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東洋医学 - 1  はじめに

2010年01月15日 00:50

えー、ブログの始めのテーマは何にしようかな~?
と、色々迷いましたが、鍼灸師である私としては、東洋医学を外す訳にはいかんでしょう。ということで、まずは、東洋医学について書いていきますね。



っと、その前に、誤解を生むといけないので私のスタンスを明確にしておきます。


よく東洋医学・西洋(現代)医学のどちらが優れているのか?という問答を耳にしますが、これはあまり意味の無い追求だと思っています。

悲しいことですが、業界にいると、鍼灸師で医師を馬鹿する人や医師で鍼灸を認めない人をたまに見かけます。どっちも人の身体や心というものを扱っているのに。

東洋医学も西洋(現代)医学も、どっちもメリット・デメリットがあります。また、この他にも色々な療法があります。あまり1つのものに固執しないで、これらをうまく使い分けていくことが必要になるのです。

物事のメリット・デメリット、真実なのか、嘘なのかを知り、自分にあったものを上手く使いこなしていくことが大切だと考えています。

なので、私のスタンスとしては、

                 とにかくいいとこ取りA1.jpg
東洋医学・現代医学・その他の治療方法が協力して病から健康(身体)を守ることが大切です。


これからは、このスタンスに則って、いい情報を知る手助けができればうれしいです。





なんだか長くなっていまいましたが(すみません!)、次回から『東洋医学』編スタートです ⇒


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東洋医学 - 2  東洋医学とは!?

2010年01月17日 22:03

さて、『東洋医学』。

こう聞いて、知ってるよという人や聞いたことはあるけどあやしいものでしょ?という人まで、色々いると思います(笑)
実は、東洋医学とひとくちに言っても様々な種類があります。中医学・韓医学・漢方医学・チベット医学・アーユルヴェーダーなどなど。

ここでは、中医学・漢方医学(日本で発達した中国医学系の伝統医学のこと)を東洋医学として書いていきますね。



では、東洋医学とはどのような医学なのでしょうか?


東洋医学は、いまから2000年以上前の中国から始まりました。

西洋医学というものがない時代、数々の名医たちの治療経験が凝縮・淘汰され、独自の治療体系として、東洋医学のもととなる3大古典『黄帝内経』『傷寒雑病論』『神農本草経』が生まれました。(だいたい前漢~後漢でB.C.202年~A.D.220年に作られた)

これらは、陰陽・気血水・五行・虚実・経絡などの概念・思想から成り立った医学書で、これらをもとに発展してきました。

科学的な根拠をもとにした西洋医学とは異なり、東洋医学とは、経験をもとにした医学で、人間をありのままに受け止め、心・体・自然を総合的に捉えて治療する医学なのです。



日本では、飛鳥時代に中医学が伝わり、明治時代まで発展しながら生活と深く結びついていましたが、文明開化・富国強兵などで西洋医学を重視する政策がとられ、東洋医学は衰退の一途をたどりました。

つい100年ほど前までは当たり前だった東洋医学は、今では「やる気」「頭寒足熱」などの言葉は知られていますが、かなりすみに追いやられてしまったのです。

現在では、鍼灸師はもとより、医師や薬剤師にも漢方薬を使う人が出てきたり、薬膳なども知られるようになりましたが、まだまだ知らない人も多くいて(特に若い世代で)、鍼灸師の私としてはとても悲しいのです・・・。



ですから、ここでは、基本となる陰陽・気血水などや自分でできる治療法の説明・紹介を通じて、少しでも多くの人に『東洋医学』というものを知ってもらえれば、うれしいかぎりです。



  めざせ! 東洋医学の普及と定着!!!


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東洋医学 - 3 『陰陽論』

2010年02月24日 23:19

東洋医学には、基礎となる考え方として、陰陽・五行・気血水などがあります。

その中で、今回は 『陰陽』 について説明していきますね。



 陰陽とは、この世のすべての物ごとを、「陰」と「陽」に分けて把握しようとした古代中国の哲学です。
すべての物事は陰と陽に分類でき、陰陽はお互いに交流し、バランスを保つ関係があります。

 言葉ではよくわからないと思うので、とにかく陰陽の色々な例を挙げていきます。
感覚で掴んでください!なんとなくわかると思います。(同じ上段と下段で対になっています)
A4.jpg
どうですか?なんとなく掴めましたか?
例はほんの一部でしたが、このように東洋医学では、ありとあらゆる物・現象を「陰」と「陽」に分けているのです。

しかし、この陰陽も、絶対的に純粋に陰と陽に分けていると言うとウソになります。
これを表現したものがコレ↓です。

A2Yin_yang_.png

一度くらいは目にしたことがあるのではないですか?
これを『太極図』といいます。

この太極図は以下のことを表しています。

① 陰と陽がぐるぐると循環し、バランスを保っている。
② 純粋に陰・陽ということはなく、陰の中にも陽があり、陽の中にも陰がある。
③ 陰が小さくなると陽が大きくなるというように、互いに補う関係にある。

(②の補足&例:体を上半身と下半身に分けたとき上半身は「陽」だけど、上半身の腹側は「陰」で「陽の中の陰」ということになる。)


 東洋医学では、人間の身体は陰陽の循環でバランスをとって生きている。としています。

このバランスが崩れたり循環がうまくいかないとき、病気になるのです。
逆にいえば、この陰陽のバランスを整えることが東洋医学における治療になるわけです。


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東洋医学 - 4  『五行論』 その1

2012年09月08日 01:02


東洋医学には、基礎となる考え方として、陰陽・五行・気血水などがあります。

その中で、今回は 『五行』 について説明していきたいと思います。



五行論とは、自然界に存在するあらゆるものを『 木・火・土・金・水 』の5つに分類し、それらに相互関係をもたした古代中国の哲学です。
すべてのものが5つに分類され、お互いに関係をもち、ときに助け合い、ときに制御しあう関係があります。

医学だけでなく、古くから政治や哲学などで用いられ、陰陽とともに生活に深く根付います。


では、実際にどのように分類されていると思いますか?

こちらの表をみてみてくださいね↓

色体表

これは、五行色体表(ごぎょうしきたいひょう)といい、あるジャンルのなかでそれぞれ5つに分類したものを見易いように表にしたものです。
あらゆるものが5つに分類されおり、すべて載せると膨大になってしまうので、この色体表はいつかを抜粋してつくってあります^^

どうして、自然現象は木で、季節は春で、方角は東で、臓器は肝なのか?
そう疑問に思ったのではないですか?

古代中国の殷の時代では、まず四神の発想が生まれてきます。
東=青龍=青 南=朱雀=赤 西=白虎=白 北=玄武=黒 というものです。

その後、春秋時代・戦国時代・前漢時代と進むうちに、中央の考えが足され、“(中国から見て)東から春は風が吹き、春は樹木が芽吹き成長する時期で発散する肝と関係する”というように長い年月をかけて形作られていったのです。

( この考えはいまの生活でもみることができます。例えば、「青春」という言葉で若者や若さをあらわすのも、木の伸びやかさや春の季節を表したものです。 )


馬鹿馬鹿しいと思うかもしれませんが、こと臨床の場では馬鹿にはできません。

それは、何百年、何千年という歳月のなかで、数多くの名医たちが膨大な経験のもと、修正に修正を重ねて、まったく合致するように医療体系を作りあげてしまったからです

東洋医学は、実践・臨床経験がさきにあり、あとから理論がつくられてきた医学ですからなおさらです。

現代の科学・理論優先の見方からすれば滑稽無糖かもしれませんが、実際にこの通りに治療していると不思議なくらいその通りにいきます。。。

しかし、陰陽論とは違い、5つに分類しなくてはいけないため多少無理があり、すべてを絶対視はできないのも事実です^^;
とはいえ、東洋医学を形作る基礎となる考えという点は変わらず、非常にわかりやすい・使いやすい考えであるのも確かです。


すこし話がそれましたが・・・^^;

五行論とは、『 木・火・土・金・水 』の5つに分類し、それらに相互関係をもたしたものです。

こちらが弱ったら他のところが強くなる。またこちらが他のところに影響して弱めてる。などというような関係があります。

次回は、この関係に注目してきたいと思います^^


      ≫≫ 次回につづく


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東洋医学 - 5  『五行論』 その2

2012年09月11日 22:20

 『五行論』 その1 のつづき↓

さて前回は、五行論とは・・・自然界に存在するあらゆるものを 『 木・火・土・金・水 』 の5つに分類し、それらに相互関係をもたしたものと説明しましたね^^
そして、実際どんなものがどのように分類されているのか、一部ではありましたが見ていただきました。

今回は、それらがどのように関係しあっているのかをみていこうと思います。


で、いきなりですがこの図を見てください↓

五行説(五臓と季節)

この図を五行の相生・相剋図といいます。

これはすべてがお互いに関係しあっていることを表し、相生関係と相剋関係の2つあります。

ひとつずつ見てきましょう^^


まずは、≪ 相生関係(そうしょうかんけい) ≫ です↓
相生図

相生関係とは、相手を生み出す、与えるという意味で、母子関係とも言います。

木が燃えて火を生み、火が燃え尽きると土(灰)を生み、土から金属が採れ、金属に熱を加えると液状(水)になり、水を与えると木が育つ。という、物の発生や発展を生む・与える関係です。
火は木の子であり、土の親である。とか木生火、火生土。などという言い方で表したりします。


そしてもうひとつ、 ≪ 相剋関係(そうこくかんけい) ≫ です↓
相剋図

相剋関係とは、相手を抑制する、困らせる、何かを取り上げるという意味です。

木は土の栄養を吸い取り、土は水をせき止め、水は火を消し、火は金属を溶かし、金は木を切る。という、物の抑制する関係です。
木剋土、土剋水。などという言い方で表したりします。



多少無理があるとかこじつけっぽいとか思われたかもしれませんが、どちらも東洋医学の基礎となる大切な考え方です。
診察~診断~治療から病因・病期・予後などありとあらゆるところでこの考えが活用されています。

今回は、物事を5つに分類し、それらがお互いに関係しあっているという考え方があるということが知っていただけたならイイと思います^^

五行で多少の関係の偏りは体質だが、この関係が大きく崩れたりすれば病になるし、それを治すように治療していくのが東洋医学なのです



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