山岳地の温泉なのか、森林の中の温泉なのか、海辺の温泉なのか。
体調や症状によって、こうした点を考慮して温泉地を選べば、より快適で効果的な湯治になるでしょう


また、宿の近くに適度な散策コースなどがあるということもポイントの1つです!

宿の中ばかりにいて、入浴だけを繰り返し、食べては寝るという生活を続けていては、かえって身体を悪くしかねません。
症状や体調によりますが、人間、適度な運動は必要です

温泉街を歩くのもいいですが、森林や渓流沿い、海岸沿いなどの散策コースやハイキングコースのように、自然を体感できるところが宿の近くにあると理想的です。


環境によって簡単に分けておきます。参考にしてみてください

 ・ 山岳地の温泉地

山岳地の温泉地に滞在すると、気候による刺激で心臓や血管のトレーニングとなり、呼吸運動も活発になります。また、皮膚は寒冷刺激を受けて血行がよくなり、栄養状態が改善され、気分が爽快になります。
1000m以上の高原や山岳では、日射しや紫外線が強く刺激が強いので、ご高齢な方、皮膚の弱い方は注意が必要です。
心臓病や高血圧症、喘息に悩む人は寒暖の差や気圧の変化が著しい山岳地は避けたほうが無難です。


 ・ 森林の温泉地

自然の緑のよい香りが精神的にリラックス・快適さを与えてくれ、植物から放出される物質が周辺の空気をきれいにしてくれるので、快適な環境の中で過ごす「森林浴」は心身ともによい効果があります。
また、ウォーキングやハイキングなどの運動ができるところがあることが多く、無理なく身体を動かすことができるはずです。
一般的に森林の温泉地では、年齢や体調を問わず過ごすことが出来ます。ただし花粉症や樹木性のアレルギー性疾患の方は注意が必要です。


 ・ 海辺の温泉地

海辺や平地の湖畔にある温泉地は緊張感から解放され、静養するのによい環境です。
一般的に夏は涼しく、冬は暖かいので一日の温度差は比較的少なく、気圧の変化もあまりないので穏やかに過ごせますから、高齢者や高血圧、呼吸器系の弱い人に向いています。
また、新陳代謝や心肺機能も高まり、自律神経の安定化といった傾向が見られ、精神的に不調な人適していると言われています。
ただし、北国の海岸などには刺激的な環境のところもありますし、海辺は湿気が多いので痛みを持つ人は注意が必要です。




 C. 温泉地・宿周辺の施設や宿の炊事場、設備はどうなっているのか。


湯治の場合、長い期間滞在する訳ですから宿選びは大きなポイントになります。

値段もさることながら、静かな環境か、落ち着いたくつろげる造りか、階段やお風呂場に手すりは付いているか、炊事場あるか、洗濯機やその他日用品は揃っているかなど、宿の造りから滞在のための施設環境も事前に調べておくことが大切です。

昔ながらの湯治宿では、短期の観光客や保養客を相手にしていないため、山間僻地の質素な温泉地が多く、娯楽施設やTVがない宿も珍しくありません。
また、宿泊や滞在に必要なものは宿泊先によっても異なっていて、旅館への宿泊と違い、寝具一組、浴衣一着、食器・茶器一器にいたるまでレンタル料が発生するので、有料・無料の別は事前に良く確認しておきましょう


連泊の場合には食事も大きなウエイトを占めます。
観光旅館の料理を毎日食べていたら確実に、ふところは寒くなり、お腹はカロリーオーバーで大きくなっていくこと必死です^^;

そのため、湯治宿では、自炊設備が整っていたり、ご飯と味噌汁は提供してもらい、おかずだけ自分で用意するという半自炊というものがあります。

自分で作る分、栄養やカロリーをコントロールできるし、素泊まりとおなじようなものなので料金も安くあげることができます。
自分で材料をあらかじめ持っていけば、さらに安く泊れるでしょう。

地元のものが食べたいときは買出しに行かないといけないので、宿の周りにどんな施設やお店があるのかもチェックしておく必要があります。


また、自炊には、その土地のものを買い物したり、好きなものを好きな時間に作って食べれるといった日常とは違った楽しさや、宿で仲良くなった人と自炊した料理を持ち寄って一緒に食べたりして交歓を深めるといった楽しさがあります。

はじめは慣れないかもしれませんが、意外と慣れてくると自炊にハマってしまうかもしれません

ちょっと自炊は・・・、という人の場合、湯治で有名な多くの温泉地では、長期滞在者向けの宿を用意していますし、一泊二食付きでも割安な料金設定である場合がほとんどです。
通常の旅館のようなサービスや、豪華な部屋を求めることは難しいですが、これなら始められるという人も多いと思います^^


宿選びでは、「宿の人が、湯治や保養目的の人に理解があるかどうか」が大きなポイントです。

自炊や半自炊システムがあるとか、湯治またはプチ湯治用のプランを用意しているという宿は理解があるといえます。
そういった湯治やプチ湯治に理解のある宿を選ぶようにしましょう


絶景かな、絶景かな



温泉地・宿選びのポイントを挙げてきましたが、大切なことは「自分にあった泉質・環境はどれか」、「宿の人が、湯治や保養目的の人に理解があるかどうか」です。

昔ながらの湯治場から湯治の理解のある温泉宿まであり、プランもさまざまです。
そのなかから、コレだ!!と思うところに湯治にいきましょう

        ・・・つづく ≫≫


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湯治入門-5  「湯治をしよう!」

2010年08月04日 00:36

湯治入門その1その2その3その4」のつづきです↓



 ○ 湯治をしよう - 湯治の仕方

ここまで温泉の効果や種類、宿の選び方などいろいろ説明してきました。
ついに今回は、湯治のときの温泉の入り方・湯治の期間など、具体的な湯治の中身についてでっす

正しい入浴方法・湯治の仕方を知っていないと、逆にカラダに悪影響が出ることもあるので、ぜひ覚えていってください



さて、温泉の正しい入浴の仕方ですが、その前に温泉にはいろいろな入浴方法があるのをご存知でしょうか?

実は、全身浴、半身浴、足湯、寝湯、立ち湯、岩盤浴、飲泉、吸入、打たせ湯、蒸し湯、箱蒸し湯、砂蒸し湯、泥湯などなど・・・、入浴と一口に言っても色々な方法があるのです。

温泉療法として温泉を活用する場合、泉質だけでなく、症状によっていろいろな入浴方法を行うことでより効果を高めることができます。

とはいえ、まずは一般的な湯治のときの入浴の仕方をしっておきましょう^^
これが基本ですから、これだけ覚えておいてもらえれば大丈夫です!


順に説明していきますね↓


 0. 入る前に体調確認!!

温泉地に着いたら、すぐにざぶ~~んとお湯の中へ・・・。と、やりがちですが、危険です!

せっかく病を治しに行っているのに、悪化したらなんのために湯治にいったのか分かりません。
温泉も効果があるだけに、体調がよくないと悪くなることもありえるのです。

簡単に注意点を挙げておきますね

◇ 宿・温泉に到着したら、少なくとも30分から1時間の休息をとってから入浴するようにしましょう。列車や車に揺られ、体のリズムが不安定になっています。

◇ 食事の直後の入浴は避けましょう。入浴することによって血液が皮膚の表面に集まるため、胃に血液が行かず消化に良くないので、食事後30分~1時間の入浴は避けたほうがいいでしょう。

◇ 飲酒後の入浴は厳禁です!!お酒と入浴によって、血液が大量に皮膚表面へ移動して脳の血流が減少するため脳貧血が起こりやすく、血圧・心拍数も変化しやすく心臓発作などの思わぬことを起こしかねないので、最低でも2時間以上あけ、ほろ酔い程度でも、必ず酔いがさめるのを待ちましょう。

◇ スポーツ直後の入浴は避け、30分は休憩してから入浴しましょう。入浴すると全身に血液が巡り、筋肉に十分な量の血液が回らないため、筋肉の疲れがなかなかとれない状態になってしまいます。また、心臓にかかる負担も倍加させるので、注意が必要です。

◇ 風邪や体調が悪いとき、あせって湯治をすることは避けましょう。無理に入浴するよりもよく休んでからにしてください。また、いつもと違うなと感じたら短時間の入浴にするなどして工夫しましょう。

◇ 入浴すると体内の水分が“発汗”によって失われ、いわゆる「ドロドロ血」の状態になりやすいです。入浴後だけでなく、入浴前にもコップ1杯の水を飲む習慣を身につけましょう



 1. まず「かけ湯」をしましょう

湯舟につかる前に「かけ湯」をするのは、マナーとして体の汚れを落としてから入浴するためだけだと思っていませんか?
「かけ湯」には、もうひとつ、大切な意味を持っています。

それは、「かけ湯」によってカラダをお湯の温度に慣らすことです!

「かけ湯」をせずに冷えたカラダのまま熱いお湯の中に入ると、急激な温度変化によって血圧が急に上昇してしまう為、とても危険です。

「かけ湯」とは、いわば温泉に入る前の準備体操のようなもので、入念に行う必要があります。

特に気温差の激しい冬場や温度の高い温泉では、しっかりと「かけ湯」をしましょう。


「かけ湯」の手順を紹介しておきますね

①つま先→大腿→腹部、指先→腕→胸というように、体の末端から心臓近くへと順に10杯程度かけてお湯をかけていきましょう。

②最後に、頭に10~20杯のかけ湯をしましょう。湯から上がるときの立ちくらみ防止になります。

③冬場や熱い温泉では特に頭からかぶる回数を増やし、しっかりとカラダを慣らしましょう。



 2. 半身浴で身体を慣らそう

「かけ湯」をしっかりしたら、ゆっくりと、ヘソの少し上までお湯につかる半身浴をしていきましょう。

入浴するとき、湯舟の中では全身にかなりの水圧がかかり、温度や温泉の泉質による刺激もあります。

いきなり全身浴すると、カラダに急な負担がかかり、体が弱っている人、心臓や肺が弱い人は倒れてしまうことがあります、

半身浴は、水圧が低いので当然心肺への負担が少なくなり、水圧や温度・泉質の刺激による急な負担にカラダを慣らすことが出来ます

初日、温泉に入るときや体が弱っている人・心臓や肺が弱い人は、足湯から始めて半身浴→全身浴というように、より段階を踏んで、ゆっくりとカラダを温泉に慣らしていくようにしましょう。



 3. 入浴時間がミソ、長湯はけっしてしない!

長時間の入浴は、血圧が変動しやすく心拍数が急上昇するので、危険な場合があります。
特に熱い湯での長湯はかえって体に悪いですし、湯冷めしやすくもなります。

入浴すると疲れることがありますが、それを「入浴疲労」と呼びます。
この入浴疲労があらわれているメッセージが“汗”で、汗が出る状態は入浴疲労が起きている状態だと思ってください。

体に負担をかけずに「温熱効果」や温泉の場合の「薬理効果」を得ようとするなら、額が軽く汗ばむ程度にとどめるようにするのがミソなのです

汗が流れるほどの入浴は、入りすぎです。
無理をして入り過ぎないように注意しましょう


具体的な入浴時間は・・・

入浴時間は温泉地によって異なりますが、初めの入浴は5~15分くらいにしましょう。

慣れてきたら、ぬるめのお湯であれば30分以内、高温のお湯では10分以内までがよく、それ以上では疲れや不慮の事故を起こす恐れがあるので注意しましょう。

また、ずっと半身浴で入浴し続けるだけでなく、短い時間入浴し、浴槽のそばで休憩し、また入浴を繰り返すという「分割浴」を行うのもオススメです!

この入浴方法も、心拍数を急上昇させることなく血流量をアップさせ、負担が少ない入り方です。
数分入ったら同じ時間休む、というのが基本で、基本になる時間は、「5分入浴して5分休憩」を3回繰り返すのが目安になります。
(浴室には時計がない場合が多いので、防水の腕時計や砂時計を手元に置いておくのもいいと思います^^)

とにかく体に負担をかけずに温泉の効能を得る入浴法が大切になります^^



 4. お湯からあがるときは・・・

湯舟からあがるとカラダは水圧から開放され、体の表面や下半身側に血液が移動するので、脳貧血を起こしやすくなっています。

湯舟からあがるときは、入浴する際の逆で、全身浴→半身浴→足浴→ゆっくり立ち上がるという流れで出るようにすると安全です


また、温泉から出るとき、「あがり湯」としてシャワーを浴びて出てきてませんか?

せっかく肌に温泉成分が残っているので、なるべく洗い流さないようにして出るようにしましょう。

もし「あがり湯」をしたいときは、湯口から新鮮なお湯を桶にとり、適温にさましてからかけてる、またはタオルをつけて体を拭くようにしてください

ただし、皮膚の弱い方や酸性泉や硫化水素泉のような刺激の強い泉質の場合は、しっかりと洗い流すようにしてください

よく洗い落としておかないと皮膚に刺激が残るので、泉質はきっちりとチェックしておきましょう。



 5. ゆっくり休もう

入浴後は30分~1時間くらいしっかりと休憩をとりましょう

入浴後、気分は快適でも、入浴というものは自分で思っている以上に体に疲れが出ているものです。

発刊作用によって不足した水分・ミネラルを補うために、水やお茶・スポーツドリンクなどで十分に補給して、30分以上はゆっくりと休むようにしましょう。

また、入浴後15~30分が一番心がリラックスしやすいので、この時間をのんびり過ごすことがストレス解消につながります。



 6. 入浴の回数は?

病気のため、健康増進のための温泉入浴も、入りすぎは体力の消耗をまねき、湯あたりや症状の悪化につながります。
つい、「せっかく来たのだから」と1日に何回も入浴したくなりますが、それはいけません。

入浴回数は、1日に3回くらいを限度にしましょう

特に湯治の初日は、まだ温泉に慣れていないし、移動の疲れもあるので、1~2回の入浴にしたほうが安全です。
初日は温泉に体を慣らす程度の入浴と考えておいたほうがイイと思います

また、1~2週間の湯治の場合、必ずしも毎日入浴するのでなく、治癒の過程で体に痛みがでたり、湯あたりをしたら、入浴しない休息日をとりましょう。

無理に入るだけが湯治ではありません。
体調に合わせて、入る回数や時間を調節するようにしましょう。



 まとめると・・・

 0. 入る前に体調を確認しよう。
 1. カラダをお湯の温度に慣らすために「かけ湯」をしよう。
 2. ゆっくりと半身浴でカラダを慣らしましょう。
 3. 入浴時間は5~15分を目安にして、長湯はしないように。
 4. ゆっくりと温泉から出るようにして、むやみな「あがり湯」は避けること。
 5. 入浴で疲れたカラダを30分以上休ませよう。水分補給は忘れずに。
 6. 入浴回数は1日に3回くらいを限度に。




         ・・・つづく ≫≫


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湯治入門-6 「湯治をしよう 第2部!」

2010年08月17日 01:12

湯治入門その1その2その3その4その5」のつづきです↓



  
  ○ 湯治をしよう - 湯治の仕方 の つづき ・・・≫

前回は、「温泉の正しい入浴方法」について説明しました^^

意外と知らないこともあったのではないかと思っていますが、いかがだったでしょうか?

「温泉への入り方はわかったけど、湯治はどのくらいの日数をかけるものなの?」ということが前回、説明しきれませんでした^^;

今回は、その「湯治の期間」について説明していきますね




温泉に1回だけ入浴しただけでは、温泉旅行になってしまいます。

湯治は、疲労を回復させる「休養」、健康を保持し病気を予防する「保養」、病気の治療をする「療養」のために行うもので、ある程度の期間、温泉に入浴する必要があるのです。

そこで湯治には昔から言われている言葉があります。


『湯治、七日一回り、三回りを要す』


地域や泉質にもよりますが大体7日間前後を「ひと回り」とし、それを2、3回りすることが、効果のある伝統的な湯治のスタイルなのです。

つまり、大体2~3週間程度続けて行うのがよいとされていた訳です。


2~3週間がいいと言われても、そんな時間は取れないよ!!という方のほうが多いと思います(笑)

しかし、さらに「ひと回り×3回」を年に数回繰り返すことで、本当の湯治の効果を実感できるとも言われ、病を治すためには長い時間をかける必要があります。

なかなか簡単に時間がとれる人ばかりではありませんが、湯治で病を治すには時間が必要だ。ということは覚えておいてください。



さて、時間がとれる人もいれば、とれない人もいます。また、病を治すために湯治に行く人もいれば、体調を整える保養やリフレッシュのためにいく人もいます。

なので、今回ここでは、いくつかのケースを紹介していこうと思います^^

自分の湯治の目的や社会環境・費用など、自分にあった湯治のスタイルの参考になればいいなと思っています




  - 湯治のスタイル その1 『7日ひと回り×3回り』 -

ひと回り×2~3回というのは、伝統的な湯治のスタイルです。

「ひと回り」というのは、温泉の効果があらわれる期間であり、徐々に身体を温泉に慣らしていく期間でもあります。

始めのひと回り目のとき、湯治開始2~3日目または1週間程度で「湯あたり」の症状が出てきやすいです。

「湯あたり」は、温泉の刺激に体が反応しているためで、倦怠感・食欲減退・めまい・頭痛・眠気・不眠・発熱など、症状はさまざま。
必ずしも毎日入浴するのでなく、治癒の過程で体に痛みがでたり、「湯あたり」をしたら、入浴しない休息日をとったり、入浴回数を減らしたりしてください。

始めのひと回りで、温泉に慣れたり、温泉の泉質が体質に合うかなどを確かめます。

そして、1・2日程度休息をとって2回り、3回りと入っていきます^^


また、3回り(3週間程度)湯治をしたら、温泉の入浴効果が落ちてきます

温泉に含まれている成分が皮膚から吸収されて細胞活動が活性化され、また温泉の成分や温熱の刺激が神経系統を調整し、バランスを崩した内臓の機能をして自然治癒力を高めてくれますが、毎日入浴していると、3~4週間程度で入浴効果が落ちてくるのです。

なので、3回りしたら、1~2ヶ月以上カラダを休ませてあげて、また3回りというように、湯治と休息を繰り返したほうが効果的な湯治の期間となります。


このスタイルは、2~3週間ほどの時間がとれる人や真剣に病を治そうとする人は、このスタイルがいいと思います

ただ、長期滞在は費用もかかりますから、『その4 温泉地・宿の選び方』で説明したような安く長期滞在できる宿を選ぶようにしましょう




  - 湯治のスタイル その2 『週に1回温泉入浴する習慣を』 -

週1回の温泉入浴を3~6ヶ月続けても、連続湯治と同じ効果が得られます

長期の休暇がとれない人は、このスタイルがいいと思います

自分に合った・自分の気に入った温泉に、曜日を決めるなどして、週に1回温泉に入浴する習慣をつけましょう。

週1回の入浴とはいえ、この時も「その5-温泉の正しい入浴方法」を参考にしながら、1日2~3回程度入浴するようにしてください。

あくまで、湯治としての意識をもっておきましょう。




  - 湯治のスタイル その3 『2泊3日程度のプチ湯治』 -

長期の休暇もとれないし、週1回通えるような温泉がまわりにない人は、このプチ湯治のスタイルをオススメします

プチ湯治は、基本的には病気の治療をする「療養」ではなく、健康を保持し病気を予防する「保養」を目的とした考え方です。
1週間以上の長期休暇は無理だが、2泊3日、3泊4日のような日程を温泉地で過ごして、体調を整えるというものなのです。

病気とまではいえないが、体調の不調や悩みなど「未病」の状態の人が現代では多くなりました。

日々の生活で、自律神経の失調・免疫力の低下・ストレスやノイローゼなどの精神的苦痛・アレルギー症状など、さまざまな症状を持ちやすくなっています。

それを「プチ湯治」によって、リフレッシュし病気になりにくい身体を維持させようというのです。


「プチ湯治」も1回こっきりではなく、定期的な間隔で行うことが大切です。

疲れや症状を感じる前に、プチ湯治で体調を整えるのが理想的といえます。

この時も「その5-温泉の正しい入浴方法」を参考にしながら、1日2~3回程度入浴するようにしましょう





        ・・・つづく ≫≫


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湯治入門-7 「湯治は薬と同じです」

2010年08月19日 01:01

湯治入門その1その2その3その4その5その6」のつづきです↓



 ○ 気をつけること・知っておきたいこと

湯治または温泉というものは、温泉の入り方や温泉との相性など、正しい知識をもっていないとかえって症状を悪化させてしまうことがあるものです。

薬に用量・用法・副作用などがあるように、湯治にも同じようなものがあります。
安易に考えていると、カラダに悪影響を与えかねません。


いままで色々なことを書いてきましたが、気をつけること・知っておきたいことを心構え~入浴の仕方まで、もう一度、確認していきましょう



 湯治場には、本気で病気を治そうとして重い病気を抱えた方が集まっていることも少なくありません。
遊びに行くような気持ちでいると、その考え方の違いからトラブルになってしまうこともありますから、湯治へ行くときは、重い病気を本気で治そうとしている人達がいるということだけは知っておかなくてはいけません

とはいえ、みなさん体良くしようと来ている人ばかりで、“はだかの付き合い”と呼ばれるように温泉には心がオープンになる・すぐに打ち解ける雰囲気があるので、あまり心配しすぎる必要はありません^^



 同じ病気の人の話を聞き、「あの人がどこそこの温泉でよくなったから自分も行ってみようか」などと判断して温泉に療養に行くのは、かえって病気を悪化させる危険もあるので注意が必要です。
人それぞれ、症状や体質、体調、考え方が違うので人の意見を信用しすぎないようにもしましょう



 湯治の場合、宿選びに注意が必要です

値段もさることながら、静かな環境か、落ち着いたくつろげる造りか、階段やお風呂場に手すりは付いているか、炊事場あるか、洗濯機やその他日用品は揃っているかなど、宿の造りから滞在のための施設環境も事前に調べておくことが大切です。

昔ながらの湯治宿では、短期の観光客や保養客を相手にしていないため、娯楽施設やTVがない宿も珍しくありません。
また、宿泊や滞在に必要なものは宿泊先によっても異なっていて、旅館への宿泊と違い、寝具一組、浴衣一着、食器・茶器一器にいたるまでレンタル料が発生するので、有料・無料の別は事前に良く確認しておきましょう

また湯治宿では、料理が出ないところもあり、そのため自炊設備が整っていたり、ご飯と味噌汁は提供してもらい、おかずだけ自分で用意するという半自炊というものがあります。
料理の有無も確認しておきましょう。



 十分休息してから入浴するようにしましょう

宿・温泉に到着したら、少なくとも30分から1時間の休息。
食事の直後・飲酒後・スポーツ直後は避け少なくとも30分から1時間の休息。
風邪や体調が悪いとき、あせって湯治をすることは避けること。



 温泉には、「禁忌症」というものがあります。

ふだんは体によい効果をもたらす温泉の刺激も、体が非常に弱っていてそれに順応できない場合や、反対に過敏な状態にある場合は、かえってマイナスに働くことがあります。
病状が悪化するおそれのある症状については、温泉入浴を禁ずる「禁忌症」として、必ず表示することが義務づけられています。

 -温泉の一般的禁忌症-
急性疾患、(とくに熱のある場合)、活動性の結核、悪性腫瘍、重い心臓病、呼吸不全、腎不全、出血性の疾患、高度の貧血、その他一般に病勢進行中の疾患、妊娠中(とくに初期と末期)


その他、下記↓のような症状にあてはまる場合には、完治するまで温泉入浴は控えるべきです。

・すべての急性疾患(熱のあるとき)
・慢性関節リウマチの病状進行期
・がん、白血病、肉腫
・重症高血圧、動脈硬化症
・1年以内の心筋梗塞、狭心症発作(心電図などで判断)
・重症糖尿病
・代償不全の心臓病、腎臓病
・発病後間もない脳卒中
・発病後間もない胃・十二指腸潰瘍
・大血管の動脈瘤
・妊娠初期と後期、出血しやすい体質、月経中
・急性伝染病


泉質によっては、かえって症状が悪化してしまうこともあります。特に注意してください。

・高齢者・乾燥肌の人は、硫黄泉、硫化水素泉の入浴は避ける。
・強アルカリ泉も人によっては肌がかさつく。
・皮膚粘膜の過敏な人、特に光線過敏症の人は硫黄泉を避けたほうがよい。


温泉は、薬と同じです。
温泉の効能は万能ではなく、効果もある反面、カラダにとって悪く働くこともあることをよく覚えておいてください



 飲泉(温泉を飲むことで病気の回復などの効能を得ようとすること)にも注意が必要です!!

温泉には、成分分析上、飲泉による効能が認められていますが、多くの温泉は、保健所が飲泉を許可していない場合がほとんどです。
また、飲泉は刺激が強いので注意が必要です。できるだけ、入浴による健康増進を考えるようにしましょう。
飲泉をされる場合は、できれば医師などの指導を受けてください。
 
温泉といっても循環風呂の注ぎ口のお湯は衛生上問題があるので飲まないようにしましょう。
たとえ掛け流しでも、消毒していない湧き水を飲むわけですから、効果が大きい分注意も必要になりますし、泉質によっては飲泉が禁じられている場合もあるので、不用意に飲まないようにすることが大切です。

泉質によって、飲泉の禁忌症も異なりますが、主なものとして以下のものは注意してください。

・高血圧症、腎臓病、その他むくみがあるとき → 塩化物泉、ナトリウム炭酸水素塩泉、ナトリウム硫酸塩泉は多量に飲まない。
・甲状腺機能亢進症のとき → ヨウ素を含むものは飲まない。
・下痢をしているとき → 二酸化炭素泉、硫黄泉、硫化水素泉は飲まない。




 入浴すると体内の水分が“発汗”によって失われ、いわゆる「ドロドロ血」の状態になりやすいです。
「入浴前にもコップ1杯の水・入浴後にもコップ1杯の水」を飲む習慣を身につけましょう。



 湯治開始2~3日目または1週間程度で「湯あたり」の症状が出てきやすいです。

「湯あたり」は、温泉の刺激に体が反応しているためで、倦怠感・食欲減退・めまい・頭痛・眠気・不眠・発熱など、症状はさまざま。
しかし、1~2日ほど入浴を中止すれば、自然に治ります。

「湯あたり」と、温泉の泉質が体質に合わず体調を崩したのとなかなか見極めが難しいですが、症状が悪化したと思っていたのが「湯あたり」だったということもあります。
体調を崩したときは、必ずしも毎日入浴するのでなく、入浴しない休息日をとったり、入浴回数を減らしたりして、様子をみながら湯治をしましょう。






そのほかにも色々あるかとは思いますが、とりあえず、以上のことは気をつけましょう。

特に、入浴・飲泉の禁忌症には注意してくださいね


        ・・・つづく ≫≫


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